東京の独りぼっち
東京に独り立っていた。
会いたいと思える人がいた。
会おうと思える人がいた。
会えたらいいのにと思える人がいた。
会いたい人、会おうと思う人、会えたらいい人。
それぞれどんなに願っても会えなかった。
世界は思うよりも単純ではなくて、会うということすらもままならない。
きっとこの街のどこかでは会いたい人に会えた人がいて、
同じように会いたい人に会えない人がいる。
独りぼっちに思える夜を同じように感じている人がたくさんいる。
独りぼっちがたくさんいる。
東京は独りぼっちの溜まり場。
こんなにたくさんの人がいるのに、こんなに孤独な街は東京くらいだ。
会いたい人はビルや人に飲み込まれていなくなってしまった。
独りぼっちたちを無機質なイルミネーションやビルのライトが照らしている。
優しく、でも冷たく照らしている。
会いたい人、会おうと思う人、会えたらいい人。
どんなに願っても会えない人たち。