表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方幻想記  作者: 弾奏結界
第十四章──幻想郷を巡り巡った先で──
177/197

第百七十七話

「それじゃあ先ずは小手調べ! さぁ悠哉、私と楽しく踊りましょう!」


フランの背後に複数の魔法陣が浮かび上がり、それぞれ大玉や分裂する小玉といった通常弾幕が俺に向かって降り注ぐ


攻撃の類を一切使用出来ない為ステップを踏んで飛び跳ねて、空中を滑るようにしてただひたすらに躱し続ける。それを見て、フランはさらに弾幕の密度を上げていく


──それはまるで、弾幕ごっこの最中に行われる俺とフランのダンスだ。放たれる弾幕は俺達を際立たせて流れて行き、大小様々な光を放って美しく消えていく


「あはははは! 流石悠哉、この程度は余裕だね! 私、とっても楽しいよ!」


「そうか、俺もだよ……っと。コントロールも以前よりさらに精密になってるし、気が抜けないね」


軽口を叩く程度には周りが見える。自分の実力が彼女に負けないくらいには付いてきた証だろうか、なんて考えていたらフランの手にはスペルカードが


「なら、これはどうかな? 単純だけど、効果的! さぁおいで、遊びましょう!」


直後、カードが光り輝きフランの左右に人影が。その人影はやがて立体的な形を取り、フランそっくりになって現れた


「確かに効果的だなこれは……四対一か。だけど、俺も負けられないからな。かかってこい、フランドール!」


にっこりと、ケタケタと、にやりと、ゲラゲラと、それぞれ異なる笑みを浮かべて──四倍の密度になった弾幕が空間一帯を覆い尽くす。ぱっと見では抜け道など無く文字通り壁となって向かってくるような、そんな錯覚すら起こさせる


だがこれはあくまで弾幕ごっこ、ならば必ず何処かに道は有る。被弾してしまう前に見つけ出し潜り抜けなければ……


能力を発動して手早く道を進むと、先程よりも一回り大きな弾でもって壁が形成される。抜け道はさらに小さく、そして見つけづらくなっていく


だが、俺は自然に笑みが溢れるのを抑えられなかった。楽しい、ただただ楽しいのだ。弾幕ごっこが楽しい、フランと遊ぶのが楽しい


「ふふっ、悠哉やっと笑ったね。弾幕ごっこは楽しいモノなんでしょう? なら思いっきり、楽しもうね!」


俺達は笑い合いながら、これが試験であるという事を忘れて弾幕ごっこに興じた。この気持ちを忘れなければきっと辿り着ける、そんな手応えすら覚えながら……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ