第十四話
さて、博麗神社から散々な結果で帰ってきてはやくも四日が過ぎようとしていた。紫も精神的にいくらか落ち着いたらしく、次の候補先にアポイントメントを取っている
俺はと言うと……藍を相手に弾幕ごっこの練習と飛行訓練をこなしつつ紫からの指示待ち。相手が相手なので、今ではすっかり飛ぶことも上手くなり不意打ちでなければ対等な所まで持っていけるまでになっていた
そうやって日々を過ごしている俺に、一週間が経過しようかという所で紫に呼ばれた。嬉しそうな表情をしていたので、恐らくだが候補先との交渉が上手く終わったのだろう
「……さて悠哉、先日の博麗神社での一件は本当にごめんなさいね。でも代わりと言ってはなんだけど、貴方の能力を見てくれる人物との交渉がようやく終わったの」
「ホントか? で、それは一体何処なんだ?」
「まぁまぁ焦らないで。場所は紅魔館よ」
──紅魔館。確かに紫はそう言ったが、あそこは吸血鬼が住まう館と藍から聞いている……そんな所へ行って本当に大丈夫なのだろうか?
俺の顔色が変わったのを見て、紫が慌てた様子で付け加える
「あっでもね!? あくまでそこの主じゃなくて、紅魔館の敷地内に有る図書館に住んでるのが見てくれるの! だから安心していいわ!」
「……うん、不安になってきたよ」
一体、どんなヤツが住んでいるのだろう。少なくとも……マトモなヤツではなさそうだ
だが、自分の能力を知るためにも行かなくてはならない。そう考えて、ため息を一つ吐き出して天井を仰ぐ。身体が妙に重く感じられた……




