すてっぷあっぷ
翌朝。
いつものようにミーレスを連れて朝の散歩に出る。
買い物はフェリシダがやってくれているから、こっちは気楽に歩き回るだけだ。
本格的な夏が目の前ということもあって、二人とも半袖だ。
服は包丁と同じく、こうして歩き回っているあいだにちょこちょこ買っている。
最初、奴隷にそんな気遣いはいらないとか言っていたミーレスも、最近は何も言わずに買わせてくれるようになった。
「あの男は奴隷に服を買ってやれないような甲斐性なしだ。と、周囲の人間に言わせたいのか?」と聞いてからは、むしろ積極的に妹分たちに服を選ぶようになっている。
なので、ミーレスは家族全員の服のサイズを知っている。
「あとで、メティスの服のサイズも確認しておきますね」
大人っぽい服を扱っているらしい店の前で、ミーレスがつぶやいた。
まだ開店してはいないが、看板代わりのショーウィンドはあるので、のぞくと服を何着か見ることができる。
「そうだな。でも、メティスは家ごと買ったからな。自分の服もあるはずだよ」
実際、以前にはクレアに服を一着あげている。
「そうでしょうか?」
なぜか、ミーレスは懐疑的だ。
「え、なんで?」
「家を買った時、家具がなかったのを覚えていらっしゃいますか?」
もちろん、覚えている。
覚えているというか、いまだって足りていない。
メティスが売り払ってしまっていたからだ。
だから、少しづつ買い揃えている。
「そんな状況で新しい服なんて買うでしょうか?」
あ・・・。
買うわけねー!
買うとしたら、商売に必要な神官服ぐらいのものだ。
なるほど。
クレアに渡した服が、唯一の私服だったなんてこともあり得る。
「気が付かなかった」
我ながら気が回らん男だ。
「早いうちに、確認しておいてくれ。何着か買ってやらないといけなさそうだ」
私服がないというのは困ることもあるかもしれない。
私服姿のメティスも見てみたいし。
「わかりました」
真面目な顔で答えるミーレス。
「ありがとな」
オレは礼を言った。
奴隷でありながら、必要なことはちゃんと指摘してくれる。
ミーレスがいてくれて、本当にありがたい。
「あ・・・いえ。筆頭奴隷ですから、当然です」
照れ臭そうに笑うミーレスが、本当に愛おしい。
朝食はフェリシダとメティスが作ってくれたので、その間にオレたちは照魔鏡に残っていた魔力を、二つ目の『魔力蓄蔵器』に注ぎ込んだ。
青い液状に見える魔力が、わずかな隙間が残る程度まで溜まる。
間違いない。
一日迷宮に入れば、難なく二つを満タンにできる。
あとは、この満タンの『魔力蓄蔵器』でどの程度移動できるか、だ。
「今日は移動も、リリムとフェリシダの二人だけでやってもらう。『魔力蓄蔵・供給器』を一つ持って『移動のタペストリー』を使ってみてくれ」
蒼天のカップ片手に、指示を出した。
「はいっ! お任せください!」
右手を高々と上げてリリムが応える。
フェリシダは小さく頭を下げただけだ。
まともに返事をすることが、メイドの分を越えているとでもいうつもりだろうか。
まだ、この環境に慣れていないのかもしれない。
もう少し、様子を見よう。
「よし。じゃあ、さっそく行こうか」
空になった蒼天のカップを、ミーレスのほうに押し出して、立ち上がった。
『魔力蓄蔵・供給器』を使っての移動は何も難しいものではない。
ただ、手に持って移動すればいいだけだ。
二人での場合は、一人目が持って『移動のタペストリー』に入り、二人目が出るまで片足なり片手なりを移動元に残しておくことにさえ気をつければいい。
事前にその注意点を説明。
リリムが『魔力蓄蔵・供給器』を。
フェリシダがカーゴトランクを持って移動する。
タペストリーからリリムの左足が出ている状態で、フェリシダがカーゴトランクを手に入っていく。
リリムの左足がタペストリーの向うに消えるのを見届けて、オレもオレ自身の能力で転移した。
昨日と同じように、金を払って綿花の固まりを受け取る。
二人がコレニ―と取引を終えて、カーゴトランクに商品を詰め込み始めるのを横目に、オレはコレニ―に近付いた。
「どんな具合だ? 組織づくりのほうは?」
聞くと、コレニ―は意味深な笑みを浮かべた。
「その件に関しては、金で雇った専門家が代理で働いてくれたから、問題ないよ」
専門家?
代理?
「商人ギルト職員マティ・オレィユっていう人を雇ったんだ。商人ギルドには商売人向けに人材派遣をする業務があるから、活用したのさ」
にやり、と笑いやがる。
「報告書は昨日の時点で上がったわけだな」
「うん。・・・ちゃんと商人ギルドに派遣費用を支払った。どこからも文句は出ないよ」
ちゃんとした業務を果たしただけだし、商人ギルドに利益が上がる形にしてもいる。確かに、背任を疑いたくなる関係性とタイミングだが、文句は言い難いだろうな。
「ついでに言えば、俺やこの地域の生産者で過去に商人ギルドに関わった人間はいない。これから商人ギルドに嫌われたとしても、失うものは何もなかったりする」
そう言って、クックックッ、などと笑ってみせる。
なんか、マティさんが少し伝染している感じがするぞ。
もちろん、入れ知恵したのがマティさんなのだろうから当然ではあるが・・・。
「おまえが窓口になって、しっかりとこの地域の生産者を押えとけよ。今後は、この地域の農産品はどんどんと売れていくことになる。うちを通せばな」
「俺が押えるってことでいいのかよ?」
探るような目で聞いてくる。
そんなうまい話を信じていいのか? って感じだ。
「逆だ。押さえておけるなら、お前が中心人物。押えておけないようなら、押さえておける別の奴が中心人物だ。最初に取引を始めたっていう幸運を生かせるかどうかを、これからは問われるぞ」
「・・・今までは運だったけど、これからは実力を試されるってことか・・・。わかった。気合入れて頑張るよ」
真顔で答えてくるのに頷いてみせる。
リリムとフェリシダがこちらに会釈して、倉庫内に入っていった。
「がんばれ」
一声かけて、オレもコレニ―と別れた。
次は、公爵のところだ。
リーズンが提示していた騎士の詰め所内に出る。
「おっと」
思わず声が出た。
一瞬転移先を間違えたかと思ったのだ。
目の前にカフェがあった。
丸テーブルをはさんで二人の女性が座っていて、丸テーブルの上にはケーキと飲み物があったのだ。
もちろん、転移先を間違えたりはしていない。
そこは確かに、セブテントの城にある騎士の詰め所で間違いなかった。
ただ、昨日来た時には何もなかった片隅に、今見たように丸テーブルと椅子が二客、ついでにお茶とお茶請けが用意されていたというだけだ。
丸テーブルと椅子はリーズンが用意したのだろうし、お茶とお茶請けは、フェリシダと向かい合っている女性が用意したものだろう。
「家はどう?」
好まし気な微笑みを見せながら、ラーホルンがフェリシダを見つめている。
あきらかに明るくなり、先日別れた時から比べると十は若返った様子のフェリシダを目の当たりにして、実に満足げだ。
「とっても良くしていただいていますわ」
フェリシダが得意げに答えを返している。
仲睦まじい姉妹にしか見えない光景だ。
まずいな。
ちょっと後悔した。
これでは、彼女たちの関係が知られてしまうかもしれない。
男爵夫人が実は生きているなどという都市伝説が生まれては困るのだが・・・。
余計な気遣いをするべきではなかったかもしれない。
「御心配には及びませんよ」
自分が意図して作り出した光景だというのに、後悔し始めたオレに、詰め所の騎士が声をかけてきた。
「!・・・」
思わず身構えかけて、気が付いた。
「なんだ、君たちか」
それは、ファイク男爵のところにいた騎士たちの一人だった。
よく見れば、そこにいるのは全員、あの時の警備の者たちだ。
そういえば、公爵に彼らを引き取ってくれるよう頼んでいたんだっけ。
「昨日付で、ここの監視員に任命されました」
あの時の警備隊長が、堅い口調で報告してくる。
なるほど。
フェリシダの秘密を知る者に、タペストリーの監視を任せたというわけだ。
さすがリーズン。
よく気がよく回る。
「それと・・・」
スッと、間合いを詰めてきた警備隊長が囁くように言葉を続ける。
「対外的には・・・と言いますか、他の騎士団員や城の関係者にはこの場所の奥に『亡きファイク男爵夫人の霊廟』を作ったということになっています。それで、ラーホルン夫人が毎朝ここに祈りを捧げに訪れる、と」
わお。
ラーホルンがここに来る理由付けまで完璧にフォローしていますか。
いや、お見事。
それならば、ここの監視と警護を男爵家ゆかりの騎士に任せる理由にもなるわけだ。
やってくれる。
「あの・・・ご主人様」
感心していると、手を引かれた。
見ると、リリムが困り顔で立っている。
手には、カーゴトランクを持って。
ああ。終わったのか。
綿花と鉄器の取引が終わったのだ。
「遠慮はいらない。終わったのなら、フェリシダにそういえばいい」
ずいぶん早いような気がしたが、脳内時計によると20分が過ぎていた。ティータイムとしては十分だ。
「はい」
素直にうなずいたものの、リリムはとってもゆっくりとした足取りで歩いていく。
そして、テーブルのそばまで行って、声をかけた。
フェリシダが慌てたように立ち上がり、ラーホルンと名残惜しそうに挨拶を交わすのが見える。
やがて、二人は『移動のタペストリー』で、『アルカノウム連合』の事務所へと移動していった。
「ありがとうっていうべきなのかしらね。楽しくやっているようだものね」
「そうつとめていますよ」
ラーホルンが静かな声で言ってくるのに、こちらも静かに答えた。
それ以上、語ることもない。
お互いに軽く会釈をし、オレもまた転移した。『移動のタペストリー』を使っているように見せて、だが。
転移したのは我が家だ。
移動部屋の玄関を挟んだ正反対。オレの作業部屋に出ると、すぐに玄関ホールに出て移動部屋の前に行く。
ドアを開けると、リリムたちもちょうど『移動のタペストリー』から出てきた。
『アルカノウム連合』の事務所を経由しての帰還だ。
「リリム」
声をかけて手を差し伸べる。
一瞬怪訝そうになったリリムだが、すぐに気が付いて『魔力蓄蔵・供給器』をオレの手に渡してくれた。
「まだまだ余裕があるな。成功だ」
青色の液体を確認して、ついつい顔がほころぶ。
中の魔力は5分の3ぐらいしか減っていなかったのだ。
これなら、距離にもよるだろうが、あと二、三か所増えても問題ないだろう。
「明日からは二人で頼むな」
リリムと、フェリシダに頷いて見せて、リリムからカーゴトランクを受け取ると、いつもの仕事に送り出す。
「はいです!」
「承知いたしました」
リリムが外に、フェリシダがダイニングに姿を消すと、入れ違いにミーレスたちが出てくる。オレは空間保管庫を開けて待っていた。
「シャラーラ、カーゴトランクの中身を出してしまってくれ」
帰ってきてから、夜とか昼でもいいが、逆に言えば今やってはいけない理由があるわけでもない。ついでだから終わらせてしまおう。
「わかったっす」
カーゴトランクを受け取ったシャラーラが保管庫の中に入っていく。保管庫の中でカーゴトランクを開けて、中にしまわれている荷物を出して所定の位置に積む。
レベルは今も上がり続けているので、大きさも保管庫の数も結構なものになっている。
食材用(野菜、肉、魚、果物、調味料ほか)、ドロップアイテム用(武器防具系、工作素材系、レアドロップアイテム系、作物の苗)、貨幣用とあるが、まだ使用目的が決まっていなくて空いてる保管庫もある。だから、交易品用を二つ三つ増やすのに問題はない。
空いている保管庫の扉を開けてやっている。
「とりあえずだからな。手前側の壁際に積んどいてくれればそれでいいぞ」
「了解っす」
声をかけると、シャラーラが応えた。
覗き込むと、保管庫の中央辺り、右側の壁のところに昨日の分が積まれていた。その手前側に今日の分が加えられていく。
広さが十分に空いているので、二段までしか積まず、ほとんどが平積みになっている。
充分だ。
「さ、迷宮だ」
シャラーラが出てきて、カーゴトランクを移動部屋の棚の一つに置くのを待って、声をかけると転移した。
クルール迷宮の17階層。
出てくるのはやはり、『ダビデ』や『ジョゼフ』、『アロンソ』に『ミシェル』だ。
落とすアイテムも変わらず、カプセル入りの『スノーホワイト300角』が三枚。
何なんだろう、これ?
訳が分からないが、アイテム集めではなく迷宮の攻略に舵を切っているいま、アイテムに掛ける意識の比重は軽い。
どんどん先に進んだ。
そのおかげで、二時間後にゲートキーパーを発見した。
ほぼ全裸で石の上に座っている女性。女性と言ってもたぶん身長は二メートルを超えるだろう。
タグでわかる名前は『アンヌ』だ。
オレ的には・・・。
「エティエンヌ・モーリス・ファルコネ作『座るビーナス』ですな」
うんうん、と頷いた。
この迷宮は、こういうところがわかりやすくていい。
オレたちを見つけたビーナスが、座っていた岩を持ち上げて襲い掛かってくる。が、そんなことは予想のうちとばかりに、すでに走り出していたシャラーラによって岩はいきなり粉砕された。
ならば、と腕を振り回そうとするが、低い体勢で駆け寄っていたミーレスに右膝の裏に一撃を与えられて崩れ落ちる。
何とか立ち上がろうと地面に手をついてバランスをとろうとしていたが、その胸元にアルターリアの魔法を受けてひっくり返った。
そうなってしまえば、もう何もできようはずがない。
ミーレスたちに囲まれて、かわいそうなぐらいの攻撃を受けた。
まるでトイレ内で行われる集団いじめの光景。
ちょっと吐き気を催してしまった。
これは攻撃、いじめじゃない!
自分に言い聞かせて平静を取り戻す。
気を落ち着けることができたところで、魔物は魔素と化して爆散した。
カロンが慌てて下りてきて魔素を食らう。
『レアドロップアイテム』として残ったのは、『タウワンジャモン300角×15』。暗緑色でごつごつした質感の重厚な大理石タイルだ。
もう、ドロップアイテムと見た目の違いぐらいしか変化が無くなっている感じがする。
迷宮に入り始めたばかりの頃、ミーレスに聞いた「階層が変わっても魔物の強さはあまり変わったりしない」と言っていた意味がよくわかる。
神様たちは元世界のゲームクリエイターたちほど、ゲームバランスとかは気にしないということだ。
プレイヤーのレベル上昇の速度を計算して、敵キャラの強さを変えるようなことはする気がないのだろう。
こちらはどんどん強くなるのに、敵はあまり変わらない。
そんなんでいいのか?! と、ツッコみたくなるが、45階層までは『恵み』ということを考えればこんなものなのかもしれない。
リティアさんの話しぶりからすると、この階層内でも危険な迷宮はいくらでもあるようだが、そこは神様の性格によるところが大きいのだろうと思う。
戦いの神とか、死を司る神とかもいるのだろうし。
しかも・・・。
ある予想が頭をよぎる。
46階層に出た途端に、レベル外の魔物が現れる可能性。
45階層まではLv20前後の魔物しか出さず、46階層になったとたんにLV60相当の魔物を出してくるかもしれない。
覚悟はしておくつもりだ。
だけど、今はまだ20階層に向かおうというところ。
「18階層もこの調子で突き進むぞ」
荷物持ちは、偉そうに宣言した。
昼休みを挟んで、18階層を踏破。
午後をいっぱいに使って、19階層と20階層も攻略した。
出てくる魔物は同じ、恐ろしいことに『ドロップアイテム』は『スノーホワイト300角』オンリーだった。
一体何なんだろう?
本気で訳が分からない。
ゲートキーパーはと言えば、18階層『デュバリー』。
岩に寄りそう、スレンダーな女性の彫像だ。
「エティエンヌ・モーリス・ファルコネ作『ビーナス』かな」
19階層は『シャルロット』。
身体に撒いた薄布をはだけつつ、どこかに足を入れようとしている女性の彫像。
たぶん、どこか、というのは浴場だろうと思う。なので・・・。
「ガブリエル・クリスト・ファルグレン作『入浴するビーナス』ってとこだろうな」
20階層、『カトリーヌ』。
浴場を去ろうとしているかのような姿なので・・・。
「ガブリエル・クリスト・ファルグレン作『湯上りのビーナス』。だな」
偶然なのか、意図があるのか。
オレの知っている彫像に似たものばかりが出てくる。
もちろん、偶然だろう。
彫刻のモチーフなのだ。
似たような文化を持っていれば、人気の出るモチーフというのは似通ってきて当然だ。
『レアドロップアイテム』も、『ベージュシェル×15』、『シベックホワイト×15』、『ロッソレボント×15』色や模様が既存のものと微妙に異なりつつも、大理石タイルに変わりはない。
一気に駆け上がれた。
当初、目標としていた20階層への到達が叶ったことになる。
「どうしようかな・・・」
悩んでしまった。
脳内時計によるとエレフセリア時間午後6時前。
ディナーの準備が佳境の時間だ。
いまから帰っても、時間を持て余すだろう。
リビングでくつろぐか、作業部屋で靴作りするという手もあるが・・・。
「迷宮攻略を進めることにしたんだよな」
ひとり呟く。
ミーレスたちが、そんなオレをじっと見ていた。
「迷宮を変えるぞ」
向かったのは、『デスモボロス』12階層だ。
この階層は以前来た時に探索を進めていたので、一時間と経たないうちにゲートキーパーに遭遇した。
それを見越したから、ここに来たわけだが。
『エンテラクノーズ』。『デスモボロス』ではお馴染みの斑点模様だ。
円状の紋があったり、トマトとかイチゴ、カブなんかがまじりあった植物体で、茎や実の斑点がくぼんでいる感じ。たぶん、炭疽病だろうと思うがはっきりはわからない。
元ネタが何であれ、出てくる魔物は倒すだけだ。
そして、いまのところうちのメンバーが苦戦することはない。
『クルール』迷宮で20階層まで危なげなく行けたのだから当然だ。
シャラーラの突貫、ミーレスのフォロー、アルターリアのトドメ。
あっけなく倒される。
『レアドロップアイテム』は『シャクナゲの苗』だ。
木の苗ってそんなに貴重なんだろうか?
つい疑問に感じてしまった。
せっかくのレアドロップが苗木ってなに?
『クルール』での『通常ドロップ』が『スノーホワイト300角』のみっていうのも困りものだが、木の苗っていうのもどうかと思うぞ。
「成長が早いと聞いたことがあります。通常の『ドロップアイテム』の苗木は自然の木と変わりませんが、『レアドロップアイテム』の苗木は、魔法がかかっているので通常の3倍から8倍で育つそうです」
アルターリアが教えてくれた。
ああ、それか。
納得した。
今のところあまり実感がないが、今後果樹なんかが手に入るときっと意味を持つのだ。
苗木から、果実を収穫できるまでは時間がかかる。
『桃栗三年柿八年』という言葉もあるし。
それを一年育てるだけで実が収穫できるというのなら、確かにレアかもしれない。
なんにしても、時刻は6時48分。
いいタイミングだ。
次の階層に進んだうえで、家に帰る。
次回更新は、間違いなく来週日曜、9時前後に行います。




