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「ただいまー……って、僕とクティーラが一緒に帰ってきてるから流石に返ってこな」

「おかえりなさいませ~」

 ……気のせいか?つい一時間足らず前「静かに暮らしたいから悪事は控える」と言っていた邪神の声が聞こえてきたんだが……

「ボクとお風呂にします?ボクにします?それとも、ボク?」

 しかも奴は何故かメイド服に身を包んでいる。

「……お前なぁ、静かに暮らしたいとか言ってなかったっけ?」

「……そんな昔のことは覚えていないよ」

「クティーラ、ちょっとクトゥグァさん呼んでくれないか?」

「ちょ、ちょっと待ってください!ボクはキミ……じゃなかった、あなたに届けたいものがあったんですよ!」

「中途半端な敬語じゃのう」

 言葉遣いが若干アレなニャルラトホテプに対し、ボソッとクティーラがボヤく

「チッ、うるさい子供だ」

「何じゃ?その言い草は?別にクトゥグァを呼んできてもよいのじゃぞ?」

「すんません、マジ勘弁して下さい」

 クティーラが脅したと同時に、ニャルラトホテプは土下座した。

 ……こいつどんだけクトゥグァさんの事が苦手なんだよ

「そういえば、携帯電話を忘れていってたよ……義父様からのメールが二件みたいだ」

「勝手に携帯いじるなよ!」

 携帯を受け取りながらツッコミを入れる

「大丈夫、問題ないさ……キミの性癖を見るためにフォルダの中身を見ようと思ったけど思いとどまってメールの送受信履歴を見るだけにしておいたから」

「よしクティーラ、クトゥグァさんをマッハの速さで呼んでくれ」

「承知したのじゃ」

「さ……流石にジョークさ、ハハハ」

 冷や汗をかきながら、ニャルラトホテプは訂正する。明らかにジョークの類では無かったが、あえてジョークという事にしておく。

 あと、何故にフォルダーを見るのかは精神衛生上の問題のためそっとしておく。

「で、父さんからのメールは…………件名『ルルイエなう』で本文なし…………」

 なんでルルイエからのメールが届いたのだろうか……まあ、それは置いておくとしてもう一件のほうだ。

「さて、次のメールは……」

「自然な流れでスルーした!?」

「本文『たさけか』…………うん、これで終わりか」

「待つのじゃ!おぬしの父親の事じゃろう!?」

「まあ、父さんだし。多分クトゥルーさんにナンパして母さんの嫉妬で酷い目にあったんだと思うし」

「…………ちょっと母上に連絡してみるのじゃ」

 クティーラがクトゥルーさんに連絡している間にちょっと気になった事をニャルラトホテプに聞いてみることにする

「ところでニャルラトホテプ、なんで僕を誘拐したんだ……というか、何で僕と結婚するつもりだったんだ?」

「…………好きな子をついついイジメたくなっちゃう心理……ですかね……」

「いや、クトゥルー神話だと確かお前……暇つぶしの為に人類に核作る技術とか魔導書とか与えたりしてなかったか?そもそもお前らとクトゥルー神話関係あるかどうか知らんけど」

「あれですか?……単なる暇つぶしでやったので、別に人類滅ぼしたいとか人生破滅させるのを見たいとかそんな野望はありませんのでご安心を」

 さて、どうツッコミを入れるべきか…………やっぱりここは、某スミス君の台詞を改竄して

「…………暇つぶしで核開発とか人生破滅させるとか尋常じゃないな、人一人の人生を奪ったって事分かってるのか?」

 実際こんなことを言ったが、流石に本音ではない。さんざん酷い目に合わされた意趣返しみたいなものだ。決して……

「それを躊躇なくやっちゃうとかまともな感性じゃな……」

「グスン……なんでそこまで的確に人を傷つける台詞が言えるんですかあなたは?」

 涙目になっているニャルラトホテプを見たかったわけではない。

 ……流石に悪いことをしてしまったとは思うので一応フォローしておく

「安心しろ……あの台詞は本音がポロッとでただけだ」

「本音じゃないですかぁ!…………グスン」

 更に涙目になってしまった。……ふざけるのはこのくらいにしておいて

「すまん、さっきのはだいたいジョークだ、本心じゃない……例えるなら、図書館トゥーンエグゾにおける……トゥーン要素位の割合でジョークだ」

 ほとんど本心だったりしなくもない。ジョーク一割だったりする

「ジョー……ク……?」

「ああジョークだ、身内の店のライバル店が開店記念のセールで安売りしたからといってtitterで遠回しに苦言する程にジョークだ」

「全然ジョークじゃありませんよ!?あとそれとんでもない所から苦情きますよ!」

「……もう、武士も怖くない」

「何を言ってるんですか!まだあなたにはやるべきことがあるでしょうに!ボクと同居する……のは今日からだとして、ボクと結婚する事とか、ボクと子作りする事とか……あと色々」

「色々ツッコミを入れたくなってきたが……なんで同居する事が前提なんだよ、あとやるべきことがお前の願望じゃないか」

 あとニャルラトホテプと結婚なんて現状有り得ない。ニャルラトホテプと子作りなんてもっと有り得ない

 むしろ、クティーラの相方でいる方がかなりマシだ……あくまでもマシなレベルだが

「なにはともあれ、まずはこの家に住ませて下さい。自業自得の上に自分の発言で家に火を放ってもらったので全部ボクが原因だけど」

「あー……はいはい、一応僕としてはもう反省したと思うから別にうちに住まわせるのは問題ないとは思ってるけどさ…………正直、お前らの事、母さん達にどうやって説明すればいいのか分からないんだが」

「ボクの事は許嫁とか運命の相手とか運命の赤い糸で結ばれた恋人でいいんじゃないんですか?」

「大問題だ……母さんなら勘違いしかねない、あと全部意味的にはそんなに変わりない」

 もういっそのこと本物の邪神という事を説明するのはどうか?……父さんが喜んで研究の為に様々な事をインタビューしまくることが目に見えている……インタビューに熱中し過ぎて母さんが嫉妬してヤンデレモードに移行して父さんが酷い目にあうところまで。

「母上との連絡が終わったのじゃが…………ハイドラ……もとい、元ハイドラ」

「誰が元ハイドラだ、そんな『元ジャック』みたいに言うなよ」

「母上に言われたのじゃが、『あなたの眷属が増えたのは喜ばしい事だけど、ワタシの眷属の名前をとることはないんじゃないの?』と、遠回しに改名して欲しいと言われたのじゃ……じゃから、適当なカードから名前をとろうとしたのじゃが母上にすすめられた名前があるのじゃが……どうじゃ?」

「一応聞いてみるだけ聞いておくよ、流石にクトゥルーさんなら変な名前をすすめることは無いと思うし」

「まあ、なぜ母上の事をそこまで知ってしっておるかはおいておこうかのう。で、その名前じゃが…………『アバンス』じゃ」

「…………普通だな……ってあれ?」

 その名前、どこかで聞いた気が…………クトゥルーさんめ、間違えたんじゃなくて、最初からクティーラの相方としての僕の名前をアバンスにするつもりだったのか……やられた

「別にいいよ、それで」

 なんか罠にかけられた気がしなくもない。だが、クティーラに任せた場合よりはマトモだと思う。現に、クトゥルーさんの案は大分マトモだった。

 ちゃっかり、カード名から取られている気がするが。

「というワケで色々あってボクもこの家に住むことになったのでよろしくお願いしますね、『ロリの』クティーラさん」

「よろしくのう、『世界の』ニャルラトホテプ」

「お前ら、お互いを牽制し合うなよ」

 こいつら……ひょっとしてクトゥグァとかハスターよりも仲悪いんじゃないか?

「……とりあえず三人でゲームするか?」

「いいですね……友情破壊ゲームを所望します」

「ならばわらわとしては桃鉄がよいのじゃ」

「はいはい分かったよ…………」

 こいつらの間の無い友情が破壊されるのは少しどうかと思ったので、バレない程度にワザと負けにいく事にした…………そんな事をしなくても負けるような戦況だった

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