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能力試験

今回は能力ちょこっと。

獣変動(メタモルフォーゼ)



それは禁忌の能力。

忌み嫌われた魔獣と化する能力。

人間の遺伝子に魔蝕ウイルス『アリスノテトラ』が混ざった為に起こる現象。

本来、アリスノテトラに感染した人間は(たちま)ち心を失い、体を失い、魔獣となり人を殺し、別の魔獣を喰らい、強くなろうと本能のあるがままに生きる。



しかし、人間にも若干の耐性が付いていることもある。そう言った場合、感染して一週間や一ヶ月後に発病する。これの怖い所は感染した本人に全く症状が出ず、いきなり魔獣化するそうだ。夜、皆で家族団欒の時を過ごしていた時、親がいきなり魔獣化して悲劇を生んだ家庭も少なくない。




















魔蝕研究団体『ネメシス』は魔獣の人間を作ろうと数多の人間を攫い、非人道的な実験を繰り返してきた。五和田劉二の親もその一例に入る。



子供の遺伝子に魔蝕ウイルスの遺伝子を組み込んだり、魔蝕ウイルスの入った液体に漬けたりなど、(おぞ)ましい実験をしてきた。が、一人を除いて全て失敗に終わった。すぐに魔獣化するか先に人間の精神か体が耐えきれなくなるのだ。



唯一成功した人間。それは、五和田劉二だった。



彼は、実際に魔蝕ウイルスを打ち込まれたのではなく、打ち込まれた親から生まれたのだ。



妊娠中の親が攫われ、魔蝕ウイルスを打ち込まれたところ耐性が存在したため親はすぐには魔獣にならなかった。しかし、すぐにはならないだけで、母親の体全身をウイルスは蝕んだ。胎盤にいるこれから生まれて来るであろう子供ですら例外無く。



感染してから幾許か日数が過ぎた頃、子供は生まれた。親は、劉備玄徳の(かしら)を取って『劉二(りゅうじ)』と名付けた。



それから、劉二は成長し、こちらで言う『高校一年生』ぐらいの年になった。ある時、劉二の父親は一枚の紙を書いていた。劉二は父親にその紙が何かを聞いた。父親はただ笑うだけで答えてくれなかった。



そして、悲劇が生まれた。




















劉二の両親が、魔獣化してしまった。

劉二はその光景を目の当たりにし、目を見開いて動けなかった。

魔獣にもはや人間の心在らず。そのまま両親で無くなった両親は劉二に向き、巨大な口を開いた。

劉二は後ずさるが、すぐ後ろは家の壁。追い込まれた劉二。そして、二体が襲い掛かって来たその刹那―劉二が絶叫した。それは人の声では無い。生まれる前から本能に根付いた魔獣の雄叫び。劉二の体が妖しい耀(ひかり)に包まれ、次の瞬間、目の前の魔獣、もとい両親はバラバラになっていた。



劉二は自分の体を見る。そこにもはや自分の影は無い。シロの濁った水晶に包まれた強靭な胴体に二本の長い太刀を持つ腕。底から湧き出る禁忌の力。絶たれるべき命亡き者。




















その魔獣の名は、絶将『イナニメトネス』。




















五和田劉二、現イナニメトネスは聞いた者は恐怖に陥れる雄叫びを上げた。そして、普通の劉二に戻る。彼は、慟哭していた。誰も、彼の涙を止められる者はいない。




















劉二は、落ち着きを取り戻した所である物を見つけた。それは、前に父親が持っていた紙であった。劉二は紙を手に取る。そこに書かれていたのは『星聖学園転校受付書類』



劉二は知っていた。星聖学園とは、魔獣を殺すためにある学校だと。彼は、憎んでいた。親をこうさせた魔蝕研究団体『ネメシス』やそれが創り出した在ってはならない生物『魔獣』を。



劉二は決心した。この学園に行き強くなり、魔獣を殺そうと。そして、最後に自分も死のうと。

死んでしまった、両親の為に。




















「よし、始めるわ。まず、能力名は分かっていたら教えて。分からなかったら概要を」



焦る劉二の事など知らずにルーインは言う。



「ええっと……その……俺は…………」



これはヤバい。急いで考えないといけない。考える劉二。刻々と迫る時間。



「?」



疑問符が頭に浮かんでいるような感じのルーイン。



「えーとー……(あー……もうこれでいいや!)」



やけくそになった劉二の答えは、



「俺は、まあ、アレです。剣がとりあえず使えるのと創り出せます」



彼の魔獣の力で生み出すことの出来る剣、絶現剣である。剣術は魔獣のやり方で済まそうと考えた。



「あ、そうなの?じゃあ、ちょっと見せて頂戴」



後ろでヒュイヌがコンピューターに打ち込んでいる。ルーインに言われた通り劉二は『能力』を見せた。



「分かりました…………それ!」



劉二が右手を突き出す。それだけで、瞬間的にシロの、濁った水晶の様な色をした長い太刀が出現した。かっこつけて決めポーズを取る劉二。



「へぇー………………ただでさえゼロから物を作るのは難しいと言うのにあの速さで型を形成するなんて……」


「え?なんか言いました?」


「ん?ううん気にしないで。完成度もかなり高いし……ねえ、ちょっと良いかしら?」


「はい?」


「あのね……ちょっとやって欲しい事があるのよ。簡単だから」


「はぁ」


「それじゃ説明するわよ。まずは…………」



それから十分後、



「出来ました」


「御苦労さま。じゃ、早速出来そう?」


「大丈夫です」



体育館内。そこには、不規則に置かれた魔獣をモチーフにしたであろうシルエットの物が置かれてる。



ルーインの説明によると剣術を扱う者は不規則に置かれたターゲットをどれぐらいの速さですべて破壊できるかを計っていたりする。一応劉二も受けてもらう事にしたのだ。



劉二は並べられたターゲットを見渡す。『視た』感じ、それぞれ堅さが異なり連撃に持ち込みにくい配置となっている。今、劉二の目は人間の目では無い。魔獣の目で物を確認した。



「はーいそれじゃ良いかしら?」


「いつでも!」



そう言いつつ劉二は刀を創り出し順手で構える。ターゲット破壊の手順をイメージする。撃破最短ルートを見出す。



(フィーア)…………(ドライ)…………(ツヴァイ)…………(アイン)…………」



全神経をカウントダウンに集中する。そして、ルーインは叫ぶ。



(ヌル)!!」



劉二は全速で駆けだした。



まず手始めに手前に並んだ三つのターゲットをすれ違い様に斬り捨てる。そのまま近くにある堅い四つ目のターゲットを峰打ち。峰打ちによってターゲットは壊れこそしないが吹き飛び少し遠くのまた堅いターゲットに飛ぶ。劉二は太刀を狙って投擲。まるでそうで無ければいけないかの様に飛ぶ太刀は二つの堅いターゲットを貫通。綺麗にターゲットは分かれた。武器が無くなった劉二。武器が無くなれば作ればいい。劉二は走りながら右手に太刀を生成。そのまま



「はああああっ!」



気合と共に一閃。波動が、ターゲットを破壊する。ついで目の前にあった一番堅いターゲットを斬り上げ。空中に飛びあがったターゲットに劉二は刀を投擲。突き刺さった所で



爆発(explosion)!」



その声と共に太刀が爆発。ターゲットはバラバラになって降ってきた。




















「………………………」



ルーインとヒュイヌ、雄山は唖然。ターゲット撃破時間、三分。全員、鮮やかすぎる劉二の戦闘に



ハッと我に返ったヒュイヌが急いで戦闘状況を打ち込む。雄山がなんだこの転校生と呟いており、ルーインが



「……す、凄いじゃない!あの投擲の命中力!」


「え、ええ、まあ」



まさか魔獣眼を使いましたとは絶対に言えない。口が裂けても腹に仕舞込まなければ。



「と言う事で、試験は終わり。お疲れ様でした」


「ええ、ありがとう御座いました」


「こちらこそ……ヒュイヌ、打ち込み終わった?」


「もうちょっと………………ええ、終わりました。向こうで解析データ出せますよ」


「ご苦労ヒュイヌ……じゃ、私達はこれで。次の事はそこの雄山先生に聞いてね」



そう言って、てきぱきと機材をかたし、体育館を二人は後にした。



雄山曰く、一応校長にも顔を出しとけと言う事なので次は校長室、校舎内四階の奥の高級そうな扉にあるという。高級そうな扉ってどんな扉だよ、と些細な疑問を残しながら劉二と雄山は校長室に向かった。




















校舎内四階。劉二と雄山は校長室前に居た。



「あーここが校長室だ。無礼の無いよーにな?」


「は、はい」


「んで、そろそろ俺は戻っから、まあ、頑張れ」


「はい……え!?」


「あーこれでも授業は有るんだよっ」



と肩に手を置かれた後過ぎ去ってしまった。一人残された五和田劉二



「…………」



校長室の扉を見て深呼吸。



「すー…………はー…………よし、行こう」



劉二はノックして校長室に入って行った。

トゥーサンです。ネシンバラではありません

二百行で纏めきりたかったけど無理だと言うこの駄文さ


イナニメトネスは東方projectのアリス・マーガトロイドのスペルカード、魔操『リターンイナニメトネス』から。元々命亡き物の意


・・・・・これは二次創作に入ってしまうのかが疑問

ではここらへんで。また会える時まで

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