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本部

 人の気配がして意識が覚醒し始める。

 誰だ?


「あら、目が覚めた?」

「おはようございます。ここは?」


 ベットに寝かされて点滴をされている。

 病院かな?


「アナタが言っていた本部の中よ。失礼だと思ったけどアナタの持ち物を確認させてもらったわ」

「構いません。今は時代が時代ですからね。外部の人間に対して警戒し過ぎるという事もないですよ」

「そう言ってもらっえて助かるわ。あ、バックはそこね」


 ベットの柱に下がっていた。

 中身は服とかしかないけどね。


「バックの中にあった手紙は本部の偉い人に渡せって言われたんですけど」

「渡したわ。ただ内容はあまりにも淡白だったらしいけどね」

「師匠らしいですね」


 毒のせいで身体が怠い。


「まだ動けないでしょう。もう少しゆっくりと……」

「いえ、問題ありません」


 師匠との修行中にはこの程度は日常だったからな~。


「そ、そう? 本当に? 無理してない?」

「え、えぇ。大丈夫です」


 起きて知ったが俺は服を着ていなかった。


「服はありますか?」

「動揺しないのね。起きて素っ裸だと大抵は驚くとかすると思うんだけど?」


 そうか。

 確かに普通の16歳ぐらいの少年だと恥じらいと言うモノがあるか。


「師匠の元にいましたから」


 なるべく明るく答えてみた。


「うぅぅ。大変だったのね」


 泣かれてしまった。

 笑い話的な感じで盛り上がると思ったんだが、やはり師匠は害悪か。


「あ、自己紹介がまだでしたね。僕は戸前 双葉と言います」

「双葉君ね。私は咲江よ」


 咲江さんか。

 白衣を着てるから医療関係者かな?


「起きて大丈夫って言うなら案内するわ。私たちの基地の事をね」

「よろしくお願いします」


 さて、そろそろ服を下さい。

 裸で歩き回る趣味はないので。


 言ったら俺の服が返ってきた。

 綺麗になっている。


 洗濯をしたレベルではなく新品その物だ。

 破けた箇所も綺麗になっている。


 誰かの能力か?

 便利な能力だな。


 こうして服を手着て基地の案内をしてもらった。


 何でもこの場所は昨日歩いていた場所の地下なのだとか。

 分からないわけだよ。


 そして師匠が所属していた場所の名前が分かった。

 組織名は《皆仲よくしよう組》だ。


 師匠がこの本部に来たくない理由と話さない理由が分かった気がした。


 この組織は人類の敵であるアンドロイドと《訪問者》と人類の皆で友和を模索する事を掲げている組織って事だ。


 つまりは世界的に見て悪の組織って事だな。


「この組織名は何とかならなかったんですかね」

「言いたい事は分かるけど皮肉が入っているのよ、この名前にはね」


 皮肉?

 あ、そういえばお腹減ったな~。


「子供には世間話よりもお昼が良いわよね」

「そうですね。行きましょう」


 しばらくまともな食事を食べてないからな。


 早く食堂に向かいましょう。


「おう! お前が一晩中、美咲をストーカーしたっていう少年か?」


 食堂に到着したと同時に一人の男の人に声をかけられた。


「何の事か記憶にありません。どなたかと間違っているのではないでしょうか。ではさようなら」

「間違ってねーよ。そそくさと食堂に行こうとするな」


 何だよ、まったく。

 こっちはお腹減ってるんだよ。


「あからさまに嫌そうな顔してんじゃねーよ」

「何か用ですか?」

「ん? 特に要はない。顔を見たかっただけだ。あの美咲が粘り負けするとは思わなかったからな。いや~お前さんに賭けてて良かった」


 ほ~う。

 どうやら昨日の夜に俺が追いました女性は美咲と言うのだろう。


 そしてこの人は俺に賭けていたと。


「見る目がありますね。御見それしました」

「偶々だって。俺は猛だ。お前は?」

「双葉です。よろしくお願いします」

「おう! 後で何か奢るぜ」


 そう言って去って行った。

 豪快っていうか熱血って感じだったな。


「咲江さん? どうかしましたか?」

「あ、いえ。気を付けて下さいね」


 顔を近づけて耳打ちしてきた咲江さん。


「あの人は男女両方ありな方です」

「承知いたしました」


 人の趣味は人それぞれだ。うん。


「それに師団長でもあります」

「師団長?」


 強いのかな?


「アナタの師匠と同等の能力や力があると言う事です」


 あの師匠クズと同等と言うと相当な性格破綻者なのか。


「師団長の皆さんはそれぞれ個性的ですが、アナタの師匠よりもおかしい人はいませんよ。……少ししか」


 最後の方が小声で聞こえなかったが、やっぱり師匠のクズさにはかなわないか。


 そんなこんなもあったがお昼は美味しかった。

 病み上がりと言う事もあり少し抑えたが咲江さんが驚いていた。


 若者の食欲を甘く見てはいけない。


 一通りの簡単な説明を受けて俺の生活部屋がもらえると言われた。


「ここです」


 地下3層の生活フロアの一角にある一室で中はベットと机とクローゼットがあるだけだった。


「もっと広い部屋に移りたい時は本部への貢献度で査定されますが可能です。本部では仕事を斡旋していますので明日にでも紹介しましょう」

「ありがとうございます」


 ぶっちゃけここでも全然問題ない。


「机の上に資料が置いてありますので目を通しておいてください」

「分かりました」


 行ってしまった。

 部屋に俺一人か。


「師匠には行けと言われただけで何の指示も受けてないんだよな」


 あ、そうか。

 自由になったって事は自分で考えて行動しないといけないのか。


 俺の目的。

 師匠の元に弟子になった理由。


「双花……」


 いつかお前を……。


「やっほ~。遊びに来たよ……って何で泣いてるの!?」


 いきなり部屋に入って来たのは昨日の夜に追い回した女性だった。


 ダメだな、俺は。

 双花の事を考えると泣いてしまうって分かっているのに。


「お、お姉さんが慰めてあげるよ? だ、抱きしめていい子いい子してあげるよ。デュフフ、布団の中で良い事もしてゴファ!?」

「あ、咲江さん」

「すいません。変質者の脱走を許してしまいました」


 変質者って。

 それにしても後頭部に石のブロックをぶつけるとは下手をしたら即死だぞ。


「目が覚めたら『元気が出ました。ありがとうございます』と伝言を頼んでも良いですか?」

「ふふ。直接言ってあげて下さい」

「そうですね」


 そう言って咲江さんは石のブロックを僕の部屋に放置して彼女を引きずって行ってしまった。

 愉快な場所だな。ここは。


「待ってろよ。双花」


 そう言って机の上に置いてある資料に目を通し始めるのだった。

登場人物。

戸前とまえ 双葉ふたば

 主人公。

呂玖島ろくとう 石谷いしや

 双葉の師匠

咲江さきえ

 白衣

美咲みさき

 デュフフ

たける

 両刀


キャラがカオス。

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