隠し玉を持っているのは俺だけではなかった。
「何自分だけが特殊だと思い込んでいるのよ?」
女子生徒は、平然と青い光線を出し続けている。
見ろよ、しっかり彼女を見るんだ。見れば彼女の次の攻撃が分かるはずである。彼は自分自身を奮い立たせた。
しかし、目の前で起こっている事があまりにも非現実的すぎるので智樹は冷静になれなかった。顔をじっくり見ないと予測できないなんてなんて不便なんだろう。祖母はそんなことしなくても使いこなせていたというのに。
「冷凍攻撃のカードを隠しもってたのかよ。やばいなあ。」
全く焦った様子を見せていない準は、智樹にこう言った。
「おい、ああいう攻撃はパターン化されている事がおおいんだよ。じっくり観察しろよ。」
確かに言われて見れば三発ビームが発射されたかと思ったら、少し次の攻撃まで約2秒ほどの時間があった。
「早く「カード」を渡せ!」
彼女は怒りに満ちた状態で興奮している。
とりあえず彼女の攻撃を止めなければ意味がない。側にある椅子を盾にして攻撃のダメージを抑える。様々な生徒の机に乗り上がり彼女の上空に智樹は馬乗りになった。昔から体育の成績だけは良かった。
「攻撃をやめてくれ!」
しかし、彼女は智樹の顔に冷凍攻撃を浴びせてきた。息ができない。視界が滲む。頸動脈付近も攻撃を受け、智樹はいよいよ死を覚悟した。その時、
パンパンパンパン
何故か教室に発泡音が響いた。