第百十話
「──で、ブン屋がぶっ倒れてたわけね。フラン、よくやったわ。注文をつけるとするなら……へし折る際は一気に素早く力を入れて、それから手足や翼といった行動に直結する部位を狙うこと。いいわね?」
「はーい! 腰を折ったからしばらくは立てないと思うけど、念のため後一二本折っちゃおうかな〜?」
「止めとけ。やり過ぎると治るのに時間がかかるし、その間面倒を見続ける必要も出てくる。ヤだろ? あのブン屋を、完治するまで手助けするのは」
「ん〜そうだね。でも面倒になったらなったで、そこら辺にポイって捨てちゃえば問題無いよ?」
……フランが少々恐ろしいが、レミリア曰くいつも通りらしい。まぁちゃんと聞き分けてくれるし、指示にも従ってくれるからまだ大丈夫な方かな
で、ブン屋の今後だが……やはり相手をするのが面倒だとかうっとうしいだとかでとっとと放り出すらしい。先程咲夜が首元掴んで引きずりながら門の方へと歩いていったので、今頃は外で伸びてるだろうか
「……しかし、紫達が凡ミス連発ねぇ。有り得ないな、ガセにしてももう少しマシなのが有ると思うが……」
「ひょっとしなくても心配なのね? 見に行けばいいのに……」
「今更どのツラ下げて行けと? 心配になったから会いに来たぞ〜ってか? スキマで胴体真っ二つにされて餌にされるのがオチだよ……今の俺には、会うことなんて出来ないんだよ」
「……はぁ。ホント、面倒なヤツを好きになったのね……素直になることすら出来やしないなんてバカげてるわ」
レミリアには散々言われたが、のこのこ帰れることなど出来ないから悩んでいるというのに……元気にしていれば良いのだが……
「取り敢えず、博麗神社にでも行く? あそこなら仲直りの事で妙案を思いつくかもね。霊夢って中立だし、そういった事なら当てに出来ると思うのだけれど?」
「博麗ね……確かにこうなったら藁にでもすがる思いだが。でもまだかな、まだ行く気にはなれない……」
「ま、好きになさい。気が乗らないなら乗るまで待てばいいし、その気が無いのなら無理に行く必要も無いものね」
──博麗神社か……一応候補として記憶しておくか……




