第百四十四話
白玉楼に無事に辿り着いた俺達は、主である幽々子と面会し現状と今後を話し合うため廊下を歩いている。先導するのは変わらず妖夢で、その後ろを三人並んでついて行く
「……幽々子様、皆様方をお連れ致しました」
「ご苦労様。入りなさい」
一言断ってから入室すると、部屋の中心に幽々子が座して待っていた。全員入るのを確認後、妖夢も入室して障子を閉め座る
「さて、先ずは……此処まで無事で良かったわ。どうやら紅魔館は貴方の側に立ってくれたみたいね? でも相手は強大よ、なにせ博麗の巫女とスキマ妖怪が動いているもの。それに、天狗の動向も気になるわ……同胞の身に何か有ったと知ってあちこちに鴉天狗を放ったようなのよ」
「となると、尚更動きにくくなったな。このままだと、在らぬ罪で引き出されそうだ……参ったよ全く」
「まぁ公平な裁判だとウチの四季様が出張ってくるから問題無いと思うけれど、身内での判断とかなら間違いなく黒にされるだろうねぇ。連中、身内の事となると見境無しだからねぇ」
「そうなりゃ、咲夜にでも頼んで四季さん連れてきてもらうしかなさそうだな。何はともあれ、捕まることだけは避ける必要が有るな。が、そうなるとそう簡単には動けないと。さてどうしたものか……」
「まぁまぁ、あまり根を詰め過ぎても良い案は出ないわ〜。今のうちに休めるだけゆっくりと休んで、英気を養って頂戴な〜。ほら妖夢ぅお菓子とお茶よ〜!」
「へ? は、はいただいまっ!」
──確かに考えてても始まらない。ここは幽々子の言葉に甘えて、のんびりとさせてもらおう。そう考えた俺達は、しばし白玉楼で休息を取った
小町と互いの事で改めて紹介し合ったり、咲夜の怪我の具合を確認して薬を渡したり、妖夢と本当に久しぶりに剣術の試合をしたり──
皆のおかげで、かなり有意義な一日となった。だが、俺への捜索の手は確実に着実に迫って来ていた……




