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東方幻想記  作者: 弾奏結界
第三章──能力開花──
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第十九話

紫が差し出した紙には、たくさんの文字がきちんと並べられて読むのに然程苦労はしなかった


要約して言えば、どうやら俺の能力は[道を見つける程度の能力]というモノらしい。俺自身が道を定義すれば、例えソレがどんなモノであれ必ず見つけられる……だそうだ


パチュリーと紫が満足そうに頷くなか、俺は未だに自身の能力がはっきりとは理解出来ていなかった。第一、道を定義すればと有るが何を以って道と定義するのか──そこからイマイチピンと来ないのだ


首を捻って紙と睨めっこする俺に、紫が苦笑しながら助け舟を出してくれる


「簡単な事よ悠哉。貴方が迷った時行きたい所へ通ずる道と定義するも良し、探したいモノへ向かうための道と定義するのも良しなのよ。つまるところそうねぇ……貴方がとにかく目的に辿り着くための手段道中中身を能力に則って道と考えれば、ソレが必ず見つけられて前に進めるの」


「……なら、迷子になっても何処へ行きたいか道を考えれば行けると? 落し物を探すにしても落し物へ向かう道さえ作ってしまえばいいと?」


「かなり簡単に言ってしまえばそういう事ね。ほら、簡単でしょう?」


紫の問いに頷いて、納得する。難しく考える必要はなさそうだ……要は道に対する考え方次第で何でも出来る、と


もう一度手元の紙を見て──或る一文に目が止まる。そこには、この能力の効力が使用者が許可した他人にも有効であるという内容だった


「なぁパチュリー、俺の能力って他人にも使えるのか?」


「えぇ、大丈夫そうよ。もっとも貴方が許可する必要が有って、尚且つ或る程度の信頼関係が構築されているのが絶対条件だけれど……」


「その信頼関係云々ってさ、こっちが一方的に信頼してるじゃダメなのか?」


「そこまでは分からなかったわ。でも恐らくだけど使用者である貴方が主なんだから、貴方次第じゃないかしらね」


この辺りは実際にやってみないと分からないようだ。と、いう事で……


「物は試し、早速使ってみるかな……」


目を閉じて道の定義に入る。今回はあくまでも試験的運用なので、少し離れた位置に居る紫の元へ向かうための道を考える


──と、身体が少しずつ熱くなる。ゆっくりと目を開けると、俺と紫の間の床が赤く輝いているではないか。目を見開いて驚く俺を不思議そうに紫やパチュリーが見つめてくる辺り、どうやら二人には効力が発揮されていないみたいだ


そのまま離れると、赤い光が少し薄くなる。なるほど、目的との距離が遠くなれば光も弱まるのか……現に近づくと光は強く輝きだすから間違いなさそうだ


他にも対象が人物の場合のみではあるが、ソレが弱っている等していると同じ様に光が弱まるらしい。簡易的ではあるが安全確認にも使えそうだ


以上の事を二人に話すと、紫は目を細めてパチュリーは興味深いと呟いて頷く。取り敢えずこれで──少なくともこの幻想郷でだが──迷子にならずに済みそうだ


収穫の多さに口元が緩むのをなんとか抑えていると、パチュリーが壁にかかった時計を見ながら机を片付けはじめる。かなり長い時間居たらしく、紫もスキマを八雲邸へと繋げている


「パチュリー、今日はありがとうな。おかげで色々自分の事が分かったよ」


「気にしないで頂戴。此方も色々と頂き物が有ったから」


そう言って笑みを零すパチュリーの手には、膨らんだ布袋が。なんでも次に行う予定の実験に必要な材料を、交換条件として紫から仕入れたようだ


「それでもさ、感謝してるんだ……ありがとう」


「……なんと言うか、見かけに依らず律儀なのね貴方。まぁ礼を言われるのは良い事だから、やぶさかでは無いけれど……貴方の感謝の気持ち、ちゃんと受け取ったわ」


最後に握手を交わして──紫が待つスキマの淵へ。振り向けばパチュリーが小さく手を振って見送ってくれていた


手を振り返してそのまま紫と一緒にスキマへと身を投じる。全身を襲う浮遊感を味わいながら、また機会が有ればパチュリーの元を訪れたいなと考えていた


──その機会とやらが、案外あっさりと訪れるとは……俺はその時露ほどにも思っていなかった──

フラグですね、えぇフラグです


と、言う訳で……彼にはもう一度近いうちに今度は紅魔館へ行ってもらいます


図書館じゃないですよ? 主やその妹さんを出さなきゃねぇ……?


後、勿論ですが使い魔ポジション(?)の彼女も出ます


なるべく早く、書きたいですねぇ……

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