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遊び人の令嬢が目を付けたのは、私の真面目な婚約者でした

作者: おいどん



美しい庭園を見渡せるように置かれたテーブルを挟み、エリーネとノルトは休日の時間を共に過ごしていた。


「珍しい香りのする紅茶だな」

「隣国から新しく取り寄せた茶葉です。苦みがあって美味しいですよ」


ノルトはティーカップを傾け紅茶を口に含むと、「いいな」と呟いた。

それを聞いて、エリーネは嬉しそうに微笑む。


エリーネ・フォスティアとノルト・ランヴァールの婚約が結ばれたのは、およそ半年前のことだ。

ランヴァール伯爵家の次男で、王立学園の生徒会にも属している優秀なノルトとの婚約は、フォスティア家にとって願ってもない話だった。

家同士が決めた婚約とは言えこうして会いに来てくれる程、ノルトはエリーネに歩み寄ろうとしてくれている。

だからこそエリーネも、それ見合うだけの価値のある婚約者になる必要があった。




「では、また」

「ええ、いつでもお越しください」


落ち着いた声色で短くそう言ったノルトに、エリーネはお手本のようにお辞儀をした。

馬車に乗り遠ざかっていく彼を見送って、エリーネは緊張が解けたように大きく息をつく。


「アンナ、私、大丈夫だったかしら?」


不安そうな顔で聞いてくる自分の主人に、アンナは慣れたように「何の問題もございませんでしたよ」と答える。


「でもまたお仕事の話ばかりだったわ。もっと何か話題があれば…ノルト様の好きなものって何なのかしら」

「聞いてみたらよろしいじゃないですか」

「そうよね…」


誰が見ても、自分はノルトと釣り合ってるとは言えないだろう、とエリーネは思っていた。

身分はもちろん、個人としての能力も高いノルトとは違って、自分には特に目立った特技も、美しさもなかった。

強いて言えば、隣国との取引が多い家に生まれたこともあって、語学に強いということだろうか。

それすらも、学園の中では、というレベルだが。


その自信のなさもあってか、エリーネはノルトが自分のことをどう思っているのか、わからなかった。

彼は感情をわかりやすく表に出す人ではない。

常に落ち着いていて、誰にでも平等に接する。

婚約者として相応に扱ってもらえているが、果たしてそれがエリーネ・フォスティアという人を大事に思っているからかと言われると、肯定するのは躊躇われた。


大きく溜息をついて、階段を上り自室へと向かう。


せめて、伯爵家の婚約者らしい華やかさだけでもあったら良かったのに。




―――――




「エリーネ、おはよう」

「おはよう、ルチア」


登校早々に声をかけてきたのは、エリーネの親友ルチアだった。

いつものように明るい笑顔でエリーネに駆け寄ってくる。


「今日の課題やった?少しわからないところがあって―――」


話し出したルチアの言葉が止まり、エリーネは首を傾げる。

ルチアの視線はエリーネではなく、その先に向いていた。


「―――ベルティーナ様だ。また別の男性といる」


ルチアの向いている方を見ると、そこにはウェーブがかった長い赤髪を揺らしながら、男と腕を組んで楽しそうに歩くベルティーナ・エスペランサの姿があった。

入学時から男の噂の絶えない、所謂遊び人。

だが彼女にはそれを納得させてしまうほどの美貌があった。

あの神秘的なアメジストの瞳で見つめられ、艶やかな赤い唇から誘惑的な言葉を紡がれたら、女であっても胸を掴まれてしまうだろう。


「前から男遊びが豪快ではあったけど、最近特に酷いよね」


ルチアの言う通り、近頃のベルティーナは以前にも増して節操がなかった。

相手を本気にさせて、プレゼントを貢いでもらったり、笑い者にしたり―――そういった情報に疎いエリーネの耳にも、噂が入ってきていた。

とはいえ、所詮住む世界の違う人だ。

いずれ貴族社会で関わることがあったとしても、今は自分が彼女の目に入ることすらないだろう。


「やっぱりあれくらい派手な方が男性は好きなのかなぁ」

「そうね…」

「でも、エリーネは安心よね!」

「え?」

「だってノルト様が、派手な女に惹かれるわけないもん!」

「そう…なのかしら」

「真面目なノルト様と才女のエリーネ!お似合いの二人だよ」


お似合い、と言われて、エリーネは困ったように顔を顰めた。


「そう言ってくれるのは嬉しいけれど、なんだかピンと来ないわ。ノルト様が私をどうお思いなのかわからないし、それに、私も…」


そこまで言って、言葉を濁す。

気持ちがわからないのは、ノルトだけではない。

エリーネ自身も、ノルトをどう思っているのか、自分でもよくわかっていなかった。

彼にふさわしい婚約者であろうとはすれど、所詮は親の決めた婚約。

いつか彼に愛情を感じる日が来るのか―――そもそも、貴族の結婚にそんなことを考える方が間違っているのか。


「もう!自信がないのはエリーネの悪いところ!」


ふざけて怒ったように頬を膨らませるルチアに、エリーネはくすっと笑った。


「さ、教室行こう」


歩き出したルチアの背を追って、エリーネも歩き出す。

遠くの方で、ベルティーナが笑っている声が聞こえた。


あの美しさがあれば、私も自信が持てたのかしら…


彼女の堂々とした振る舞いが、少しだけ羨ましく感じた。




―――――




「下がっていいわ」

「失礼いたします」


侍女が部屋を出ていったのを確認し、ベルティーナはふぅと息をついた。

鏡に写る自身の姿を見て、確認するかのように頬を撫でる。


「ホントに綺麗な顔。モデルみたい」


彼女の意識がこの世界を認識したのは、二ヶ月前。

明確にこのタイミング、というのはわからない。

気付いた時、彼女はもうベルティーナであった。

だからこそ彼女は、これを夢だと確信していた。


「随分長い夢だけど、もう少し楽しませてほしいなぁ〜。起きたらまた課題とバイトだし。それにに、こっちはイケメンばっかりだしね」


ふふん、と楽しげに鼻を鳴らす。

彼女にとっての幸運は、ベルティーナが自分と同じ、自分自身が好きで、男が好きなことだった。

綺麗な女がモテるのは、どこの世界も同じ。

唯一異なっていたのは、ベルティーナの周りには軽薄な男しかいなかったこと。

それは彼女を、とても退屈にさせた。

相手を本気にさせて、搾り取れるだけ搾り取ったら捨てる、それこそが男女のおもしろいところだ。

特に、彼女持ちの男なんて最高だ。

少し刺激すれば簡単に落ちるし、安心し切ってぬるま湯に浸かってる女の顔を見るのもおもしろい。


「こっちの男はみーんな単純なんだよねぇ。すぐ言うこと聞いてくれるし。新しい相手でも探そうかなぁ」


うーん、と指を顎に当てて考える。

しばらくして、ベルティーナの頭に一人の男の姿が思い浮かんだ。


「…ノルト・ランヴァール。そうだ!あの人がいい!」


真面目で堅物、婚約者がいるけれど、それ以外の浮ついた噂は何もない。

生徒会にも入っていて、上流貴族との繋がりも多い。

何より、派手さこそないが、清廉な顔付きが美しい。

ターゲットにするには打ってつけの人物だった。


「あの婚約者、名前なんだっけ…あ、そうそう、エリーネ・フォスティア!」


特段目立つこともない、冴えない子爵令嬢。

おおよそ家の都合で婚約しただけで、ノルトが彼女を気に入ってなんてことはないだろう。


「真面目クンは壁さえ破っちゃえばこっちのもんだからね〜」


楽しそうに鼻歌を歌いながら、ドレッサーに並んだ香水から一つを手に取り、自身に振り掛ける。

甘いバラの香りがベルティーナを包み込んだ。


「明日からが楽しみだな〜、待っててね、ノルト様!」


ベルティーナは目を細め、少女に似つかわしくない妖しげな笑みを浮かべた。



―――――



図書室の本棚の陰に隠れ、べルティーナはある一点を見ていた。

その先には、時折眼鏡をかけ直し、何かを探すように整然と並べられた本の背表紙をなぞっているノルトの姿があった。


ノルトについての情報は集めれるだけ集めた。

人類学を専攻しており、学園の中でもトップを争うほどの成績を収めている。

その真面目さから責任感も強く、教師生徒問わず、人からの頼まれごとは拒まない性格であり、当然他者からの信頼も厚い。

こういう類の男は、自分の弱みを見せまいと、強がってピンと糸を張っているものだ。

特にこの世界の男なら尚更、貴族社会のしがらみを当たり前と受け入れ、その向こう側にある自由から目を背ける。

きっと、恋という背徳的な魅惑の味を知らないのだろう。

その片鱗を少しでも感じることがあれば、堕ちていくことは容易い。


べルティーナは自然と浮かんでいた笑みを押さえつけ、ノルトのいる方へと歩みを進める。

ノルトの背後を抜け、彼がある本に手を伸ばそうとしたタイミングを見逃さず、振り返るようにして自身の手をその本へと伸ばした。


「あっ…申し訳ございません」

「いや、こちらこそすまない」


ノルトの目が完全にこちらに向いたのを確認し、べルティーナはわざとらしく驚いたように目を見開き、すぐに柔らかな笑みを浮かべた。


「…お初にお目にかかります。エスペランサ子爵家の娘、べルティーナ・エスペランサと申します」

「エスペランサ家の…私はノルト・ランヴァールだ」

「ええ、もちろん存じております。とても誠実な御方だと」


べルティーナがくすっと笑って首を傾けると、ノルトは不意を突かれたように口をきゅっと結んだ。

このように女性から真っ直ぐに褒められることもないのだろうと想像すると、べルティーナは彼が愛らしい少年のように思えた。


「…それで、べルティーナ嬢はこの本を探していたのか?」


ノルトが先程の本を手に取り、それをべルティーナに渡す。

それを受け取り、べルティーナは大事そうに胸に抱えた。


「ありがとうございます。その…人類学に興味がありまして」

「そうなのか?」


ノルトの声色が僅かに和らいだのを、べルティーナは聞き逃さなかった。


「来年は人類学を専攻しようかと…確かノルト様も専攻されておりましたよね」

「ああ」

「でしたらぜひ、お勧めの本を教えていただけませんか?」

「それくらいのことなら…例えばこの著者のものは―――」

「あっ!そうだわ、私先生のところへ行かないと」


ノルトの声を遮り、べルティーナはさも今思い出したかのように声を上げた。


「申し訳ございません、ノルト様。明日、お昼休みにまた図書室へ伺いますわ」


失礼します、と軽く頭を下げ、ノルトが止める間もなくべルティーナは彼に背を向け小走りでその場を後にする。

ノルトは止めようと上げた腕を仕方なく下ろし、困ったように溜息をついた。


約束なんて、強引な方がいい。

真面目な彼なら、この約束を無下にはできず、絶対に明日ここへ来るだろう。


ノルトに渡された本を乱暴に鞄に詰め込み、べルティーナは図書室を出て行った。




―――――



翌日、べルティーナの思惑通り、ノルトは図書室に姿を現した。


「ノルト様、昨日は申し訳ございませんでした」

「いや、問題ない。それで、私が提案したい書籍だが―――」


あらかじめ集めておいたのだろう本を、一冊ずつ説明しながらべルティーナに渡していく。

それらを興味深そうに頷きながらべルティーナは受け取っていく。

時折、ノルトの瞳を見つめることも忘れずに。


「…と、入門ならこんなものだろう」

「ご丁寧に、ありがとうございます」


最後に渡された本を、昨日と同じようにべルティーナはぎゅっと胸に抱えた。

その仕草に違和感を覚え、ノルトが怪訝そうな表情で彼女を伺い見る。


「あ、えっと…わたくし、あまり良い噂がないでしょう?だから、このように接していただくことはあまりなくて…」

「…貴女は、ただ勉学に励もうとしているだけだろう?」

「えぇ、でも、わたくしが殿方に話しかけると、どうもそうは捉えていただけないようです」


ノルトは眉間に皺を寄せ、口を噤む。

彼もべルティーナの噂がどのようなものかは知っているだろう。

けれど、真実はそうではないとしたら?

べルティーナが誤解されているだけの、可哀想な女生徒だとしたら?


「…わたくしと共にいると、ノルト様にもご迷惑をおかけしてしまうかもしれません。この本、大切に読ませていただきますね」


眉尻を下げ、悲しそうに微笑むと、べルティーナはノルトに一礼して背を向ける。

歩き出そうとした、その時。


「待ちなさい、べルティーナ嬢」




―――勝った。




ノルトに呼び止められ、べルティーナは振り返る。


「何かわからないことがあれば、いつでも私を頼りなさい。少しは力になれると思う」

「ノルト様…ありがとうございます」


べルティーナは安心したような、今にも泣きだしそうな表情を浮かべ、ノルトに礼を言った。

相変わらずノルトの表情は固かったが、その声色は優しかった。


これで彼は、私を放っておけなくなる。

焦っちゃだめ、べルティーナ。

じわじわと攻め込んでいけば、彼自身も気付かないうちに、頭の中は私で一杯になる。


女を知らない真面目クンは、不用心に美しい花に歩み寄る。

そこが底なし沼の上とも知らずに、ね?




―――――




講義終わり、エリーネはルチアと挨拶を交わし、教室を出た。

美しい学園の中庭を横断する渡り廊下を歩いていく。

規則正しく植えられた花々と、噴水の音が心地良く響くこの中庭は、生徒の憩いの場だった。

談笑の場であり、情報交換の場であり、はたまた男女の親交を深める場でもあり。

そんな場所で楽しそうな声と共に行き交う生徒たちの中、ひと際高い笑い声がエリーネの耳に入った。


…べルティーナ様の声だわ。


何と無しにその方向に顔を向けると、離れた場所ではあるが、確かに中庭のベンチに座る彼女が目に入った。

その横に座る、ノルトの姿も。


「…ノルト、様?」


ノルトを見上げ、目を細めて微笑むべルティーナに、表情こそ変わらないが、何かを話しているノルト。

精悍な顔つきのノルトと華やかなべルティーナの姿は、正に貴族の気品を醸し出していた。


なんで、ノルト様がべルティーナ様と一緒にいるの…?


ばくばくと、心臓が高鳴る。

今まで感じたことのない不安が、エリーネを襲う。


偶然会って、話しているだけかもしれない。

―――でもそれなら、隣に座ってまで話すかしら?


生徒会の仕事で、話しかけただけかもしれない。

―――でもそれなら、べルティーナ様があんな顔で微笑むかしら?


エリーネの頭の中で、自問自答の言葉がぐるぐると渦巻いていく。

まるで時が止まったかのように、二人から目が離せなかった。


こんなことを、考えたこともあった。

彼程魅力的な男性なら、自分以外の女性を側に置くこともあるかもしれない、と。

それでも良かった。

例え彼に心から愛する女性ができたとしても、きっと妻となった私を貶めるようなことはしないはずだから。

そう思っていた、はずなのに。


呼吸さえも止まるかと思われたその時間の中で、べルティーナの美しいアメジストの瞳がゆっくりとエリーネを捉える。

彼女の左手に覆われた唇が弧を描き、優越感に満ちた表情で、クスリと笑った。


エリーネはその場から逃げ出すように、鞄を抱えて走り出した。


べルティーナの目は、確かにエリーネを見ていた。

その上で、笑ったのだ。

あれは、偶然でもなければ、強制でもない。

二人は、互いの意思でそこにいたのだ。


何かが込み上げてくるように、目頭がぐっと熱くなる。


あぁ、なんて惨めなんだろう―――




―――――




あれから二週間、エリーネの穏やかな日常は一変した。

ノルトとべルティーナが共にいるのを見かけるのは、あれが最後ではなかった。

そもそもノルトは学園の中でも交流が広く、男女問わず誰かといる場面を見ることは少なくなかった。

それについてとやかく思うこともなかったのに、べルティーナだけは違った。


「きっと、彼女の美しさに嫉妬しているのだわ…」


鏡に映る自分の姿を見て、エリーネはそう呟く。

まだ幼さの抜けない顔立ちに、女性になり切れていない身体。


「少しでもべルティーナ様のようになれたなら、ノルト様は私のことを見てくださるかしら…」


コンコン、とノックの音が部屋に響く。


「お嬢様、そろそろお支度を」

「…ええ、そうね」


今夜はランヴァール家御用達のレストランに招待されていた。

久しぶりのノルトとの時間。


「…アンナ、赤いドレスがあったわよね」

「ええ、ございますが…」

「今日はあれにするわ」

「派手過ぎると嫌がっていたではありませんか」

「…今日はそういう気分なのよ。似合うようにお化粧もかえてくれる?」

「承知いたしました」


社交界デビューし、パーティーに呼ばれ出した頃、両親が新調してくれた赤いドレス。

ドレスに着られてるみたいだと、一度袖を通しただけでクローゼットの奥に仕舞い込んでいた。


「…似合う、かしら」

「とても良くお似合いですよ」


完成された姿は、いつもの自分ではなかった。

全身鏡の前で両手を組み、不安そうにするエリーネの背を、アンナがぐっと押す。


「アンナ?」

「お嬢様、背筋をピンと伸ばしてください。…ほら、いつもの可愛らしいお嬢様ではなく、美しい大人の女性になるでしょう」


そう言われて、エリーネはもう一度自分の姿を真っ直ぐに見る。

胸元に光る宝石も、赤く染められた唇も、背伸びしようとした自分を後押ししてくれているような気がした。


「ありがとう、アンナ。行ってくるわ」

「いってらっしゃいませ、お嬢様」




―――――




エリーネが屋敷を出ると、ランヴァール家の馬車が彼女を出迎えた。

その傍らに立ち、従者と話していたノルトは、エリーネに気付いて佇まいを整える。

白いシャツに紺色のベストを合わせ、黒いコートを身に纏ったノルトは、いつもよりも大人びて見えた。


彼が、私を見ている。


すぐそこにいるはずなのに、ノルトの元へ向かう一歩一歩の足取りが、緊張で震える。


変だと、思われてないかしら。

食事を共にするのに、恥ずかしいと思われてないかしら。

―――少しでも、綺麗だと思ってくれていたら。


ノルトの前に立ったエリーネは、スカートを摘まんで持ち上げ、片足を下げて身を屈めた。


「本日はお誘いいただきありがとうございます」

「…ああ、こちらこそ」


ノルトの顔を見ながら、ゆっくりと上体を起こす。

きっと彼は、「良く似合っている」と言ってくれるだろう。

それはもはや貴族の男性における挨拶の一つであり、この状況で誉め言葉の一つもないのは失礼になる。

そのような社交辞令であっても、エリーネにとっては十分だった。

ノルトの口から言ってもらえるだけで、安心できた。


「エリーネ嬢、あぁ、いや…その―――」


スムーズに発せられるかと思われたその言葉はいつまでも紡がれることは無く、ノルトは何かをもごもごと言い淀む。

眉間に皺を寄せ、ふっとエリーネから目を逸らすと、ノルトは左手を差し出した。


「…行こう」


呟くように言われた言葉に、エリーネは従うしかなかった。


「…はい」


ノルトの左手をとり、馬車に乗り込む。

彼は、何も言ってはくれなかった。

その事実だけが、エリーネの胸を締め付けた。




―――――




翌朝、カーテンの隙間から差し込む明かりでエリーネは目を覚ました。

昨夜のことは、正直あまり覚えていなかった。

つつがなく食事をし、屋敷まで送ってもらったのだと思う。


支度を済ませ、鞄の中を確認する。

身なりを確認するために鏡を見ると、そこに映る自分がどことなくやつれて見えた。

エリーネはドレッサーの引き出しを開け、赤い口紅を手に取る。

昨日アンナがしてくれたように優しく唇にのせると、少しだけ顔が明るくなったような気がした。




「エリーネ!?どうしたの!そのお化粧!」


昼下がり、人気のあまりない園庭で偶然会ったルチアが大きな声をあげた。

エリーネを見るや否や、その肩を両手でぐっと掴んで、まじまじと顔を覗き込む。


「へ、変かしら…」


ルチアは勢い良く首を横に振り、目を輝かせてエリーネの手を握る。


「とっても可愛い!」


何の迷いもなくそう言ったルチアに、エリーネは安心したように表情を緩めた。


「いつもと違う雰囲気だったから驚いただけ!」

「似合ってるのか、自信なくて…」

「何言ってるの、すごく可愛いよ!」

「本当?」

「私が嘘言ってるように見える?」


ルチアの目を見れば、本心からそう言ってくれていることはわかった。

沈んでいたエリーネの心に、暖かい風が吹き込む。


「ありがとう、ルチア」


ただ礼を言っただけのつもりだったが、その声色から感じる僅かなエリーネの心の揺らぎを、ルチアは聞き逃さなかった。


「…何かあった?」


エリーネの胸がドキッと音を立てる。

心配そうに眉を寄せるルチアを前に、エリーネは唇を噛みしめた。

こんな浅はかな嫉妬心を話して、ルチアに呆れられたりしないだろうか。

そんな不安が頭をよぎる。

そのエリーネの心境を見通しているかのように、ルチアは優しく微笑んだ。


「どんなことでも、私はエリーネが相談してくれたら嬉しいよ」

「…聞いてくれる?」

「もちろん!」


ぼつぼつと、これまでのことをエリーネはルチアに話した。

ノルトとべルティーナが一緒にいるのを何度か目にしていること。

べルティーナを真似て、化粧をしてみたこと。

着飾った自分を前にして、ノルトが何も言ってくれなかったこと。

不安ともどかしさで、どうしたら良いのかわからなくなっていること。


エリーネが全て話し終えた後、黙って話を聞いていたルチアがおもむろに口を開いた。


「…エリーネは、ノルト様に恋してるんだね」

「…恋?」

「好きな人に見てもらいたい、自分だけのものであってほしい、そう思うのは当然じゃない?」

「好きな、人…」


ルチアにそう言われ、エリーネはもやもやとしていた感情にすとんと何かがはまった気がした。

ランヴァール伯爵家の子息であるノルトに相応しい婚約者にならなければと思っていたが、それがいつしか、ノルト個人に向けた感情へと変わっていた。


私はとっくに、ノルト様を好きになっていたのだわ―――


「私…どうしたらいいのかしら」

「エリーネはそのままでもとても素敵な女性だよ。もしノルト様がエリーネを差し置いて他の人に惹かれてるとしたら、見る目がない残念な男だなってだけ!」

「残念だなんて…ノルト様は冷静に判断できる方だわ!」

「それなら何も心配することないじゃない。そんな方なら、とっくにエリーネの魅力に気付いてるはずだよ」


ルチアにはっきりとそう言われ、エリーネは何も言えずに押し黙る。

本当にそうなのだろうか。

それならば、なぜこんなにも、彼との距離を感じてしまうのだろうか。


「とにかく!エリーネはちゃんと自分の気持ちをノルト様に伝えるべきだよ。…ってほら、噂をすれば」


ルチアの視線を追って、エリーネは振り返る。


「ノルト様…」

「ちゃんと言うんだよ!がんばってね」


エリーネをぎゅっと抱きしめた後、ルチアは「邪魔者は退散」とおどけたように言って、校内へと立ち去った。

一人残されたエリーネは、自身を落ち着かせるように深く呼吸をした後、覚悟を決めてノルトの方へと足を向けた。


「ノルト様」


エリーネが声をかけると、ノルトは足を止めてエリーネに目を向ける。


「昨日は素敵なお食事をありがとうございました」

「…こちらこそ、充実した時間だった」

「今日は生徒会のお仕事ですか?」

「ああ、エリーネ嬢はもう帰るところか?」

「ええ、先程まで友人と話しておりまして。これから帰宅するところです」

「そうか…」


会話が途切れて、ノルトは何かを考えるように顎に手を当てる。


「エリーネ嬢は、明日何か用事があるだろうか」

「学園はお休みですし、特にはございませんが…」

「それでは、明日また…その…貴女が良ければなのだが―――」

「ノルト様っ!」


ノルトの言葉を遮って、彼を呼ぶ大きな声が辺りに響いた。


「ベルティーナ嬢か」

「ふふ、ノルト様をお見掛けして、つい追いかけてきてしまいました」


駆け寄ってきたベルティーナが、2人の間に割り込むようにして体をノルトに近付ける。

その勢いに、エリーネは思わず一歩退いた。

ベルテーナを纏う甘い香りが、エリーネの鼻をくすぐる。


「生徒会室まで行かれるのですか?でしたら、途中までご一緒させてください」

「…いや、今はエリーネ嬢と少し話をしていた」

「え?あぁ、エリーネ様。ごきげんよう」

「…ごきげんよう、ベルティーナ様」


まるでたった今エリーネの存在に気付いたかのような物言いに、遣り切れない感情が沸き上がる。


「ご紹介いただいた本、とても勉強になりましたわ」

「それは良かった」

「特にこの部分なんですけれど…」


べルティーナは持っていた本を開き、中身を指差しながらノルトに肩を寄せる。

手が触れ合うほどの距離で並ぶ二人を前に、エリーネは込み上げてくるものを耐えるために、ぐっと手に力を籠める。


「よく励んでいるようだな」

「光栄ですわ。それで、次の試験に向けて、またご教授頂けたらと思うのですが」

「それは…」


ベルティーナの誘いに、ノルトは困ったように言葉を濁す。

その様子を見て、ベルティーナは「あっ」と声をあげ、あからさまに申し訳なさそうな表情をエリーネに向けた。


「申し訳ございません。婚約者であるエリーネ様の前でするお話ではありませんでしたね」

「私は、その…」


二人で会うのは嫌だと、はっきり言えなかった。

ノルトの行動を制限することなんて、していいわけがない。

とはいえ、明確に許しの言葉を口にすることは、エリーネの心が許さなかった。

そんなエリーネの心境を知ってか知らぬか、べルティーナはくすっと笑う。


「そういえば、エリーネ様ってそのようなお化粧もなさるんですね」


思いがけない言葉に、エリーネは驚いて顔を上げる。


「でも…フフッ…控えた方がいいと思いますよ。まるで、子どもが母親の真似事をしているみたいですもの」


カァッと、エリーネの顔が赤くなる。

思わず手の甲で口元を拭うと、赤い口紅が頬に広がった。

あらあらと、ベルティーナは意地の悪い笑みを浮かべて笑う。


―――恥ずかしい。


激しい羞恥心に苛まれる。

不相応だとわかっていたのに、少しでも彼の目を引けるならと、夢を見てしまった。

この人に奪われたくないと、思ってしまった。


笑うべルティーナと今にも泣きだしそうなエリーネを見て、その異質な空気感を打ち破るように、ノルトが口を開いた。


「…べルティーナ嬢、私は女性の化粧には詳しくないが、エリーネ嬢に何か問題があっただろうか」


その声は、微かに怒りを含んでいるように感じられた。

ベルティーナはびくっと肩を震わせた後、慌てて笑顔を作る。


「問題ではありませんわ。えぇと…そう!助言です!」

「助言とは、相手のことを思ってするものだ。今の言い方には明確な悪意を感じたが」

「あ、悪意などありません!だってほら、ノルト様も思いませんか?こういう化粧は、色気のある女性にこそ似合うのです!」

「…彼女には似合わない、と?」

「そうですわ!だって、こんな冴えない顔、美しくない―――」


「エリーネは美しい」


ノルトのその一言で、辺りが静まり返る。

信じられないとばかりに目を丸くするべルティーナを、ノルトの鋭い眼光が睨みつける。


「これ以上私の大切な婚約者を侮辱するようなら、私も容赦はしない」


徐々にべルティーナの表情が歪み、悔しそうに声を漏らす。

ノルトとの距離を二、三歩取った後、持っていた本を床に投げつけた。


「はぁ!?なにそれ、王子様気取り!?うざいんだけど!」


豹変したべルティーナの様子に思わずエリーネが身構えると、それを庇うようにしてノルトが前に立った。


「あんただってどうせ私に下心あったくせに!」

「そんなものは最初からない」

「勉強なんて口実で、私に会いたかったんでしょ!」

「生徒のサポートをするは、生徒会員の義務だ」

「じゃあ、私には何の興味もなかったわけ!?」

「私が興味あるのは、エリーネだけだ」


何の躊躇いもなくそう言ったノルトに、ベルティーナは何も返せずに俯いて唇を嚙み締める。

二人にも聞こえるように舌打ちをした後、ノルトをキッと睨みつけた。


「あんたなんか顔がいいだけのつまんない男のくせに!二度と話しかけないで!」


そう怒鳴った後、べルティーナは二人に背を向け、大きな足音を鳴らしながら去っていった。

やがて彼女の姿が見えなくなると、はぁ、とノルトが小さく溜め息をつく。


「彼女が改心すれば少しは学園の風紀も良くなると思ったが…そううまくは行かないな」


呆れたように呟いた後、エリーネの方へ振り返る。

ポケットからハンカチを出して、困惑したままのエリーネの頬を優しく拭った。


「の、ノルト様のハンカチが汚れてしまいます…」

「気にしなくていい」


エリーネの右手を包むように持ち上げ、その甲についた口紅も拭き取る。

ノルトの触れる手が熱を帯び、エリーネは恥ずかしさから思わず顔を逸らした。


「…貴女を傷つけてしまい、申し訳なかった」

「ノルト様が謝ることではありません!その…かばってくださって、嬉しかったです」


ノルトの言ったことが例えその場しのぎの言葉だったとしても、彼が守ってくれたということがエリーネの心を満たしてくれた。


「…実は、ノルト様がべルティーナ様と一緒にいるのを、何度かお見かけしておりました」

「そうだったのか」

「それで、その…嫉妬、していたのです」

「嫉妬を?貴女が?」


コクンと、エリーネが小さく頷く。


「べルティーナ様のように美しくなれば、ノルト様が私を見てくれるのではないかと思ってしまったのです」


気落ちした様子でそう言ったエリーネを見て、ノルトは何かに気付いたように「あぁ」と声を漏らした。


「もしや、それで昨晩はあのようなドレスを…?」

「…恥ずかしながら、その通りです」


ノルトは申し訳なさそうに眉を寄せ、エリーネの手をそっと離した。


「すまない、着飾った貴女を見て、私は何も言えなかった。その―――貴女が、あまりにも綺麗だったから」

「…え?」


思いがけず、素っ頓狂な声がエリーネから漏れる。

顔を赤くしたノルトは、それを隠すかのように片手で自身の口元を覆い、ふいと横を向いた。


「わ、私、そのように思っていただけていたなんて、まったく…」

「何も言わなかった私が悪いのだ」

「…でも、少し安心いたしました。ランヴァール伯爵様に選んでいただいたんですもの。少しでもノルト様に相応しい女性にならなければ」

「いや、それは…」


何かを言いかけて口を噤んだノルトに、エリーネが不思議そうに首を傾げる。

ノルトは気まずそうに顔を顰めた後、観念したのか、深く呼吸をして口を開いた。


「エリーネ嬢を選んだのは、私だ」

「えっ?」

「私が、貴女と婚約したいと父に申し出たのだ」


驚きで固まっているエリーネを、ノルトがじっと見つめる。

吸い込まれそうな群青色の瞳に映る自分を見てエリーネははっと我に返り、絞り出すようにノルトに問いかける。


「どうして、私を?」

「エリーネ嬢が入学したての頃、隣国からの留学生がいただろう。語学が堪能な貴女はその案内役に選ばれて、偶然その姿を目にした。流暢な発語はもちろんだが、何より貴女の温かな対応に彼らの緊張もすぐに和らいでいって…そうだな、その時私はすでに貴女に惹かれていたのだと思う」


確かに、そんなこともあった。

けれど、それは一年以上も前の話だ。


「何度か貴女に話しかけようとはしたのだが、なかなか出来ずにいた。そうこうしている間に、貴女が誰かと婚約してしまうかと思うと気持ちが焦り―――父に頼んだのだ」

「そう、だったのですね。そんなこと、お父様は何も…」

「フォスティア子爵にも黙っていてもらった」


ノルトは再びエリーネの手を取り、ぎゅっと力を込める。


「…不安だった。エリーネ嬢が拒否できないことを知りながら、私の気持ちを押し付けるような婚約を結んでしまった。もしこれを貴女が知ったら、失望されるかもしれないと思うと…。情けないだろう、私は自分かわいさに、貴女と向き合うことから逃げていた」


そう言うノルトはすっかり気落ちした様子で、いつもの毅然とした彼からは想像もできない表情をしていた。

まるで夢でも見ているかのような展開に、エリーネは言いたいことも聞きたいことも、たくさんあった。

しかしそれ以上に、目の前にいるノルトがどうしようもない程、愛しく思えた。


「…不安に思うことは、何もありません」


落ち着いた声でエリーネはそう言い、自身の手を掴むノルトの手に、もう片方の手をそっと重ねる。


「私も、ノルト様のことを心からお慕いしておりますから」


その言葉を聞き、ノルトははっと驚きで顔を上げた後、安心したようにくしゃっとした笑顔を見せた。


―――あぁ、ノルト様はこんな顔で笑うのね。


愛おしさを伝えるかのように、エリーネもノルトに柔らかな微笑みを返した。




―――――




「あぁもう!イライラする!」


怒りを隠すことなく、べルティーナは人通りの多い廊下を歩いていく。

彼女はべルティーナになる前から、自分は男を惹き付ける女だという自信があった。

そのプライドを、下に見ていた男に折られるとは。


「なんで私があんなこと言われなきゃならないの!…って、あれ?」


前方に見知った人物を見つけ、べルティーナはニヤリと笑みを浮かべると、その者の腕に飛びついた。


「久しぶりじゃない!」


ノルトに出会う前に自分に言い寄って来た男だ。

何度かデートしたが、軽い感じが気に食わなくて、会うのを避けていた。


「ねぇ、またデートしましょうよ!今なら貴方の誘いにものってあげるわよ?」


するりと男の手に自身の手を重ね、指を絡ませようとする。


「―――やめろ!」


男は勢いよくべルティーナの腕を振り払う。

その目には軽蔑の色が浮かんでいた。


「…何よ。それが女性にする態度なの!?」

「お前と一緒にしないでくれ!」

「は?どういうこと?」

「お前、婚約者がいる男に手を出しただろ」


ノルトのことだ、とべルティーナはすぐに分かった。

先程のことが思い出され、更にイライラが募っていく。


「だから何」

「そんなことしたら、家名に傷をつけることくらい、お前だってわかるだろ!」

「知らないわよ、そんなの!盗られるほうが悪いんじゃない!!」


男は呆れたように溜息をつく。


「お前からしたら俺みたいな男は考えなしに遊んでるように見えるかもしれないが、俺だって貴族だ。守るべきルールがある。お前はそれを破った。…この学園には、もうお前を相手にする男はいないよ」


そう言って、男はべルティーナに背を向けた。

べルティーナは体の力が抜けたように、その場に座り込む。

二人の言い争いは廊下中に響き渡っており、何事かと人が集まり始めていた。


「…もういい。もう飽きた、こんな夢!大学の方がマシ!!早く覚めてよ!!」


べルティーナにとって、もはや人目などどうでも良かった。

どうせ夢なら、何が起ころうともう関係ない。

だが、彼女を取り巻く世界は、一向に変わらなかった。


「なんで覚めないの!!私がこんな目に合うはずない!全部夢なんでしょ!!」


気が触れたように喚き叫ぶべルティーナに、周りの学生も混乱の目を向ける。

離れた場所からその騒ぎに気付いたエリーネは、思わず足を止めた。


「気にすることはない。これで彼女も反省すればいいのだが」


隣にいたノルトにそう言われ、エリーネは小さく頷く。


「それより…」


ノルトは少しだけ身をかがめ、エリーネの顔を覗き込む。


「明日、予定がないと言っていたな」

「ええ」

「では、明日また二人で会えないだろうか。…今度は、ちゃんと言葉にするから」


耳まで真っ赤に染めたノルトが、エリーネに左手を差し出す。

その姿が可愛らしくて、エリーネは思わずくすっと笑いを零した。


「もちろんです!たくさんお洒落していきますね」


エリーネがその手を取ると、ノルトは嬉しそうに微笑む。

触れ合った指先から、二人はお互いの温もりを確かに感じていた。




お読みいただきありがとうございます。

誤字脱字のご指摘、大変助かります。

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― 新着の感想 ―
残念だが現実なんだよお嬢さん。
夢の中だと思って好き放題しちゃったツケはでかいな。
楽しめましたが、ノルト様が伯爵家だったり公爵家だったりするのが残念でした。
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