表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クライセン艦隊とルディラン艦隊 第1巻  作者: 妄子《もうす》
6.リーラン王国

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

85/143

その10

 女王ラ・ライレとのやり取りをした事を思い出したリ・リラは、エリオの向こう臑を蹴飛ばしてやりたい衝動に駆られていた。


「リ・リラ王太女殿下、ご入来」

 不穏な(?)空気の中、不意にローア伯爵が2人の入場を宣言した。


 ぎぃぃぃ……。


 伯の宣言後、エリオとリ・リラの目の前の扉が開かれた。


 エリオはリ・リラをエスコートして、謁見の間へと入っていった。


 王族を一堂に会しての、女王に対しての朝見の儀の始まりだった。


 リーラン王国の純粋な王族は、現在、女王ラ・ライレ、王太女リ・リラの2人だけだった。


 この世界では、家の後継者は男女問わずに、第1子が基本である。


 ラ・ライレの第1子だったのが、亡くなった先の王太子だったル・シャン。


 そして、その第1子であるリ・リラが王位継承順位1位となる。


 また、純粋な王族以外に、王位継承権を持つ者がいた。


 その人数が5人。


 つまり、広域の意味では王族は7人となる。


 この義は、広域の意味の王族内で、リ・リラが立太子の礼を終えた事を宣言し、祝意を貰うものであった。


 朝見の儀の参加者は、女王ラ・ライレと王太女リ・リラがまず主役である。


 王位継承順位2位のラ・ラミ。


 彼女はラ・ライレの第2子であり、ヘーネス公マルスの妻であり、ヤルスの母親である。


 王位継承順位3位のラ・ミミ。


 彼女はラ・ライレの第3子であり、ロジオール公フルスの妻であり、クルスの母親である。


 王位継承順位4位はカカ候ヤルス、王位継承順位5位はミモクラ候クルスである。


 そして、クライセン公エリオは王位継承順位6位として、参加していた。


 エリオは先王の曾孫に当たるので、ギリギリ末席に連なっている感じである。


 王位継承権の順位は、不測の事態に備えて、こうしてきちんと定めておく必要があった。


 また、それらの王族以外に、ローア伯は儀式の仕切り役として、部下の官僚と共に参加していた。


 中央には女王ラ・ライレが鎮座しており、一つ下の段の左右に、ラ・ラミとラ・ミミが向かえ合わせで立っていた。


 そして、それぞれの傍らにそれぞれの息子がいた。


 エリオとリ・リラは5人の前まで行くと、エリオがリ・リラの右斜め後ろに退いた。


 ぎぃぃぃ……、バタン。


 全員が位置に着いた時に、謁見の間の扉が閉じられた。


「立太子の礼を滞りなく終え、リ・リラが王太女である事を、ここに宣明します」

 ラ・ライレは改めてそう宣言した。


「本日、皆様、お集まり頂き、誠にありがとうございます」

 リ・リラはそう言うと、頭を下げた。


 と同時に、ラ・ライレ以外の5人が一斉にさっと頭を垂れた。


 そして、リ・リラが頭を上げて、姿勢を今一度正すと、5人も頭を上げて、姿勢を正した。


「王太女としての責務を忠実に果たし、リーラン王国の益々の発展に寄与したいと存じます」

 リ・リラはいつもの凜とした口調でそう宣言した。


 エリオはそれを斜め後ろから見ていて、いつもながら感心していた。


 先程までの不穏な(?)空気は微塵も感じられなかった。


「リーラン王国王太女リ・リラ殿下、万歳!」

 ローア伯が万歳三唱の音頭を取った。


「万歳!」

 先程の5人がそれに続いた。


 儀式は次へと続くのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ