表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クライセン艦隊とルディラン艦隊 第1巻  作者: 妄子《もうす》
1.第3次アラリオン海海戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/143

その26

「しかし、みんな、何処まで戦いたがりなんだろうか?」

 戦闘海域を離脱し終わり、エリオはいきなりそう言った。


「い?」

 マイルスターはエリオがまた変なことを言い出したと思い、固まった。


「だって、ルディラン艦隊がルドリフ艦隊の救出に向かった事ってことはそういう事だろ?」

 固まったままのマイルスターにエリオはそう続けた。


 その言葉を聞いて、マイルスターは上官が何を言っているのか、ようやく分かった。


 まあ、解説すると、救出に向かった事により、戦闘の激化を意味するという事なのだろう。


 それをエリオなりの表現で「戦いたがり」と言ったのだろう。


 とは言え、それに対して、マイルスターはどうリアクションしていいのか分からなかった。


「……」

 マイルスターは相変わらず固まっていた。


 固まっている理由は他にもあった。


 あれだけの激戦を指揮している中、ルディラン艦隊が動いた報告はちょっとした合間に入っていた。


 それを聞き流さずに、敵艦隊の意図を正確に読み取った上で、次の作戦に転じていた。


 もう、呆れる他なかった。


 あ、これは空気が読めないのに、事務的にただただ報告を続けるシャルスの働きも大きい。


 空気読めない癖に、上官の性格がよく分かっているので、上がってきた報告をきちんと時系列的に報告していた。


 エリオは聞いていないようで、ちゃんと聞いているのをよく知っていた。


「だって、そうだろ?

 こんな戦略的に得にもならない戦いを拡大していくのだから」

 エリオはダメを押すかのように、マイルスターに同意を求めてきた。


 こういったやり取りにもう慣れたと言いたいマイルスターだったが、こうしてフリーズしてしまう事は度々あった。


 これからも多くの場面である事が予想された。


(この御方はどういう頭の構造をしているのだ?)

 マイルスターは口には出さなかったが、ようやくそういう言葉が頭に浮かんだ。


 そう、ここで、それに対して同意を求めるか?という事である。


 ……。


 エリオとマイルスターがお互い黙ってしまったので、妙な沈黙が流れてしまった。


「閣下、進路、このままでよろしいのでしょうか?」

 シャルスがそう聞いてきた。


 2人に助け船を出してきた。


「ああ、進路はそのままでいい」

 エリオは今やるべき事に集中する事にした。


 今は戦闘を行っていないものの、前方にルディラン艦隊、後方にハイゼル艦隊と、危険に満ちた状況だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ