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クライセン艦隊とルディラン艦隊 第1巻  作者: 妄子《もうす》
1.第3次アラリオン海海戦

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その25

「敵の攻撃が右翼に集中!

 このままでは右翼が突き崩されます!」


「ぐっ……」

 報告を受けたハイゼル侯は絶句した。


 敵を焦らしながら戦っていたつもりが、焦らされたのは自分達だった事を思い知らされたからだ。


「全艦、一時後退!

 陣形の再編を図る。

 敵の攻撃を受け流しながら後退するのだ」

 ハイゼル侯は老練な提督らしい命令を下した。


 ここで、意地になって抵抗して見せても損害がバカにならないと察したのだろう。


 実際、エリオ艦隊は陣形の薄い所を的確に打撃していた。


 そして、1艦1艦ずつ分断を図っているようだった。


 それに対して、ハイゼル艦隊は指揮官の意図を察して、秩序だって後退を始めた。


 劣勢なのに、指揮系統がしっかりしていた。


 流石に、老練と言った所だ。


 だが、ここぞとばかりに、エリオ艦隊は、嵩に掛かるように一気に攻勢を強めた。


 ハイゼル艦隊はエリオ艦隊の攻勢を何とか受け流そうとしながら、更に後退した。


 そして、一気に陣形を崩されそうになりながら、耐えていられるのは流石と言った所か。


 だが、確実に押し込まれていった。


 とは言え、数の差から言って、いずれは限界点を超える筈。


 そう思いながら耐えて耐え抜いて、後退を続けていた。


 だが、攻勢が最大になった瞬間、エリオ艦隊は砲撃を続けながら一気に戦闘海域を離脱していった。


 あまりの手際の良さに、ハイゼル艦隊は呆然と見送る他なかった。


 それは、完全に陣形を崩され、すぐに追撃できない体たらくのせいでもあった。


 寧ろ、攻勢を続けてくれた方が、数の有利さで、時間が稼げるハイゼル艦隊には都合が良かった。


 そうしている間に、陣形を立て直せるからだ。


「何て、ヤツだ……」

 ハイゼル侯は、思わずそう口走った。


 と同時に、もの凄い焦りを感じ出していた。


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