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こっそり見ていた

 人間達が巣の中に入ったのを確認して、俺は奴らの背後からバレない程度の距離を維持しつつ尾行をした。

 中にいる他のゴブリン達は大慌てで迎撃の支度に取り掛かってる事だろう。ご苦労な事だ。


「中は暗いな。松明を持って来てて良かった」


 そう言って人間が燃え盛る棒みたいなのを手に持って辺りを照らした。

 なるほど、人間だと暗い中では目が見えないから明かりが必要なのか。

 俺みたいなスライムや暗所での生活に慣れたゴブリンとかなら全く問題なく見えるので不便さはない。

 人間の女に寄生した方はどうなのかと言うと、そちらも網膜の方を弄ったので問題ないそうだ。

 流石スライム。超万能!!


 俺が一人盛り上がってる前で人間達が巣の中のゴブリン達と戦闘を開始し始めた。

 先の森の中とは違い今度は奴らのテリトリーの為か少し苦戦してるるみたいだ。

 ううむ、ただのゴブリン風情にこう苦戦されるのは少し想定外だったな。

 俺の予想としてはゴブリン程度ならサクサク倒してくれると思っていたのだが。

 この分だと亜種や上位種相手にしたら全滅するんじゃないのか?


 俺の予想は的中したみたいで、巣の奥から上位種でもあるボブゴブリンが出て来た時点で人間達は慌てふためき出した。


「くそ!ボブゴブリンがいやがる!」


「上位種なんて無理だって!」


「い、今すぐ引き返そう!」


 完全に逃げ腰になってる。

 こりゃ駄目かもしれんな。

 しかし、折角ボブゴブリン達がやる気になってる事だし此処は奴等の力量を測るためにも人間達には人柱になって貰うとしよう。

 人間の肉体が手に入らないのは少し勿体無いが奴らの実力を知る為なら仕方ない出費と思う他にいだろう。


【ゴワァァーーーー!!!】


 突然ボブゴブリンが吠えた。一瞬ライオンかクマかと思えた。

 なんて重低音な叫びを放ちやがるんだ。

 ゴブリンに寄生してる俺がそうなんだから目の前で聞かされた人間達は溜まったもんじゃなかった。

 三人とも先の咆哮で相当脳内を揺らされたのか足元がふるついているし、手に力が入らないのか持っていた武器や松明を落としてしまっていた。

 うん、あれはしょうがない。あんなのを真近で聞かされたらそうなる。

 気絶しなかっただけマシって奴だな。

 それでも足腰に力が入らないのかまともに逃げる事も出来ずフラフラするばかり。

 そんな人間達をボブゴブリンは容赦なく持っていた棍棒で叩き潰してしまった。

 三人とも綺麗に頭を潰されてしまっていた。

 なんてもったいない事をしやがるんだ。

 頭を潰されたら寄生出来ないじゃないか。

 愚痴りたくなったが今奴に挑んでも返り討ちに遭うのが目に見えていた。

 やはりゴブリンだけだと限界だな。

 早急に他のモンスターに寄生しないと。

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