第十五話
会話を多めにしてます。内容は拙いですが……
「……ふぅ、準備はこんなところかな。後は……」
その夜、俺は紅魔館へ向けての準備に勤しんでいた。まぁ持って行く物と言ってもスペルカードの素と護身用にと持たされた霊撃符、それにどういう原理か分からないが紫が扱うスキマを簡略化して片道のみだが使用を可能にしたお札
それ等を纏めて枕元に置く。──唐突にスキマが開き、中から紫が顔を出す
「あら? まだ寝ていなかったの、夜更かしはダメよ。準備もいいけどホドホドになさい」
「ん、まぁな……でも万が一って事も考えられるし念には念をってヤツだ」
やれやれといった表情で首を振る紫を尻目にもう一度枚数を数え、歪みや痛みが無いかどうかを確認する
紫曰く、そういったのは札に印された効果が的確に作用しないのだとか。絶体絶命のピンチに起死回生とばかりに出した代物が、整備不良で不発に終わりました〜だなんて……死んでも死に切れないというもんだ
「……よし、終わりっと! 見たところ異常は無さそうだし、貰った時のまんま新品そのものだな」
「ねぇ、まさかとは思うけど……扱い方分かってるわよね? いくら新品同然でも、扱えなきゃ意味が無いのよ?」
「オイオイ、バカにしないでくれよ。霊撃符はアレだろ? コイツに霊力とやらを注げば発動するんだろ。スキマの片道切符も同様だし、スペルカードの素はイメージだし……うん合ってる筈」
「えぇ正解よ。正確には、スキマは行きたい場所をしっかりイメージしないと開かないことくらいかしらね。その分なら大丈夫ね」
紫から太鼓判も貰った所で、全て片付けて布団へ入る。相変わらず紫はスキマに寝そべって、じっと俺を見ている……なんだ?
「貴方の寝顔が見たいから眠いのを我慢して待っているのよ?」
「しょうもない事を待つな、それにさり気なく人の心を読むな。読心術まで使えるのかよ……」
「しょうもない事はないわよ、あと読心術じゃなくて顔色見てれば言いたいことが何かくらいすぐ分かるわ」
「あ、さいですか……」
そんな風にどうでもいい事を話しながら、いつしか俺の意識は沈んでいった──
「ふふ、なんだかんだ言って結局は眠かったのね。無理せず眠れば良かったのに……」
私の前で穏やかに眠る少年──悠哉の寝顔を堪能しつつ呟く。独り言のつもりだったけど、それに返す者が居た
「恐らく彼も、紫様に遠慮したのでは? せっかく話しかけてくれたのに、無視して眠るのは失礼だ〜とか考えて」
「藍、居たの? 一言くらい言って頂戴、びっくりしたわよ」
「その割には平然となさってますね……ともかくそういうことみたいですよ? 前に彼が自分から言った言葉でしたし」
「あらそうなの? って藍、貴方いつの間に悠哉とそんな会話を……」
「ご安心を紫様、彼は私の好みではありませんので。頼りにはなりますが、そこまでの男でもありませんし」
「ず、随分な言い方ね……って、何がご安心をよ。私だって……」
「……まぁ、そういうことにしておきましょうか。さ、紫様も早くお休みになられてください。いくら賢者様でも、風邪をひかれてしまいますよ?」
「釈然としないけど、まぁいいわ。それじゃおやすみなさいね藍」
「はい、おやすみなさいませ紫様」
退散する式神を見送りつつ、視線を眠る彼へ。この胸に抱く気持ちが、果たして藍の言っているモノなのかそれともただ一時の迷いか──
今の私には、白黒はっきりつけることが出来なかった……
さて、紫さんのオリキャラへ抱く思いとは……?
やはり好きなキャラとの恋愛は、書きやすいですねぇ。少々寄ってしまいがちですけど
ちなみにもう一人、予定してます。ハーレムではありませんが二人ですね
ヒントは白玉楼。まぁもうすぐに分かりますね……ヒントなんてなかったんや……
次から本格的に紅魔館へ行ってもらいます。どうやることやら




