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とある騎士団の奮闘(団長視点)

かなり間が空いてしまい申し訳ありませんでした。しかも短めとなってます。

 オリジナルってムズイなぁ。

 いったいこの森の生態系はどうなってるんだ!?

 盗賊共に姫の乗った馬車が襲われ、我々が駆けつけた頃には朽ち果てた馬車しか残っておらず、襲ったであろう盗賊たちを仕留めた迄は良かったのだが、其処にはフィオナ姫の姿はなかった。

 その時は盗賊どもの慰み者になってない事に安堵こそしたが、では姫はどこへ行ったのか?

 既に姫の消息が途絶えてから間も無く半年が経とうとしている。

 その間、国王は姫の身を案じるあまり病に伏せてしまい、今や王国の存亡の危機にまで到っている。

 一刻も早く見つけ出してお救いせねば。


 残る手掛かりがあるとすれば恐ろしい魔物や獣が跋扈する森の中くらいしかない。

 姫の他にもお付きの侍女たちの姿もなかったことから姫単独ではなく彼女らが付き添っての行動なのだと推測できるが、だとしても丸腰の乙女三人でこの森の中を歩くなど正気の沙汰ではない。

 

 緊張状態の続く帝国の監視を逃れるためとは言え、少数の護衛に簡素な馬車に偽装したのは迂闊だった。

 せめて、あの場に私がいればーーー

 考えたところで時は戻らない。今は一刻も早く姫様を見つけ出さねば。


「団長!」


 付近を捜索していた団員の一人が声を上げる。何事かと駆け寄ってみれば、その団員が持っていたのは豪華な装飾の施された首飾りだった。

 

「これは、亡き王妃様の形見の首飾り! これがここにあると言う事はーーー」


 考えたくなかった最悪の答えが私の脳裏に過ぎった。

 その後も行く先々で姫の物と思わしき装飾品が見つかり、時にはドレスの切れ端と思われる布切れが見つかった。

 そうして、我々が辿り着いたのは不気味な洞窟の入り口だった。


「この中に姫様がーーー」


「団長! すぐにお救い致しましょう!!」


 団員達に言われるまでもない。私は腰に挿した剣を抜き放ち、団員達に告げた。


「騎士達よ、これより我らは卑しき魔の者達からフィオナ姫を救い出す! 行手を遮る魔物は一刀の如く斬り伏せろ! 前進!!」


 気合を新たに、私と付き従う騎士団は洞窟の中へと入った。

 その中は正に魔物の巣窟と呼べる場所だった。


「なんで洞窟の中にキラータイガーがいるんだ!?」


「こっちにはコボルトまでいるぞ! どうなってるんだ!?」


 本来なら洞窟の中にはいないであろう魔物達が洞窟内で我々を待ち構えており、訪れた我々に牙を剥いてきた。

 しかも、奴等は一切光のない闇の中であるにも関わらずまるで見えているかのように襲いかかってくる。

 暗所に優れたゴブリンならまだしもコボルトや先のキラータイガーなど暗所ではまともに見えない筈なのに一体何故?


 疑念を感じつつも襲い来る魔物たちを斬り伏せ、洞窟の最奥部へと辿り着くことができた我々の目の前には、先の魔物達など眼中にもならないようなおぞましい魔物が其処にはいた。


「な、なんだこいつは!?」


 その姿は一言で言うならば異質としか言い表せなかった。

 上半身にはゴブリンキング。しかし下半身にはキラータイガー、更にその尻尾にはデスサーペントの毒針が生えていて、更にゴブリンキングの両腕もデスサーペントのハサミに成り代わっていた。

 他にも様々な魔物の部位があちこちに貼り付けられたかのような悍ましい醜悪な魔物が我々の目の前に立っていた。


「ば、化け物・・・」


 団員の一人がそう呟く。正にその通りだ。

 今まで様々な魔物を倒してきたが、こんな不気味な魔物など見た事がない。

 一体どのような経緯でもって生まれてきたのだろうか?

 だが、ここで怯むわけにはいかない。

 きっとこの先にフィオナ姫がいる筈なのだから。

 

「怯むな! どんな姿だろうと魔物である事に変わりはない! 我らの全存在を賭けてこの醜悪な魔物を打ち滅ぼすのだ!」


 団員達に、そして私自身に鼓舞するかのように腹の底から叫び、そして剣を振り上げた。

次回からまたスライム視点に戻ります。

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