表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/15

その9

女体化はアブノーマル気味のノーマルだろ! おいあんた

 前回の三つの出来事!

 一つ!クトゥルーさんと僕の両親が来るとの連絡あり

 二つ!ニャルラトホテプが飲み物に入れた謎の薬の作用で、何故か僕が女の子に……

そして三

「現実から逃げては駄目なのじゃ!現実と戦わなければ生き残れないのじゃぞ!」

 現実逃避させてくれ、クティーラ……頼むからせめて30分でもいいから現実逃避させろ……



「30分しかないけど、それまでどうしようか」

「諦めれば……いいと思う…………」

「それ以外」

 まず諦めるのは論外、でもって僕が閃かないので丸投げも却下

「男装すれば良いんじゃないかな?いつもやってるみたいに」

「それなりに良い案だな、クトゥグァさん……でも、後半はどういうことなのか説明してもらおうかコラ」

 遠回しにいつもCoda……もとい、こう(ガチで女の子)だと言っていないか?

「ウェディングドレスに身を包めばいいんじゃないかい?タキシードはボク有り難く着させてもらうから」

「さて、サスペンスな惨劇でロンドンブシッ死したくなかったら黙ってくれないかな?」

「…………………………………………………………」

 沈黙したニャルラトホテプはおいといて、良いアイデアはないかと視線を向ける……が

『…………………………』

 誰もが思いつかないと言わんばかりに視線を逸らす。…………せめて1人でも良いから誰か思いつけよ

『………………………………』

「おい……どうすんだよ、この空気」

『………………………………』

「ニャルラトホテプ、なんか場を和ませる軽いジョークないのか?」

「じゃあ一つ…………私の罪は53万です。これがどういうことか」

「さて、ニャルラトホテプは罪を数えたことだし、キャメンライドゥの雑魚敵のノリで爆破させてもらうか……勿論キックで」

「じょ……ジョークだよ!ジョーク!ジョークあべにゅー!」

「さあニャルラトホテプ、お前の罪を数えろ」

「あなたを愛することが罪だとでも」

「………………………………」

「ちゃんと返してくれないかい!?」

「……………………」

「『何言ってんだ?こいつ』みたいな目で見ないでくれないか!」

 ちなみに、ニャルラトホテプが若干棒読みだったことから察するに、『ユートピア!』とでも返すべきだったのだと思う。別に返さないという方向もありだったが。というか、実際返さなかったが

「とりあえず、男装すればいいのか?サラシ巻いて」

「時間がない…………あと30分足らずでクトゥルー達が来る……」

「あ……そっか……」

 もうこれほぼ詰みじゃないか?時間ないし

「でも……諦めたら人の心は死んじゃう…………急げば間に合う」

「そこで、いつの間にか縄でぐるぐる巻きにされてた上に猿ぐつわ噛まされてる変態の出番か?」

「んーー!」

 誰かは言わなくても分かるよね?……やっぱりバイアクヘーさんなんだよ

「で、何やったの?バイアクヘーさん」

「瞑想中に…………手を出そうとしてたから……ニャルラトホテプと2人で頑張って……」

 やっぱりあの30分の間だったか……

 ところで、クティーラはどこ行った?

「縄……ほどいた方が良い?」

「ほどいてあげて、ついでに猿ぐつわもハズしてあげて」

「…………分かった」


「酷いじゃないですか!見て見ぬふりなんて!」

「僕だって見なかった事にしたかったよ……いつも通りにやらかしてたバイアクヘーさんの存在を」

「えっ……酷くないですか?」

 事実そうだから仕方がない。変態だし……変態だし

「サラシ…………良いと思います!それはそれで萌えます!」

「アクセル全開どころか全壊……だれかこの変態止めて……」

 疲れた……もうゴールしてもいいよね、クティーラ……

「分かりました、今すぐに買ってきます!9.8秒……それが店までのタイムです」

 恐ろしい速度で買いに走り出したバイアクヘーさん。もうあの動きはなんか物理法則無視しないと無理な領域な気がする。あるいは、奥歯の辺りに加速装置を仕込んでいるかしないと

「悪い知らせがあるのじゃ……心して聞くのじゃ」


 部屋に戻ってきたクティーラが開口一番にそう言った。

「で、なに? 覚悟は出来てるけど」

「あと1分もせずにこちらに着くそうじゃ」

「……………………詰んだな」

「…………………………………………チェックメイト?」

「……………………絶望……しないでね?ボクが最後の希望だから……」

「……………………絶望が私たちのゴールでしたか……無念です……」

「クトゥグァの絶望が今にも溢れ出して……ゲートになりそう……」

 もう諦めた方が良さそうだ。

ピンポーン

 ……出たくない……絶対出たくない……こんな姿親に見られたら……生きていけない……

「ちょっと……見てくる……」

「出来れば時間稼ぎして欲しいんだけど……いい?」

「分かった…………私の友達の頼みなら……断れない……」

 とりあえず、バイアクヘーさんが帰ってきて、サラシを巻く時間はありそ―――

「ただいま!元気にしてた?アツトくん!」

 無かった。全く無かった。まさかの伏兵たる母さん――……高校生の息子がいるとは思えない、わずかだが日本人離れしたイメージを受ける童顔、おとぎ話の人魚のような美しさ(全部父さんの感想だが)――が現れた。絶望してファントムになっちゃってもいい?

 念のため説明させてもらうが、僕の母さんは少しだがアメリカの方の血を引いているらしい。細かく言うならば、母さんの曾祖母……つまり、僕の高曾祖母がアメリカのマサチューセッツ州で、生まれ育ったらしい。

「ってあれ?いつにもましてアツトくんが女の子っぽい……胸も大きいし……私、女の子を産んだんだっけ?」

「おかえり、母さん……あと、色々あってこんな状態になってるけど、本来僕は男だから……あと、ヨグソトースさんが向かっていったはずだけど、なんで気づかれずにこっちに来てるの?」

「あのちっちゃい子?今、お父さん達と玄関で話してると思うよ?チラッと聞いたけど、封印がどうとか、活路がどうとか言ってたけど……」

「…………封印?……活路??」

 多分繋がりがあるんだろうけど、全くもって分からない。これがダイイングメッセージなら、探偵に犯人を教える気が無さすぎる、それ位に理解しがたい。

「活路…………封印………………!?」

 その時ニャルラトホテプに電流はしる……何かに気付いたようだ

「大体分かったよ!」

「あーはいはい、どうでも良いことだったのかー。で、話を戻すけど」

「まさかのガン無視!?」

「僕がこんな姿になったのは、ニャルラトホテプって奴の仕業なんだよ」

「へぇ、そうなの~…………で、この中のどの子?」

「あ、犯人がこの中にいること前提なんだ…………(チラッ」

「……………………(言わないでね?)」

「なるほど、この子がニャルラトホテプだったのね……」

 アイコンタクトだけでバレました!ニャルラトホテプが思いっきり睨んでるけど、僕は悪くない、僕は悪くない!

「…………あなたとはいいお酒が飲めそうね……」

 …………ゑ?

「ちょ……僕、大体全部ニャルラトホテプのせいで女の子になっちゃったんだけど!?なのに、なんで犯人を許しちゃうの!?」

「…………うふ」

「うふ、じゃないよもう…………」

 どこか、適度に暴れられるナイスな世界はないのだろうか?戦わなくても生き残れるような世界で

 というか、もうこの際、鏡の中の世界でもいいから、大暴れさせてもらえないだろうか?

「で、どの子が彼女なの?」

「ちょっ! まだ彼女なんていな」

「ボクが、彼女です」

「少し頭冷やそうかニャルラトホテプ」

「あ、私は彼女になる予定はありませんよ~? アツトさんを親友だとは思っていますけど」

「うーん、少し嬉しいような嬉しくないような……」

 女の子と面向かって恋愛対象ではないと言われたら普通は傷つくと思うのだが、何故か少しだけ安心してしまう……僕をねらっている他の邪神がものの見事に変な奴しかいないからだろうか

「で、そこの幼女……クティーラちゃんは?」

「………………………………………………さて、どちらじゃろうな?」

「ふーん、あなたはそういう答えなのね……」

 そういう答え? …………自分で考えろと言うことか?

「あーちゃん、買ってきましたよ!焼きそばパンを!」

 おせーよ、バイアクヘーさん…………あとタイミングが悪いなオイ

 というか、焼きそばパンなんて頼んだっけ?

「ありゃ? この女性……あーちゃんのお姉さん?」

「母さんだよ……見た目めっちゃ若いけど」

「で、あなたはアツトくんの事どう思っているのかしら?」

「えーっと…………」

 どういう言い回しをするべきか迷っているバイアクヘーさん……日頃の言動からしてどう思っているかは火を見るより明らかなので……

「獲物です!」

「満円の笑みでそんな事言うか?普通」

「例えるなら、ライオンやトラやチーターとウサギの関係ですかね!」

「捕食関係ね、分かるわ」

「母さんも何言っちゃってるの!?」

 『分かるわ』じゃないから!僕には分からないよ!何もかもが!

「で、アツトくんは誰がいいの?」

 …………逃げるか

「あ、逃げた」

「臆病なチキンじゃのう、お主は」

「逃げられると思っているのかい?ボクから!」

「無理だよね、分かった」

 無理だろうと、足掻いて見せようか……



 やっぱり、ニャルラトホテプとバイアクヘーさんと母さんには勝てなかったよ

「この包囲網相手に三分間も持ったのは十分健闘したんじゃないかな?」

「捕まってしまっては意味がないがのう」

 あらがった事に意味があるのであって、結果はどうでもいいよ! 最終的にはこうなることが目に見えてたし……

「で、アツトくんは、誰がいいのかな?」

「ボクだ!」

「ニャルラトホテプ!君だったのか!」

「で、誰がいいのかな?」

 流せなかった。ニャルラトホテプのボケに乗っかったけど駄目だったよ……どうしようか

 母さん……倫理的に論外

 ニャルラトホテプ……論外

 バイアクヘーさん……想像した結果、入院する未来が見えた……何が原因でかはお察し

 クトゥグァさん……親友

 ヨグソトース……友達

 あとは消去法的にクティーラが残ったのだが…………そもそも消去法で決めること自体が間違いだな、うん

「………………」

ダッ

「また逃げましたね……外に」

「こんな犯人がいるような部屋にいられるか!僕は外に出るぞ!」

「…………追いかけないのかい?」

「いえ、あなた達が追いかけるんじゃないかしら?」

「へ? 私ですか? ……もう少し休んでから……」

 協調性無さすぎる……まあ、ありがたく逃げさせてもらうけど



 早速だが、道に迷った。捕まったらゾンビに捕まるよりはるかに危なかったので、一心不乱に走り続けた結果、道が分からなくなった

「どこだろうね、ここ……」

 見覚えがあるような無いような……あるとしたら、数回通っただけの道かな?

「まあ、とりあえず歩いてみるか……」

 迷う可能性は十二分にあるが、現状で立ち止まるという選択肢は僕にはそんなにない


「本当にどこだここ……」

 さらに道に迷った……

 もう、『進む→迷う→更に進む→更に迷う』という、無限ループにおちいる予感がしてきた。もう動かない方がいい予感がしてきた。下手に動いて事態がさらに悪化したし

「あれ?なんか見覚えがあるような無いような……」

 聞き覚えのある声が後ろから聞こえてきた。聞き覚えがあるどころか、毎日のように聞いている声…………

『……身長159.2cm……一致、髪の長さ不一致、胸囲不一致……政、少し声をかけてみてくれないか?』

「おう、ちょっとそこの君……」

「……何か用ですか?」

 とりあえず、他人を演じるか……多分無理だけど!イストラルに見抜かれるけど!

『表情、ほぼ一致。声質……完全に一致。おそらく本人だ……だが、どういうことだ?…………何故、性別が一致しないのだ……』

「どういう……ことだ……?」

『つまり、今の彼……いや、彼女か……は見ての通り女だ。いつもは完全に男だったハズなのだが……』

「じゃあデュエルだな!」

「デュエルで元に戻れたら苦労しないからな!」

『さすがはデュエル脳……こういった事態でも一切ブレることがないな……』

「おう!友人が何故か女の子になってたとしても、そんな事……カードゲームで世界が滅びかけたりするカードゲームアニメになれれば、超展開でも何でもねぇ!」

「いや、十分超展開だろ」

『さすがにデュエルでは元に戻らないと思うが念のために試してみるか……』


5分後……


「………………変わらないな」

「完ッ全に無駄骨だったなコラ」

『いや……完全に無意味だというわけでもないようだ……極僅かにだが、男に近付いたようだ……大体だが、あと3000回もすれば、元に戻れそうだ』

「よし!あと3000回」

「やらねぇよ!そんなんなら、一週間ぐらいで確実に戻れる方法を試すよ!」

「へー……一週間頑張れよ!」

「あ……ああ!」

『…………戻れば良いな、一週間で』

「さらっと不吉なこと言うんじゃねぇよ!」

『それより政、今日は』

「おお!すっかり忘れるところだったぜ!今日はバイトだったな!というわけで、じゃあな!」

「はいはいまた来週…………ってちょっと待って!…………行っちゃったな……」

 どうしようか、この状況……


「あのーすみません、人探しをしてるんですけど……特徴はですね……長い黒髪に、白磁のような白い肌、そして言葉づかいが男の子っぽい人なんですけど……」


 近くから、聞き慣れた声が聞こえてきた。…………道は2つ。更に逃げてまた迷うか、おとなしく捕まるか……戦いを続けるか、戦いをやめるかの違いぐらいしか無い気がする。あっちもどっちにしろバッドエンドだったし

「ひょっとして?……あ!いました!ありがとうございます!」

 気付かれた!逃げるか……そうしよう

「無茶苦茶だけど……若いっていいな」

 バイアクヘーさんに聞かれてた人がなんか呟いてる気がしたけど無視!とりあえず逃げる!


 やっぱり……今回も駄目だったよ

「足留めするのに邪神としての技使うなよ……思いっきり足くじいたじゃねぇか……」

「と……咄嗟のことだったので仕方ないじゃないですか!それに、動かないでくださいと忠告しましたよ?」

「いや、あの状況なら誰もが動くね」

 誰だってそーする、僕だってそーする

「それはいいとして……なんでこの運び方なんだ?」

 俗に言うお姫様だっこ……しかもバイアクヘーさんのアレが僕のにモロに当たっちゃってるし

「あ、じゃあ後ろに乗ります?……私の背中に当たりますけどね……うふふ」

「このままでお願いします」

 もう足をくじいた時点で色々と詰みチェックメイトだった気がする。バイアクヘーさんへんたいの事だし

「あーちゃんが逃げ出して見失った時心配したんですよ?」

「……ごめん」

「…………迷子になって涙目になっていないかとか、誘拐されないかとか」

「サラッと欲望混入させなかったか?今」

「失礼な!純度100パーセントですよ!…………欲望の方ですけど」

「…………『欲望は世界を救う』って一部では言うけどさ、バイアクヘーさんのよこしまな欲望にだけは救われたくないな」

「ケーキ作りが好きな会長さんの名言ですよね、それ?」

「むしろ迷言だけどな……あとバイアクヘーさんの欲望は解放しちゃいけない感じの欲望だからな?解放するなよ?絶対するなよ!フリじゃなくて!」

「……フリじゃないなら何なんですか?」

「忠告だよ!バイアクヘーさんを犯罪者にしないための忠告だよ!」

「大丈夫ですよ、私は常時欲望解放してるつもりはありませんので!」

「ほぼ常時解放してる気がするのは僕の気のせいなのか?そうなのか?…………ってあれ?なんで神社に?」

 いつの間にか、いつぞや訪れた神社の前にいた……気づかなかったが、神社の方へ進んでいたらしい

「とりあえずは、怪我を治療してから帰った方が良いと思いますけど?」

「いや、ほっとけば治るって」

「というのは建て前で、休んでいきませんか?一晩」

「よし、下ろしてくれないか?頑張って帰るから」

「えっ……酷くないですか?」

「というか、この階段のぼるの大変じゃないか?」

「……ちょっと飛ぶので、しっかりと捕まっていて下さいね?」

「ちょっと待て!せめて心の準備だけでも……」

「そーれっ!」



「あれ? あーちゃん? 大丈夫? ……意識がないあーちゃん……いけますね! 色んな意味で」

「いかせなからな! あと何をするつもりだったんだよ」

「それはですね……」

「そ……それ以上はいい!大体分かった!聞きたくない!」

「貝?」

「やめろ! ソレイジョウハヤメロ!」

「まあ、涙目のあーちゃんが見れたので、これでこの話はおしまいにしましょうか」

 貞操の危機を感じた……割とガチで……シャレにならないレベルの

「やめて……」

「あーちゃん……あーちゃんはラスボスにはならないよね? その言葉を最後にして……」

「……大丈夫、もう落ち着いたから……それに、トラウマ量産ゲー最後の砦だって2で再登場してたし……」

「あーちゃんどうしたの!? 言葉遣いが少し変ですよ!?」

「多分……恐怖でこうなったんじゃないかな……分からないけど」



 うん、落ち着いた。何があったかはイマイチ思い出せないけど、落ち着いた。思い出せないということは、無理に思い出さなくていいんだよね?トラウマ発掘はシャレにならないし

「……そういえば、ハスターはどこに行ったんだ?」

「ハスター様は……神主様と、妖怪退治の旅に出かけました」

「妖怪って……いや、なんでもない」

 妖怪の存在はどうなのかと思ったが、邪神がいるのならいてもおかしくないなと思い返した。

「神主様はスゴいんですよ?これはハスター様に聞いた話ですけど、雪山で発火現象を起こす妖怪と神主様も発火現象を起こしながら素手で殴り合いして勝ったり、世界の破壊者になって9人ののライダー相手に生身で無双したり……最近の話ですと、学校を利用して人外の戦士を作り出す実験をしていた理事長を、卒業式の日に卒業式のついでに理事長からの卒業式と称して卒業キックをかまして爆散させたりとか」

「全部のことを『邪神が存在するなら仕方がない』で済ませられると思うなよ?あと神主さんどんだけチートなんだよコラ」

 なんでそう危ないネタばかり取ってきた、最初の以外全部嘘だよな?ひょっとしたら最初のも嘘かもしれないし

「神主様の伝説といえば……全盛期はグッとしただけで瓶のビールが数本空になったり、ストレッチをするだけで九尾の狐クラスの大妖怪が泣いて謝ったり、戦闘機でミサイルに向かって突撃して更に無傷で生還したり……あ、今リストにまとめますね?」

「いや、まとめなくていいからな?あと今の違う神主の伝説が混じってたぞ?」

 全盛期の神主様伝説……『除霊は全世界の悪霊の殲滅のやり損ない』とか『小指一本のデコピンで○ヴァさんをメダル一枚にした』とか『見た目が全く変わらないのは波紋を完璧に使いこなしているから』とか『腕が切られようとハゲになろうと、気が付いたら一瞬で元に戻っている』とか『一睨みしただけで祟り神がただの神にランクダウンした』とか…………そんな感じの根本的な所からしておかしな事が色々と書いてある

 まあ、二つ目はウ○ァさんなら仕方がないな、虫けらだし。

「……分からないよ、神主の人物像が」

「結構優しい人ですよ?怒ったら怖いですけど」

「へー、ふーん」

「あと、今出かけている理由ですけど……一週間前のバーストさんの事件の後始末みたいな感じらしいですよ? バーストさんが移動したせいで、各地の猫の妖怪が活性化して、退治しに行ってるらしいですよ? 確か今は……鍋島……でしたっけ?」

「いや、僕に聞くなよ……」

「まあそれはいいとして……もうそろそろ戻りませんか?時間が時間ですし……」



 一応帰るときに道が分かるか聞かれたが、流石にうろ覚えに近いとはいえ、覚えているので大丈夫だといった。……バイアクヘーさんが送り狼になりそうだったし

 何だかんだで、家までは(そんなに)迷わずに戻ってこれた

「ただいま~」

「おかえり……大丈夫だった?」

「ああ、一応……」

 多少の怪我はあったけど

「この人が……クトゥルー……」

 クティーラの髪が浅い海のような緑の色なら、クトゥルーさん深海のような青に近い黒い髪……何故か見た目は若く、大体二十歳はたちを越しているかどうかといったくらいである……クトゥルーさんの本当の年齢がどうこうとは思っていない。念のため

 そしてクトゥルーさんの服装だが……何故か着物である。青色の着物……まあ、テレパシーで会話をしたときの印象からだが、多分クトゥグァと同じくらいに中身はまともだということを期待しても良いと思う。……期待して大丈夫だよな?

「一応初めまして、でしょうか?アツトさん……クトゥルーです」

「初めまして……今は事情あってこんな状態ですけど、僕は」

「事情はクティーラから聞きました、不思議なことが起こって女の子になってしまったとか」

「ええ……大体ニャルラトホテプって奴の仕業ですけど……」

「なるほど……ニャルラトホテプの仕業なのですね?では、ちょっとシバ……カチコ…………叱ってきますね?」

「何回言い直してんですか?あと、多分反省してるのでオーバースキル……もといオーバーキルはやめておいてあげてください」

「では、マインドクラッシュだけて済ませますので……ちょっと行ってきますね?」

「…………………………………………行ったね」

「…………止めなかった……」

「一回マインドクラッシュしたら、綺麗なニャルラトホテプに変わるかもしれないからね。ほら、某遊びの王様のライバルの社長だって、マイクラ前は平気で人を自殺に追い込むような外道だったのにマイクラしたら割とライバルっぽくなったから……」

 いくらニャルラトホテプでも、マイクラすればキレイなニャルラトホテプに変わるんじゃないかな?

「…………ニャルラトホテプは……マインドクラッシュしても……多分変わらない……」

「いや、さすがのニャルラトホテプでも……」

「そもそも、マインドクラッシュはニャルラトホテプが育てた」

「いや、どこぞの監督みたいに言われても……」

 あと、元ネタと同じ感じなら相当な皮肉だぞ?それ

「ニャルラトホテプは…………多分宇宙に打ち上げて……考えるのをやめさせるとかしないと…………変わらないと思う」

「いや、変わらないということは……」

 ニャルラトホテプは2度と地球へは戻れなかった…。鉱物と生物の中間の邪神となり永遠に宇宙空間をさまようのだ。そして死にたいと思っても死ねないので、そのうちニャルラトホテプは考えるのをやめた。…………ないな。ありえないな、ニャルラトホテプだし

「そもそも、宇宙にとばしても次の日には平然と戻ってきそうなんだが?想像してみたけど」

「そういえば…………クトゥルーをとめないと……ニャルラトホテプが危ない……」

「え?なんで?マインドクラッシュは平気なんじゃ……」

「クトゥルーのマインドクラッシュは……マインドクラッシュ(物理)だったから……ニャルラトホテプが死ぬかもしれない……」

「それを先に言え!」


「ニャルラトホテプ?大丈夫ですかー?というか生きてますか?…………あ、もうそろそろ帰るので、後はお任せしますね?」

「いや、任せられても……って待ってください!……こいつ……死んでんじゃねぇかよ……!」

 前言撤回!クトゥルーさん常識人じゃねぇ!あとマイクラでニャルラトホテプを矯正しようとすることは間違いだった

「残念……ニャルラトホテプの冒険は……ここで終わってしまった……」

「んなひでぇ事言うんじゃねぇよ!とりあえず何やればいいんだ?」

「人工呼吸」

「そうだ!人工呼吸……ってオイぃ?今のは誰の声だ?」

「多分……ニャルラトホテプの声……」

「………………こいつ、生きてんじゃねぇか!」

 死んでるのか生きてるのかどっちかと聞かれたら生きてる。ニャルラトホテプめ、わざと呼吸とめてやがったな

「………………ニャルラトホテップ!お前ッ!起きているなッ!」

「……答える必要はないね」

「返事すること自体が……すでに答えそのもの……」

 アホだこいつ……寝たフリをするのなら黙っていればいいものを

「ああ、そういえば……お義父さんから君に、プレゼントを預かって」

「ああ、ちょっと離れるから、合図をしたら中身を確認してくれ」

「お義父さんと言ったことにツッコミすらなしかい!?プレゼントの中身は一体何が」

「参考までに10歳の時と12歳の時と13歳の時のプレゼントが何だったか言うけど…………名状しがたい石の仮面、動物の模様が入ったメダル、人智を越えた化け物に変身できそうなメモリー」

「…………さり気なく君がボクに危険物処理をさせようとしているのは気のせいかい?」

「ちなみに9歳の時は遺跡から発掘したらしいベルトみたいなやつだった」

「唯一まともだったから11歳の時をはぶいたのかい?それとも、プレゼントがなかったのかい?」

「珍しくまともなプレゼントだったから参考にはならないからはぶいただけだ」

 ちなみに11歳の時のプレゼントは謎の黒い結晶だったハズだ。……よく考えると、こいつ関係のあのアーティファクトの可能性もあるわけか……この件に関しては…………>そっとしておこう

「開けるよ?」

「大丈夫だ、問題ない」

「十分離れてる……問題ない」

「ご開帳~……あれ?普通だ……」

「普通って一体どんな酷いプレゼントを期待……本当に普通だったな」

 プレゼントの中身は鏡だった。……縁に象られているのが三つ首の龍に見えなくもないが、気にしないでおこう。クトゥルー神話の探求者が、いらんことに首を突っ込んでSAN値直葬で発狂したり、人智を超えた何かによって惨殺されるのはよくあることだ。

「……ひょっとして……トリシュ」

「それ以上は言われなくても分かってるから静かにしてくれヨグソトース」

「……そういえば……クティーラ達は……どこに?」

「クティーラは眠いから寝て、お義父さんとお義母さんは……夫婦水入らずといったところかな?水属性だけに」

「うまくねぇよ、そして母さん達は水属性じゃないだろ」

「ふっ……本当にそうかな?」

「そんなわけないだろ?普通に考えろ」

 まあ、思春期の子供にプロポーズの言葉を教えている親が普通かどうかはおいておく。

 ……「一曲いかが?」で、返事が「喜んで」だったらしい……ひょっとして水属性云々はこの事だったのか?ちょうど「喜んで」は水が入ってるし

「まあ、ボクにも分からないけどね!」

「分かんないのかよ!」

「水属性かどうかはおいといて……とりあえず……元に戻るため……行動を始める……」

「え?始めるって一体何を……?」

「とりあえず……三人一緒にお風呂?」

「それはやめてくれ、SAN値が尽きる……主にニャルラトホテプのせいで」

「なんでもかんでもボクの仕業にしないでくれるかい!?」

 もう既に僕の中で責任を押しつける相手は、ディケなんたらとゴルゴ○と乾巧って奴とニャルラトホテプの四天王が組まれていたりする。大体は、ニャルラトホテプの仕業になるのだが

「じゃあゴル」

「てつをはいいよ!」

「おのれディ」

「何のために……世界の破壊者が……来るの?」

「これも全部、乾 たく」

「いや、その理屈はおかしいから」

「もう全部ニャルラトホテプの仕業でいいんじゃないかな?」

「ここは……ニャルラトホテプに任せようのノリは……」

 (アカン)?

「まあなにはともあれ、三人一緒に」

「ファイナルダンス!(ビンタ)」

ベチッ

「地味にいたいね……だが、心地よい痛みだよ……例えるならば、そう!まるで初めてのせ」

「それ以上言うなら追い出すからな?」

 恥ずかしい台詞禁止!通すかそんな発言!

「…………顔を真っ赤にして……無理して言わなくてもいいんだよ?」

「……そこで赤くなるのは……心がピュアな証拠……可愛い」

「めっ……面向かって可愛いって言うなヨグソトース!」

「無茶して否定しなくても……いい…………だって……それが事実だから……」

「……うん、ニャルラトホテプが言ったのなら某バタフライさん式ビンタかましてるところだったよ?ヨグソトース」

「え……酷くないかい?」

「そういえば……お風呂が嫌なら……」

「いや、ニャルラトホテプと入るのが嫌なだけで……」

「部屋の模様替えを……すればいい……」

「へ?」



 なんということ(をしてくれたの)でしょう、つい先程まで普通の部屋だった僕の部屋が、乾巧の仕業……もとい、匠の技でこの通り……

 机の上は、時代の極最先端(どころか、はるか先の未来)をゆくセンスにあふれ、改造前は至って普通の勉強机からいたるところに血のようなものが付いたクマのぬいぐるみ(無駄にリアルだが、どこで売ってたんだよこんなの)と、ぬいぐるみサイズにデフォルメされた邪神(こっちもだけどどこに売ってたんだよ)の大行進!

「とりあえず一言だけ言わせてもらいたいことがある…………せめて僕の意見を少しで言いから聞け。どこの女の子がこんな意味不明のぬいぐるみを部屋に飾るんだよコラ!」

 更に、ベッドは……あえて変えずに

「まあ普通だな……変わってないからだが………………心なしか紫色のオーラを感じるけどな」

 タンスからは明らかに危ない匂いが

「よし、ニャルラトホテプの仕業だな?ちゃんとしたのに中身入れ換えといてくれ」

「せめて中身を見たら」

「そこまで言うなら見てやんよ!」

 なんと、そこには……至って普通の女性用の下着が

「……意外と普通だな、サイズが合ってるかどうかはさておき…………っていうか、いつのまに準備したんだよ」

「ニャルラトホテプが……自分の部屋から……運んできてた……」

「…………よし、仕方ないから今日はここにあるのを使うとして、明日買ってくるか~」

「…………まだチェックしていない場所がある…………」

「ヨグソトース様!あれは悪ふざけで仕込んだのでチェックにはノーカン!いわばシークレットです!」

「で、ヨグソトース……それはどこだ?」

「その……ベッドの下……ニャルラトホテプが漫画を入れてた」

 ベッドの下の漫画……中学男子がよく隠してるアレか?ひょっとして

「……………………美男と野獣?くそみそクライシス?魔法少年やじゅう☆マギカ…………なあニャルラトホテプ…………これはなんだ?」

「みっ……見ての通りだけど?」

「いや、見ても分からないから聞いているんだが?」

 厳密には、頭の処理が追いつかないからだが

「見ての通り…………BL漫画だ」

「うん、そうか…………僕が許すと思っているのか?こんな事して」

「ニャルラトホテプよ……さらば…………」

「ちょ!なんでもうすでに居ない者の扱いになっちゃってるんですか!?まだ生きていま――」

「さあ、地獄を楽しんでこい」

「ニャァァァァァァァァァァァァァァァァ!」

 やっていいイタズラとやっちゃいけないイタズラを理解しないの区別が付かないとニャルラトホテプみたいになっちゃうからみんなも気を付けようね? 僕との約束だよ☆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ