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東方幻想記  作者: 弾奏結界
第十四章──幻想郷を巡り巡った先で──
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第百七十三話

「さて、次は私の番ね。連戦になるけれど、別に構わないでしょう? それくらいわけなくそつなくこなしてもらわなきゃ、此処から出られるだなんて思わない事ね」


若干心配そうなニュアンスを残しながらも何処か楽しげに言葉を紡ぐパチュリー。傍らに控える小悪魔も、いつにも増して笑顔を浮かべ羽を動かしている。動かない大図書館とその使い魔が相手だ、恐らくはロジックでも解かせようと言うのか……?


「えぇっとですね……今回貴方に解いて頂く問題は、ズバリ! ──宝探しですっ!」


わーわー、パチパチと一人熱くなる小悪魔を尻目にパチュリーが進み出て床に手をかざす。するとどうだろう? 小さな小さな、小人用の迷宮が現れたではないか! その隣に魔法陣を一つ描き、パチュリーがゆっくりと続きを告げる


「ただし、ただ宝を探すだけではつまらないわ。そこで悠哉、今から貴方にこの魔法陣を使って迷宮へと入り宝を探してもらうわ。もちろん万が一の事を考えて回復や休憩出来るスペースは設けてあるし、簡単だけれど食事も取れるわ。コックは咲夜が務めるから、味の保証は……必要ないかしら?」


頷いて魔法陣の上に乗る。一つ間を置いて光り始めるソレに意識をたゆたわせていると、そうそうとパチュリーが忘れていたわと一言


「中では死ぬ事も考えられるから、くれぐれも油断しないように」


その真意を問う前に──俺は迷宮の入り口に立っていた。迷宮が大きくなったのかと思いきや、どうやら俺が小さくなったらしい。現に、上を見上げれば見えるのは青空ではなくレミリア達の姿。それもさっきまで見ていたよりも遥かに大きい姿となっている


「迷っている暇は無いか。えぇと先ずは……入り口をくぐり先の小部屋で待機すべし?」


指示されるがまま扉をくぐり小部屋で待っていると、目の前の空間が歪曲を始めガイコツが姿を現した。上には、哀れな旅人の成れの果てを成仏させよ、ただし物理攻撃のみを用いるべしとご丁寧な表示が


右手に持った刃の短い剣と左手に持った丸い盾、そして脛や肘や肩に軽い防具を着けた程度ではあるが……そもそもガイコツって物理でどうこうなるものなのか?


「悩んでも仕方ない……行くぞ!」


息を整え腰を落とし、右足を引いて半身の体勢をとり相手の出方を伺う。刃物を持った相手に取った戦法はカウンター、攻撃を避け一撃で沈めるのだ。よくわからないガイコツに、時間をとられるわけにはいかない


ガシャガシャと音を立てながら迫ってくるのはなかなかに迫力があったが、所詮は骨。大振りな一撃を軽く躱して渾身の右ストレートを頭にブチ込むと、呆気なく全身が崩れ砂となって消えていった


「……呆気ないな。次は別れ道か、こういう時は迷ったら左だな。左手ついて歩いてりゃいずれ出口に辿り着くって聞いた事もあるし、無難に行くか」


──迷宮攻略率、現在5%……

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