表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方幻想記  作者: 弾奏結界
第九章──別たれる縁、離れゆく心──
102/197

第百二話

朝。目を覚まし布団を畳んで庭へと出る。ここ最近出来ていなかった素振りをするためだ


「あ、おはようございます悠哉さん。これから素振りですか?」


「おはよう妖夢。そうさ、少しでも強くなりたいからな。少なくとも、妖夢と剣を交えられるくらいには……な」


……ただただ一心不乱に素振りを行う。俺がもう少し強ければ紫を困らせずにすむのかもしれない、ならば後悔する前にやるべき事をやるだけだ


「……ふぅ、ふぅ、ふぅ……こんなものか」


「随分と太刀筋がブレているわねぇ。何か悩みでも有るのかしら〜?」


「……幽々子か、悩みなんてないさ。ただ何も考えず振ってただけだよ」


「そうかしら〜? 私には貴方が、悩みを振り払うように見えたわよ〜」


「……気のせいだろ」


言葉短くその場を立ち去る。その後、妖夢の作った朝食を食べまたひたすらに素振り。腕が上がらなくなっても、足が痺れ始めても無視して振り抜き続けた


──気づけば、辺りは暗くなり屋敷には灯りが灯されていた。視線を感じて振り返ると、心配そうな表情を浮かべた幽々子が蝋燭片手に立っていた


「ねぇ悠哉、ちょっといいかしら〜? 何が貴方をそこまで駆り立てているの〜?」


「……別に、なんでもないよ。心配してくれてありがとう幽々子」


横を通り過ぎようとして──幽々子に止められる。彼女の顔は、心配そうに歪んでいた


「お願い悠哉、話して? 何が有ったの?」


……無性に幽々子の眼が気になる。何故か分からないが、こう……見下されているような気分になる。もちろん幽々子にはそんな気はない筈なのに、どうしてだ……?


「…………大丈夫だよ幽々子、だから悪いけれど一人にしてくれ。落ち着いたら話すからさ」


少々強引にそのまま進み続ける。幽々子は一言も声をかける事も追って来る事もしなかった。それが安心すると同時に不安にもなった


一体俺は、どうしてしまったんだ……?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ