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東方幻想記  作者: 弾奏結界
第九章──別たれる縁、離れゆく心──
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第百九話

「あははははっ! それそれ、もっといくよ〜!」


フランの圧倒的な数の弾幕を、ブン屋は素早い身のこなしで躱していく。幻想郷最速は伊達じゃないってことか


誰かが言っていた、速さは力だと。攻撃回数にも繋がるし、速さを乗せた一撃は力任せの一撃よりも遥かに強力だと。そういった意味では、射命丸文は強敵だ


「ほらほら! 私はこっちですよフランさーん! そんなチマチマした弾幕じゃあいつまでたっても当たりませんよー!」


「……うざっ」


──直後、ブン屋の進行方向の空間が突如爆発。ブン屋はそれを食らって……平然とした顔で空中を浮遊する


「残念ですねぇ、狙いは良いのですが如何せん素直過ぎる。そんなんじゃあダメダメですねぇ……これくらいはしないとねぇ!」


反撃。二人がかりで弾幕を消し、見失った事に気づく。刀を収めて構え、極限まで神経を集中させる。フランも分かったのか、静かにスペルカードを構える


──禁忌「フォーオブアカインド」──


「行っくよ〜! 壊れちゃえ〜!」


フランがブン屋目掛けて走り出す。同時に、ブン屋の背後から一体両側面から一体ずつの計四体での攻撃。流石に苦しいのか、顔を歪めて上に飛ぶ。だが、そこは俺の範囲だ……!


「悠哉、今だよ!」


「──ッ!?」


「さっさとぉ──落ちやがれクソ鴉ぅ!」


抜け放たれた刀は迷う事無くブン屋目掛けて振り下ろされ……済んでの所で団扇に阻まれる。だが、俺だけに気を取られると……?


メキメキ。四方八方から骨の軋む嫌な音が響く。早い話がフランに全力で抱き締められ、現在進行形で骨が悲鳴をあげているのだ


笑顔を浮かべさらに力を加えるフランとは対照的に、どんどん顔色が青くなるブン屋。そろそろ何処かの骨がへし折られる頃合いか……


「まだ、やるか?」


「ひ……酷いですねぇ……一人にここまでやるなんて……人でなしですよぉ……?」


「フラン、圧力追加」


「ひぎぃ!? ほ、本当にそろそろ折れますからっ! 勘弁してくださいぃ!」


「ん〜、でも折っちゃった方が楽だよ? いっその事ペキンと言っちゃおうよ〜!」


残り三体のフランも、無言で頷く。ベキベキと音をたてて鳴り響くブン屋の骨。そしてついに──


「──あっ」


ベキリ。そんな音をたてて、とうとう何処かの骨がへし折られた。膝から崩れ落ちるブン屋とそれを見つめながら笑い合うフランと分身達。あ、内一体が腰に乗って揺らし始めた。アレは痛いだろうなぁ……


「で? 骨、折られたご感想は?」


「……お、覚えておきなさいよぉ……いつか必ず同じ目に合わせて……あっフランさん? もう揺らすの止めてもらっても……痛い! お願いですからもう止め……痛っ! ちょ、本当に止めて……あたたたたっ!?」


「悠哉もやる? 楽しいよ〜えいえいっ!」


「あや〜!? ご、後生ですからもう止めて〜!」


──レミリア達がやって来た頃には、ブン屋は口から泡を吹いて床に倒れ伏していた。フラン、恐るべし……

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