その28
- 艦隊配置 -
Hr
SC
×
As×RH
OR EC
Hi
As:アスウェル艦隊、SC:サリオ艦隊(旗艦)、Hr:ホルディム艦隊
EC:エリオ艦隊
OR:オーマ艦隊、Hi:ハイゼル艦隊(旗艦)、RH:ルドリフ艦隊
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「後方、ルディラン艦隊接近!」
ラルグがそう報告してきた。
「さて、おいでなさったか……」
アスウェル男爵はそう言った。
敵の援軍が来る事は想定内ではあるが、落ち着き払いすぎである。
「閣下……」
ヴェルスが落ち着き払いすぎている指揮官を見て逆に不安になった。
「エリオ様の指示通り、艦隊を回り込ませたが、思惑通りの位置に攻撃を仕掛けてくるだろうか?」
男爵は不安というより、興味の方が強いといった印象だった。
それに自分が敵だったら、そうするという確信もあった。
そうした事を予想してのエリオの指示という事も分かっていた。
そう考えると、何だか震えが来る感覚があった。
「閣下……」
ヴェルスは益々不安になっていった。
「何、ここまで恐ろしいほど、エリオ様の読み通りだ。
今回も上手くいくさ」
男爵は楽しみで仕方がないと言った感じになっていた。
「もし、そうでなかったら?」
参謀というものはどちらかと言うと、悲観的な考えの持ち主の方が多いという証左だった。
「その時は一気に海戦域を離脱する事としよう」
男爵はヴェルスにそう答えたが、作戦成功の考えは変わらないようだった。




