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父の後ろ姿  作者: 叶一二三
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プロローグ

今日父が死んだ。

病院から電話を受け取るものも取らずそのまま駆けつけたが間に合わなかった。

病室に入ると無機質な機械音が父の死を知らせる。

「これはなんの音ですか?」

部屋へ案内してくれた看護師が無機質な声で「心拍数の音です」と答える。

明らかに平坦な高いか音だけを立てる機械音が俺を現実に引き戻した。

もう一度最後にと思っていた希望も全て無くなってしまった。

「これって、死んでいると言うことですよね」

何とか声を出して問うと看護師は「心肺停止の状態です」とだけ答える。

「心肺停止って、これって死んでいるんじゃないんですか?」

更に問いかけると

「死亡の診断は医師でないと出来ないんです」

その医師は何処にいるんだ。

父は昨日まで確かに生きていて、今日面会の予約を入れていたのに。

「こんな状態で医者は何処にいるんだよ」

俺の言葉に看護師は「お忙しいので」とだけ言う。

朝の早い時間。

苦しんでいた父を誰も看取れなかった事に強い怒りと後悔が俺に押し寄せた。

何が地元の病院だ。

もっと大きな街の大きな病院だったらこんな事にはならなかったのに。

色々な後悔だけが自分に押し寄せて怒りだけが心に残った。

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