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その2

 邪神 クトゥルーと遭遇した次の日

「さて、行くぞ!ハイドラ!」

「…………嫌だ……行きたくない……帰ってテレビを見ていたい、最近アニメが面白いワケじゃないけど…………というか死にたい……」

「テンションが低いどころかマイナスの領域じゃな……一体どうしたのじゃ?」

「いや……どうしたもこうしたもないだろうが……」

 原因があるとしたら、今の格好にある……300%位の割合で……しかも元凶はクトゥルーの発言からだ。

「元気を出すのじゃ。似合っておるぞ、その格好は」

「むしろ似合っているからこそヘコんでるんだが……」

 今の格好は……説明したくない。説明するなら死んだ方が良い……というか、精神的に軽く死ねる。もう僕のライフは0でもうクトゥルーとの勝負はついているのだ

「たかが女装の一回や二回、どうということないじゃろ?」

「どうということあるからな!致命的なまでにあるからな!」

 某母的に例えるならば『致命的な9999のダメージを受けた』みたいな感じにはある。

 ……女装といっても、女性の服を着ているだけの中途半端な女装だが、正直……SAN値がゴリゴリ減っていく。

「人は誰しもやらねばならない時があるのじゃ……お主の場合、今がそのときじゃ!」

「なんでこんなアホな事をそんな言い方でさせるんだよ!」

「だが、なかなかに似合っておるぞ?その姿」

「ウザいんだよ、君の一々が!…………僕の怒りが煮えたぎってきそうなんだが?」

「水属性だけに先史遺産と海産物のセットじゃな、そのセリフ。ならばおぬしはシンクロしてとっととグングになるがよい。レベル3分の魚は用意しておいたぞ?」

「もう禁止だがブリュの方が強くないか?」

「トリシューラの方が強いじゃろうが!トリシューラの方が良いのじゃ!トリシューラ!トリシューラ!」

「…………さて、通報するか…………」

 さすがに通報はしないけどとりあえずフリだけでも……

「させぬのじゃ!」

「痛い!刺さった!刺さってるから!カード刺さってる!」

 日本刀構えてる人を刀諸共斬れたり額に投げつけて人殺せたりするようなカードを手に向かって投げつけるな!少しだけど刺さってるから!

 ……クトゥルーら邪神にとってはカードと命とは投げつけるものらしい……投げ捨てるものではなくて投げつけるもの。

「大丈夫じゃ、本気を出せば手首が落ちておったのじゃが、少し刺さる程度まで抑えたのじゃ」

「本気を出せば手首が落ちてた?……そんなオカルトあり得ないだろうが」

「ならば試してみるかの?もっとも、その場合命の保証は出来ぬがのう」

「じゃあいいや」

「………………」

すごく期待した眼差しで見ているが、絶対にやらない……とりあえず、軌道修正するか……

「そういえば、今からどこに行くつもりなんだ?」

「邪神怨敵なかまの所に(怨敵をもて)あそびに行くのじゃじゃ」

「なるほど、邪神の仲魔の所に……ってちょっと待て!ナニイッテンダ!」

 明らかに今のは怨敵と書いて仲間と呼ぶ感じのやつじゃなかったか?

「今不穏な発言をしなかったか?気のせいであって欲しいが」

「気のせいじゃ、ただハスターの所へ殴り込みに行くだけじゃ」

「……百歩譲ってそれはいいとするけどさ、それ僕がこの格好をする理由にはなってないよな」

「…………気分じゃ」

「気分で僕のSAN値を削るな!」

「別によいではないか……女装は文化じゃぞ?」

「そんな文化廃れろ!今すぐ廃れろ!」

「無理じゃな、古くは北欧神話の時代から続いておる文化じゃぞ?今更廃れろというのはちとわらわにとっても難題じゃな……」

 クトゥルー……お前は何を言っているんだ?

「さも『頑張れば女装の文化を消すこと出来ますよ』みたいに言うな!百歩以上譲ってお前がテレパシーを使えるとしても、流石にそんな事出来るわけが」

「出来るのじゃ」

「なん……だと……」

「なんならテレパシーで無意識を操作して世界を薔薇と百合の楽園に近づけて証明してもよいのじゃぞ?」

「しないで下さいお願いしますホントそれだけは勘弁して下さいマジでやめてください」

 何故ここまで頑張るかって?間違いなく僕が真っ先に餌食になるからだよ!……それに中学時代のとあるトラウマが蘇って再起不能になる

「ならば……そうじゃな!なんならローズベルトとヒトラーとムッツリーニとスターマンが肩を組んで『俺達の満足はこれからだ』と」

「お前の政治の知識は第二次世界大戦中で止まってんじゃねぇか!全員死者で完全にホラーだ!あといくつか間違えてるぞ!具体的にはヒトラー以外全ヶ所!」

 正しくはそれぞれ、ルーズベルト、ムッソリーニ、スターリンだ

「ローズベルトはあれじゃろ?あの……希望の親衛隊の一角に負けた……」

「それはルーズベルト……じゃない、ローズベルトであってるよ」

 ついつい反射的にツッコミを入れてしまいそうになった。というか入れてしまったが、根本的な事をのぞけばツッコミは不要だった。

 ちなみに、クトゥルーの言っていることも割と合っていたりする。出た当初からハズレ扱い(SRが強かったから……ねえ)だったのにコスト1とその分パワーが低い希望の親衛隊が同じ効果+サイキック殺し効果持ちで出たから(しかも種族が増えたから種族サポートを一種族分多く受けられるようになった)有り体に言えば存在価値が全く持って無くなってしまった。

「ならば…………」

「思い付かないのなら良いからな?」

「コイズミ元首相とノダとやらに麻雀を」

「実際にやったら怒るからな!とある麻雀マンガ描いてる漫画家が喜ぶかもしれないけど」

 無駄ツモが無い改革はリアルではやらなくても良いのだ。たとえそれを国民が望んでいたとしても。

「ならば、トリガービートを流行らせて速攻デッキ好きな子供を泣かせるのじゃ!」

「お前は悪魔か!コイルと五条さん(人気投票殿堂入り)の惨劇を繰り返そうとするな!」

「クックック……シャーロックがやられたようだな……こほん……奴は我ら四天王の中でも最弱……けふん……タカラ○ミー如きにやられるとは、四天王の面汚しよ」

「シャロが四天王の中でも最弱って他の四天王どんなやつらだ!」

「サファイアとキングとキリコじゃ」

「確かに四天王の中ではプレ殿すらしていないシャーロックが最弱かもしれないけどタカラト○ーに負けた奴しかいないだろ……」

 一応補足すると『シャロがやられた、タカ○トミーに云々』は殿堂入り(一枚制限)

 他の奴ら=一個ランク上のプレミアム殿堂(いわゆる禁止カード)

「ならば妥協して…………衆議院解散にするのじゃ」

「…………………………是非やってくれとついつい言い掛けたけどプラマイ的には若干危ない気がするから建て前としてはやめてくれ」

 解散する解散する詐欺のツケは次回以降選挙に必ずまわってくるから、まだ邪神が本気を出すまでじゃない……多分。

「おぬしがことごとく却下するから、わらわはつまらないのじゃ……」

「お前は日本の政治を遊びのために使うつもりだったのか?つまらない発言の意図を深く考えすぎだと思うが」

「大丈夫じゃ、わらわの知っておる邪神にニャルラトホテプがいるのじゃが、あやつは日本の政治どころか世界そのものを遊び道具に使おうとしておったのじゃ……まあ、流石にいつもは協調性がかなり少ないわらわたちも協力して全力で止めたのじゃ。世界を核の炎に包み込もうとしておったからのう」

 マジで危ない奴がいた……ホントに邪神はどうなってるんだよ。

「…………ところで、いつの時代だ、それ?」

「確か……19XX年の事じゃったかのう?」

「もう世紀跨いだ事以外覚えていないならそう言えよな?」

 もう過ぎた事なので、どうでも良いはずの事なのだが、少し気になったので聞いた結果がコレである

「とにかく、無意識操作を出来る出来ないはおいといて」

「わらわにとっては今のは重要な話なのじゃ!口を挟まないでくれるかの」

「というか、どこに行くんだよ?それを聞かせてもらって良いか?」

「…………まあ、そのうち話すから無意識操作の話は置いといてじゃ……どこに行くかは言うておいた方がいいじゃろう?」

「ああ!」

 すっかり忘れていた……僕が今女装させられていることも、話がそれて無意識操作云々にいってしまっていたことも。

「わらわが行くのはな……『ハスター』のいる神社にじゃ」

「へ?HASTUR?」

 このアホ邪神は何を言っているんだろうか?

「うむ、ハスターに会いに行くのじゃ!」

「本当にハスターに会いにか?」

「マジじゃ!『真剣』と書いてマジじゃ!」

「………………ハスターってどんなやつなんだ?一体」

 昨日クトゥルーはテレパシーを使ってハスターをいじってた……と思われるが

「一言で言えば……アホの子じゃ」

「そうなのか……」

「更に言うならば……だが男じゃ」

「それが世界の選択なのか~」

「世間一般の常識的に見れば可愛いのじゃが、男じゃ。俗に言う男の娘じゃ……おぬしのようなのう」

 まあ、黄衣の王だからね……黄衣の王女じゃないからね……仕方ないね…………って最後の一言をごまかせると思うなよ!

「さて、神社に向けて全速前進じゃ!わらわを乗せるのじゃ!」

「おんぶして行けと?断る。そもそも、道が分からん」

「道案内はそれなりにするから安心するのじゃ」

「するといわれてるのに何だろうな、この不安は」

 例えるなら、酔っ払いや政治家の大丈夫や問題ないという発言並みに信用出来なかった。流石に『それなりに』案内すると言われた場合は、かなり安心出来ない。

「よしハイドラ、こうそくいどうじゃ!」

「もうお前自分で歩いて行けよ」

 ただの人にこうそくいどうを強要するな!



 道中なんの問題も無く、ハスターの居る神社に着いた。着いたのは良いのだが

「明らかに罠あるよな、だってあそこの地面が不自然過ぎだし」

「よし……ハイドラ!地雷処理に行くのじゃ!」

「誰が地雷処理班だよ……見えてる地雷を踏ませに行くな」

 不自然過ぎて逆に自然な地面が一ヶ所……恐らく落とし穴が仕掛けられているのだが、このアホは踏みに行けとでも言っているのだろうか……

「まて、逆に考えるのじゃ……『あからさまな罠なら踏んじゃってもいいや』、と考えるのじゃ……」

「断る。……恥ずかしいし」

「大丈夫じゃ……女装以上の恥があると思っておるのか?まあ、おぬしの場合服が女性物というだけじゃがな」

「説得力あった気がしたけど実際そんな事はなかったな。あと服装に関しては何も言うな」

 更に、女装した原因は95割ほど、こいつにあるはずだ。賭けに負けたからとはいえ……

「というわけじゃ……先に逝って遊んでこい……」

「断る……というか、死ぬのか?」

「大丈夫じゃ、死にはしない」

「さっき死ぬこと前提じゃなかったか?『先に逝って遊んでこい』って」

「落とし穴に落ちるおぬしもなかなか輝いて見えそうじゃぞ?」

「僕はアイドル作家目指すつもりなんてまったく無い!というかそもそもそっちの方向性は男が目指すものじゃない」

 そもそも、落とし穴には落ちたくない。どれくらい深いのか分からないし……落とし穴に落ちて、骨を折って『ざんねん、わたしのぼうけんはここでおわってしまった』ということにはなりたくない。

「面倒じゃから、とっとと行くのじゃ。なあに、おぬしの死は無駄にはしないのじゃ」

「お前かなり酷いこと言ってるの自分で分かってるか?命とは投げ捨てるものじゃないんだぞ?」

「命とは投げ捨てるものじゃ」

「お前はいつから世紀末の病人(笑)になったんだよ!あと途中で終わるな」

 そもそもさっきから落ちたら死ぬこと前提になっているが、間違っていないかも知れないのが怖い

「安心するのじゃ、多分落とし穴ではないのじゃ!」

「……落とし穴だったら絶対に許さない、絶対許さないからな?」

「大事なことなので二回言ったのかのう?」

 確かに二度も言ったが、そんなに大事ではない……わけでは無い

 あとクトゥルーに言われたから行くのではなくて、あくまでも好奇心でだ。好奇心は猫を殺すというが、僕はネコじゃない。多分大丈夫だ……根拠は無いが

「いくぞ……」

 一歩一歩慎重に……周りの方に罠が有ることも考えられるから……

ドンッ

「*おおっと*」

「押すな馬鹿!」

 慎重に歩いていたら思いっ切り押されて一気に罠にかかって…………正体不明の光に包まれた

 どんな罠だよ、光に包まれるって……



 光が収まったので、目を開くと見知らぬ場所だった……

 テレポーターだったのか?あの罠

「お待ちしておりました、クトゥルー殿……」

 後ろの方からの声……つまり待ち伏せされていたようだ

「……誰ですか?」

 自分で罠を仕掛けときながら誰ですかじゃねぇよコラ

 振り返って確認すると声の主はメイド(?)のようだった……少し年上の

「…………クトゥルー殿もハスター様も居ないようですね……」

 何をするつもりなのだろうか?あとハスターに仕えている人みたいだ。……本当に人かどうかは怪しいところだけど

「さて……動かないで下さいね?」

「なんでだよ?何をするつもりなんだよ」

「それは勿論……ウフ」

「なんなのこの人もうやだ帰りたい」

 この人も変態の可能性が高い気がする……それなりによく当たる第六感がそう告げている……第六感なんてないけど

「スケベ……しましょうか」

「なんなのこの人……」

 この人僕が男と知ってやってるのか?この言動を

 そんな事を考えている内に…………を触られ

「あなた、ひょっとして…………男じゃありませんか?」

「男だからな!こんな格好させられてるけど男だからな!」

「女装しているなんて……変態ですね」

「うるさい!そっちは普通の人にとっては変態だからな!しかも僕はやらされているだけだから、僕は変態じゃない!」

「どうみても女の子の見た目で私をあざむくなんて……あなた人間じゃありませんよ!」

「女の子にしか見えないなんて言うなよ!……心がすごい傷つくから」

 オンドゥル的に言うと『モウオデノカラダバドボドボダ!』という感じだ。心がボロボロになるのである。

「まあ、ハスター様に会う前にあなたと出会っていたら、私はあなたを私好みに……教育していたと思いますよ?服装も」

「本音出しかけなかったか?今」

 ギリギリ……本当にギリギリ、出ていなかったが

「まあ、呼び方はお姉様にしてもらいますね」

「本音出すな、ポロッと出たぞ?」

「毎朝挨拶代わりにギューッと抱きついてもらいましょうか」

「だから本音出てる!せめて本音隠す努力しろよ!」

「そして服装は……フフフ……」

「本音漏れてる!漏れてるというか垂れ流しになってる!というか何を着せようと考えてるんだよ!」

「ですが男ですから……ハスター様と違ってお風呂は……あ、やっぱりいけますね」

「だから本音!せめて隠せよ!」

「更には……うふっ」

 KOEEEEEEEEEE!何なんだよこの人!普通の変態の方がまだ良かったよ!なんで僕まで毒牙に掛けようとしてるんだよ!

ポタ…………ポタ

「あらあら、妄想していたら鼻血が……」

「自分の内側だけの物が妄想だからな?思いっ切り垂れ流しになってたのは絶対に妄想じゃないからな?」

 何なんだろうか、この残念な人は……あれか、変態淑女というやつか

「とりあえず……私好みに調教するのは後回しにしまして」

「後回しにしろ、永遠とわに後回しにしろ」

「ハスター様とクトゥルー殿の所に行きましょうか……」

「ん……ああ……」

 そういってメイドさん(本名は何というのだろうか)は扉のロックをひとつ、またひとつと外してゆき……ちょっと待てよ

「厳重過ぎじゃないのか?内側からのロックにしては」

 そう聞くと、メイドさんはロックを外す手を止め……

「……………………き……気のせいですよ」

「ダウトだ、絶対に僕の気のせいじゃないな」

 やっぱりアレな目的だったのか……沈黙なげぇよ

「…………クトゥルー殿は可愛らしいですよね」

「まあ、ロリコンじゃなくても少しはそう思うんじゃないか?普通の人から見れば」

 クトゥルー神話の知識があるので、正直可愛いとは思えないのだが、世間一般的に見れば……可愛いのではないかと思う。

「なので、ついうっかり誘拐しようと考えてしまっても……問題は」

「問題しかないからな!このロリコンレズメイド!」

 人としてアウト27個だ。野球だとチェンジどころか一回から即ゲームセットのレベルだ。延長戦?……知らん

「別に良いのですよ?このまま私がロックを外さずにあなたと一緒に過ごしていても……」

「…………だが僕は謝らない」

 ここで折れたら……この変態を外に逃がしてしまうことになる……それだけは避けなければ……

「さて、まずはあなたの性別を邪神のすごい力で頑張って女の子にしましょうか……その後はゆっくりと……私の思い通りに……」

「すいませんでした」

 もうやだこの変態メイド……男の僕にさえも容赦しないのかよ……

 謝らないと言ったけどすぐに謝った件に関してはノーコメントで。これでも女性(特に女子)のあしらいというかなんというかには慣れているのである。

「さて……クトゥルー殿をなでなでしに行きましょうか……少年?」

「一人でやってろ!僕は外に逃げるぞ!」

「さて……死亡フラグも立てたことですので、任せて下さい……死んだように見せかけた誘拐をしますので」

「……何をどう任せたらそんな事になるんだ?」

「クトゥルー殿は私に任せて下さいね!」

「絶対に任せないからな!……クトゥルー逃げろ!危険な変態メイドが接近中だ!」


「誰かに……呼ばれた気がしたのじゃ」

「んなことはどうでもいい!早くしやがれ!」

「まてまて、そう慌てるな国士13面(ライジング・SAN)、ツモじゃ」

「イカサマだ!こいつイカサマしやがった!」

「そう焦らずともよいじゃろう……バイアクヘー殿に嫌われるぞ?」

「むしろ嫌われたいね!マジで変態だし、ゴヨウされないのが不思議なぐらいに」

「間違えた、バイアクヘー殿に抱きつかれるのじゃ」

「…………知ってるか?お前も毒牙に掛けられそうになってるぞ?」

「ならばおぬしを盾にしてその隙に逃げるのじゃ」


「……危険なメイドとは何ですか、私はナイフを投げたりしませんよ?」

「さり気なく変態の部分を抜き去るな」

「さて……まずは……とりあえずちゅっちゅしましょうか」

 ……なんでさっきから僕がこの変態の毒牙にかけられそうになっているんだ?今の僕には理解できない

「さて……ちょっと眠っていてくれませんか?」

「断る、僕を眠らせた後に何するか分からないけど、思いつく限りの展開全部がバッドエンドじゃないのか?」

「大丈夫ですよ……ちょっと記憶を消さして洗脳させてもらうだけですから……」

「それ大丈夫じゃないよな、むしろ悪化してないか?」

 眠っているうちに色々される方が割とマシだ

「ステップ1、記憶を消します」

「記憶消すこと前提にすんな!」

「ステップ2、私好みに洗脳します」

「駄目だこの変態……逃げるか……」

「ステップ3、私好みの子になるように教育します」

「清々しい位の変態だな……あとロック開かねぇ……」

「ステップ4、ベッドイン」

「変態!変態!」

「……さて、そうと決まれば……しばらく眠っていてくださいね?」

「語尾にハートが付きそうな言い方してるけど無理だ!お前みたいな変態といたら、脳細胞がピンク色に染まる!」

「そんなに反抗しないで下さいよ……」

 流石に変態相手とはいえ、少しやりすぎたのかな……

「反抗しつつも言いなりになる姿を想像したら……興奮するじゃないですか」

「うるさい変態!……守備範囲が広い女のロリコンって救いようがないな」

「まあ、冗談ですけど」

「冗談じゃなかったらどうしようかと思ったよ!」

「……そういえば忘れていましたけれど、あなたのせいでクトゥルー殿を愛で損ねたんですよね」

「ほ~、さいですか」

 あれ?なんか嫌な予感がするな……

「さて、呪うなら神々の遊びに土足で踏み入ったあなたの愚行を呪って下さいね♪」

「断る!こんな所で倒れてたまるかよ!」

「あ、別にあなたを殺す訳じゃないですよ?少しの間、動けなくなってもらうだけですよ?」

「だから!なんで僕を狙うんだよ!僕は男だぞ!」

「なぜ?ですか…………最近ハスター様が冷たいのですよ……」

「まあ、そりゃあ……」

 確かに僕だったらこんな変態メイドがいたら即刻追い出してる。ハスターに追い出されていないだけ、まだマシなのかもしれない

「なので……もうこの際男の娘でもいいやと思う次第で」

「それっておかしくないかな?変態」

 ついつい毒舌モードになってしまった、後悔はしていない

「……この部屋にいる以上私からは逃げられませんよ……観念したらどうですか?」

 少しずつ後ろに下がっていき……気が付いたら壁に追い込まれていた

 助けて……誰か助けて……

「誰か……誰かぁぁぁぁ!」

ドゴッ

「呼んだか?」

 救いの手はドアを蹴破って差し出された……というか普通に入れ、クトゥルー

「あ、クトゥルーさんじゃないですか!」

「……邪神ひとの眷属に何をしておったのじゃ?バイアクヘー殿?」

「あなたはハスター様と麻雀しているはずじゃなかったんですか?」

 なんで邪神が麻雀やってるんだ?麻雀漫画でも読んで発作的にやりたくなったのか?

「ハスターなんぞ、コークスクリューツモしつつわらわの点数を0点に削るという舐めた真似をしおったから、軽く国士13面をぶち当てて飛ばしてのじゃ。物理的にも」

「物理的に飛ぶって……麻雀漫画じゃあるまいし、無理だろ」

「いや……実際に飛んだぞ?ハスターは」

「飛んだのかよ、大丈夫なのか?ハスター」

「大丈夫じゃ……邪神じゃから簡単には死にはせん……乱暴されたような状態になっておったと思うが」

ブシャーッ

 この音は……変態がすごい勢いで鼻血出した音だな、分かった

「ハスター様を汚して良いのは私だけですよ!」

「いや、汚してないからな?あとついに本音が公開されてんじゃねぇか」

「あなた達を倒すことよりも、ハスター様を愛で……保護することの方が先決です……今日はこの位にしますが、次は有りませんよ!」

「本音出まくりだ。あと完全に捨て台詞だな。でもっていい加減に鼻血拭けよ」

「さらばです!」

 そして、嵐(風属性的な意味でも)が去った……

「……さて、ハスターを見に行くかのう?」

「なあ……思ったんだけど、ハスターの性別って」

「女じゃ」

「……あれは嘘だったんだな?」

「あやつは男みたいな喋り方をするが男扱いが嫌ならしいからのう。わらわの罠でおぬしがハスターを男の子扱いするように仕向けようとしたのじゃ」

「悪魔!鬼!ちひろ!」

 邪神なので、鬼よりも数段階上だと思うが

「さて……行ってみるかのう……ハスターを笑いに」

「ダイレクトすぎじゃないか?もっと遠回しに言えよ」

「……ハスターをあざ笑いに行くかのう」

「更にダイレクトじゃねぇか」

 例えるなら、最初が1000のダイレクトアタックだとすると、次のは2200位だった

「ならば哀れなハスターの無様な姿をあざ笑いに行こうかのう、ハイドラよ」

「もうやめろ!とっくにハスターのライフは0だよ!」

 まさかの25600のダイレクト相当……

「まあとにかく……気になるじゃろう?」

「まあ……」

 これは僕の偽らざる本音だったりする。ちょっとハスターの姿を見てみたいし

「バイアクヘーの胸の谷間に挟まれて窒息しかけておるハスターの姿をか?」

「いや、ないよ」

「お主も見た目が女っぽいとはいえ、中身は男じゃろう?」

「…………色々あってその辺の事はノーセンキューなので」

 人には色々あるのだ。それに他人がズケズケと踏み込んで行くことは俗物として恥を知るべきなのだ

「であるか……そういえばお主……ハスターを見ておらんだのう」

「たどり着く前にテレポーターで飛ばされたからな」

「行くのか?ならばわらわを乗せてゆけ」

「なんで僕がお前を乗せなきゃならないんだ?」

「タクシーだからの」

 タクシー扱い……それっておかしくないかな?

「安心しろ、お主に仲間が出来て更にそやつらが鳥だったとしても弁当扱いはせぬぞ」

「お前はどこのパンドラスペースの姫様だよ。でもって僕はハンター五戦士じゃない!」

 あとクトゥルー神話というかタイタスクロウ・サーガだが的には両方適任者がいるはずだが?

「……なにか言わねばならない事があった気がするのじゃが……まあよい、行くのじゃ!リュウセイ!」

「誰がリュウセイだ!」

 クトゥルーのワガママには従った方がよい気がする……従わなかったら死ぬかもしれないし



「ハスター様!ハスター様ぁぁぁぁ!」

「ムグムグ………」

 初っ端からこれだよ!

 現状、バイアクヘーさんはハスターを抱きしめていて、鼻血が止まってなかった時から抱き締めていたのか、ハスターに所々鼻血が付いてるのでかなり猟奇的な状況になっている。

 ハスターはもがいているが、バイアクヘーさんの力が強いのか、胸の辺りのアレのせいで呼吸が出来ないからか、脱出できず……

 クトゥルーは腹パン物のウザいスマイルで右手の人差し指でハスターを指さしている。

 まるで意味が分からんぞ!どういうことだよ!カオス過ぎるだろうが!

「まずはバイアクヘーさん、ハスターを離してあげて、死にそうだから。あとクトゥルーは悔しいでしょうねぇってやってるヒマがあったら止めろよ」

 バイアクヘーさんがしぶしぶハスターを手放した……うん、ハスターは可愛かった。なんというか、女の子だけど……男の子みたいな要素もある……みたいな?まあいいや

「……………たすかっ……た……」

「もはや虫の息じゃねぇか!どうしてこんなになるまで放っておいたんだよ!」

「……ただじゃれ合っているだけだとおもった、イジメとは思わなかったのじゃ」

「クトゥルー、お前は機械的なアリバイトリックをするな」

「…………バイアクヘー、お前はボクを殺す気だったのか?」

「殺すつもりとは失礼な!ただハスター様を愛でていただけです!」

「お前その内ハスターに訴えられるぞ?上司へのセクハラで」

「うるさい!部外者のお前は黙っていろ!」

「ハスター様、喧嘩はいけませんよ?」

 元凶のお前が言うな!お前だけは言うな!

「用が済んだんならとっとと帰れ!…………クトゥルー!」

「………………すやすや」

 『すやすや』っておい……起きろよ!

「寝んじゃねぇよ!こんな時に寝るんじゃねぇ!」

「ああ、聞いておるぞ?確か、ゴヨウが制限に、烏が無制限にそれぞれ格下げでヤリザが禁止に」

「お前の勝手な制限を押しつけるな!というかどんな悲劇だよ、烏無制限って!あの惨劇を繰り返そうとするな!」

 あとサラッとヤリザ禁止に送るなよ、ニサシの陰謀だな

「とっとと帰れ!用が済んだんだろ!」

「何を勘違いしておるのじゃ?まだわらわの用事は終了しておらんぞ?」

「どういう……ことだよ……おい!答えろ!クトゥルー!」

「前に言っておったじゃろう?お主……バイアクヘーとお風呂に入りたい……と」

 あ……ハスター、死んだな……逝ったな……可哀想に……

「ハスター様!さあ、お望み通りに一緒にお風呂に入りましょう!体を洗いっこし合いましょう!うっかり胸を触っても良いですよ!私もハスター様の小さな胸をお触りさせていただきます!その他の部分も触りますけどね、ハスター様万歳!いあ!いあ!はすたー!」

「クトゥルー!ボクの発言を捏造すんな!ボクはそんな事望んでな……」

「まだ早いですけどゼンは急げですものね、行きましょう!銀河の果てまで!」

「ちょっ、待てバイアクヘー!お前のアレが当たって」

「クトゥルー殿、あとその付き人さん、次にあったら存分に愛でてあげますからね?それでは~♪」

「HA☆NA☆SEバイアクヘー!」

 嵐が去って……というかいい加減諦めろよ、僕達の事を

「…………なんであいつは……解雇しないんだろうな……」

「あやつは変態ということを差し引けば、かなり優秀な付き人じゃからのう。下手な旧支配者や旧神ならタイマンはって勝てるレベルの強さらしいぞ?……まあ、変態じゃが」

「…………そういえば、僕に言わなければならない事って何だったんだ?」

「まあ、次にあやつの毒牙にかけられに来た時にでも聞けばよいのではないかの?」

「いや、お前言ってただろ?」

「あー…………ここじゃと万が一聞かれた場合がちと面倒じゃ……帰ってからにしてくれんかのう?」

「聞かれた場合?」

 ハスター……は昔からのライバルとか関係なく、バイアクヘーさんの魔の手にかかり、(多分)瀕死なので『聞かれると厄介』発言とは関係なし。つまり、消去法で……

「バイアクヘーさんに聞かれると厄介なのか?」

「そうじゃ……わらわの貞操が危うい……場合によってはお主のも危ういがのう」

「分かった……」



「で、話って何だったんだ?」

「実はのう……」

 そのタメは必要だったのか?


「わらわはクトゥルーでは無いのじゃ」


「…………は?」

「だから、お主は勘違いしておるが、実はわらわはクトゥルーではないのじゃ」

「…………マジで?」

「思い返してみるのじゃ……いつ、わらわがクトゥルーと名乗ったのじゃ?」

 …………ファーストコンタクト時……自分がクトゥルーという事を否定せず……肯定もしていなかったが

 心のダークサイド送り確定の女装時……バイアクヘーさんがクトゥルー殿って言ってた気がするという件を除けば特に無し

「なあ、バイアクヘーさんはなんでお前をクトゥルー殿って呼んでたんだ?」

「まあ、わらわに危害を加えると、わらわの母上のクトゥルーがうるさいからのう……ハスターと組んでわらわがクトゥルーだということにしてもらったのじゃ。まあ、今頃バラされておるかも知れぬがのう」

 母上のクトゥルーが……ということはつまり

「お前クトゥルーの娘だったのか?」

「わらわはクトゥルーの秘められし姫、クティーラじゃ……呼びたいのなら呼び捨てで呼んでも良いぞ?呼び方によっては、洗脳するかもしれんがの……まあ、呼び方は好きでよいぞ?」

 クトゥルーの秘められし姫、クティーラか……聞いたことがないようなあるような……

 呼び方は好きで良いと言ったので、折角だから

「で、クティーラちゃん、話のつづ」

「次にクティーラちゃんと呼んだらお主の首を絞めるぞ?」

 たったそれだけで首を絞めようとするなんて……とんだロマンチストだな!

「クビシメとロマンチストは関係無いはずじゃがのう?」

「さり気なく心を読むな!……で、話を戻してくれないか?クティーラさん」

「他人行儀じゃのう、その呼び方は」

「じゃあやっぱりクティーラちゃんで」

「警告はしたのじゃ」

「というジョークはおいといて!話を元に戻さないか?クティーラ」

「呼び捨てか……まあよい……バイアクヘーは今までわらわにも母上にもあった事が無かったからのう……まあ、もしわらわが傷物にされたことがバレたりしたら母上に連絡してハスターの神社を潰しておったがのう」

「それは分かった……けど、なんで自分がクトゥルーじゃなくてクティーラだという事を言わなかったんだ?」

 言うのを忘れていたということはつまり、僕の勘違いを分かっていたということだ

「うっかりお主がわらわがクトゥルーではなくクティーラという事を言いかねなかったからのう……日本に『敵を欺くにはまず味方から』という言葉があるじゃろ?」

「いや、バラさないからな?なんでそこまで信用しないんだ?クティーラは」

「うっかりわらわの事をクティーラと呼びかねなかったからの」

「いや、僕はしっかり者の中でも頂点ゼニスにたちそうな男だけど?」

「いや、おぬしの第一印象からして早いと判断したのじゃが」

「第一印象がそんなにしっかりとしてないかな?僕」

「まあ、支えてやらねばと思うほどひ弱そうな…………いや、まあよい。早々とハスターに追い出されて時間が余っておるのう。カードゲームでもやらんかのう?」

「……分かったけど……僕はデ○エマと遊○王しか分からないからな」

 なんか誤魔化された気がするのだが……まあいいや

「ボルバルマスターズとキリコマスターズのどちらにしようかのう」

「全部世紀末の時期の通称じゃねぇか!……他に何か無いのか?」

「ならば……マーシャルマスターズなんてどうじゃ!」

「もう許してやれよ……星龍型死んだんだし……」

「まあとりあえず、先に罰ゲームを決めておこうかのう……」

 罰ゲームありか……友人に教わった勝ち方(本人曰く、必勝法はないが、勝率を上げる方法ならあるらしい。)を試してみるか……負けたくないし

「敗者は勝者の言うことを一つ聞くというのはどうじゃ?」

「まあ、普通だな……それでいいけど」

「わらわが勝ったら…………まあ、勝ったら言うことにするのじゃ」

「卑怯じゃないか?それ」

 ちなみに僕が勝ったら、これ以上女の子みたいとか言うのをやめてもらうつもりだ。負けられない戦いがそこにある。

「デッキは……構築済みデッキを10枚まで入れ替えたもの同士で戦うのじゃ」

「ああ、デッキ限定戦か」

「それ以外に制限はないのじゃ」

「分かった」

 ここは友人に教わった勝てるデッキ構築ポイントを実践するべきだな。まず、重いカードを多めにするときはブースト多めか妨害多め。それに……


 よし、出来た!ベースは、妨害する方面の天使にして、ブーストは色の都合で入らないから、妨害を多めにして、ラララをつっこんだデザイナーズコンボもあるデッキにした。クティーラが空気を読むとしたら、天使と対になっているドラゴンか堕天使のデッキでくると思うのだが……

「ハイドラよ、準備はできたかの?」

「ああ、準備はでき……た」

 ちょっと待て……クティーラのデッキ……根本的な所からしておかしいぞ……

「ならば始めるのじゃ……どうしたのじゃ?わらわのデッキの裏スリが気になったのか?」

「いや……なんで呪文PGで裏スリなんか作ってるんだ?」

 そもそもPGのHCを集めるのさえ大変なのに、初期版の誤植でカード分類がおかしくなっているのを40枚も集めただと?

「言っておらんかったか?わらわの趣味はカードゲームじゃと」

「聞いてねぇよそんな事……」

「まあよい、始める前にひとつ言っておくのじゃが……わらわのデッキはドラゴンじゃ」

「…………見事に対になったな」

「なるほど、ならばおぬしはK・C・Dデッキか?」

「いや、そのりくつはおかしい」

 というか、元のデッキをバラしてないか?その台詞

「A・CデッキとA・Cデッキを超融合しただけだが?」

「ほうほうなるほど……龍の炎に焼き尽くされないように気を付けるのじゃぞ?」

「……?まあいいや、じゃあはじめようか」



「ヘッドでダイレクトアタックじゃ」

 負けた、普通に負けた、普通にずっとターン続けられて負けた……

「こんなんじゃ……満足……出来ねぇよ……」

「敗者が何を言っても無駄じゃぞ?負けは負けじゃ」

「そもそもルールちゃんと説明しろよ!サファイア入れるならちゃんとそう言えよ!何で言わなかったんだよ!」

「何故?……聞かれなかったからじゃ」

「QBかよお前は!」

 ちなみに負け方は、ライゾウで「覇」サファイアボルバルという、三大黒歴史を並べられてごり押しである。ごり押しである。

「そういえば、敗者には命令出来るんじゃったのう?」

「…………女装は嫌だ、女装は嫌だ……」

「ほう、女装は嫌じゃと申すか…………難しいのう……」

「組み分けしてるわけじゃないんだから……」

「よし、決めたのじゃ!」

 死刑宣告だな、僕の……


「今夜、わらわと一緒に寝るのじゃ」


「……ちょっと何言ってるか分からない」

 寝るって……どういうことだ?添い寝?

「物分かりが悪い奴じゃな……つまり、今夜わらわとベットゥイン=ヘルグリフォンしろということじゃ」

「いったい何なんだよ、ベットゥイン……ヘルグリフォン?って」

 より分からなくなった。元よりクティーラの意図が分からなかったが、言い直したことにより、意味すら分からなくなった。

「まあ、おぬしがわらわと一緒に寝るだけじゃ……なぁに、おぬしが何もせぬ限り、わらわからは何の危害も加えぬのじゃ」

「いや、僕からも何もしないからな?」

 ロリコンではないどころか、正直色々あって……

「む……おぬしほどの年齢じゃとその……そういう方面への興味があってもよいと思うのじゃが…………」

「仮にあったとしても、お前にそういう興味とかを持つのはロリコンだけだ」

「…………まあよい、早く食事の準備をするのじゃ、ハイドラ。わらわの注文を聞くつもりなら……肉がいいのじゃ。勿論、焼き肉じゃぞ?鶏肉なんぞでこまかすのはもってのほかじゃ」

「…………太るぞ?」

「にゃっ!にゃにを言っておるのじゃ!別によいではないか!せっかくハスターを罠にかけた記念じゃ!こういう時ぐらい色々な事を気にせずにパーッとやるのじゃ!分かったらとっとと準備をするのじゃ!」

 子供相手の軽いジョークのつもりだったのだが、予想以上に怒られてしまった。これでも色々と気になる年頃なのだろうか?

 というか、肉無かったよな?……買いに行かないといけないか……面倒だけど行ってくるか……

「クティーラ、ちょっと買い物に……」

「…………………………ふむ、このカードでこうなって……これはなかなかに…………はっ……い、いつからいたのじゃ?ハイドラ」

「…………ちょっと買い物に行ってくるから、留守番頼んだ」

「…………うむ、承知したのじゃ」



「…………危なかったのじゃ……認めたくないのじゃが……このハイドラのデッキ、最初の手札がよほど悪くない限り、展開が止まる事が有り得ないようじゃ……ふむ、わらわも危なかったかもしれんのう。もしあの時、引いたGENJIを速攻で出して殴り、展開の要たるロリを破壊できておらんかったら……まあ、何事も結果がすべてじゃ。…………ちと、1人で試してみるかのう」

 まさか、禁止及び制限候補を積み込んであるデッキが負けるようなことは……



10分後


「…………あり得ないのじゃ……まさか、このハズレSRが……こんなにも恐ろしいものとなるとは……あやつめ、わらわのデッキが強いかのように言っておったが、互角どころか……あやつのデッキの方が強いのじゃ……もっとも、わらわが本気で作ったデッキには勝てぬようじゃがのう。…………空しくなってくるのう、既存のデッキベースと1から作り上げたデッキを比べるのは……」

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