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異世界で家を買いました。  作者: 月下美人
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三人目


 翌朝の朝食のうまかったこと。

 食後のコーヒーを飲みながら、新たに増える家族について思いをはせた。

 果たしてどんな出会いが待っているのか。

 胸が高鳴る。

 「前に話したとおりこのあとアニークに行くが、二人はどうする。一緒に行くか?」

 「はい。ついていきます」

 「ええっ。いいんすか?」

 みんなに諮ると、シャラーラが逡巡した。

 「二人にとっても仲間になるわけだからな。意見も聞いてみたい」

 「大丈夫ですよ、シャラーラ」

 「そういえば、オラんときにもミーレス姉さんがいたっすね。なら、オラもご一緒させてほしいっす」

 二人をつれ、三人でアニークの冒険者ギルドへ飛ぶ。

 とりあえず買い物がメインなので、靴のほうはオレ手製のサンダルだ。

 オレに至っては防具すらつけていない。

 奴隷商の商館がある場所へと向かった。場所はメルカトルから聞いている。

 行ってみると、周りを塀で囲まれた一角があった。

 敷地の中には立派な建物がそびえ立っている。門も豪華だ。

 儲かっているらしい。

 「ここだろうか」

 「そのようですね」

 塀は中から外に出さないようにするためか周囲への無言の威圧か。

 門は開かれているので、足を踏み入れる。

 すぐに男が出てきた。

 「紹介を受けて来た。店の者と話がしたい」

 「承りました。こちらにお越しください」

 紹介状を渡すと、男が建物の中に案内する。

 入り口横の部屋にオレたちを通し、男は立ち去った。部屋の内装なんかはメルカトルのところと大差はない。

 少し金のメッキが目に痛い程度だ。

 「ようこそおいてくださいました。私が当商会の主でございます」

 しばらく待っていると、違う男が入ってくる。

 奴隷商人Lv6だ。

 禿頭なのに髭は多くて長い。

 「よろしく頼む」

 「それでは、こちらにお越し願いますか」

 奴隷商人の案内で奥の部屋に通された。

 ソファーに腰かけると、ハーブティーが三つ用意される。

 ミーレスとシャラーラも、お客扱いだ。

 「悪いな。いただくとしよう」

 ハーブティーには口をつける振りだけをした。

 人身売買している場所だと思うと、どうもイメージ的に信頼がおけない。奴隷を購入しているオレがいうことではないかもしれないが。

 ミーレスとシャラーラは普通に飲んでいる。

 毒見役のつもりもあるかもしれない。

 たとえ毒が盛られていても、オレが治癒魔法を使えるのを知っているから自分たちが体調を崩す分には問題ないとか考えていそうだ。

 ミーレスなら。

 シャラーラにそんな考えはないだろうが。

 あー、そうか。

 気になるならお茶に解毒魔法かければいいだけじゃん。

 もしくは飲みながら自分にでもいい。

 「メルカトルからの紹介状を拝見いたしました。うちには良い品がそろっております。絶対に欲しくなる品があると自負いたしております」

 かなり自信があるらしい。

 しかし・・・。「品」か。

 「そう聞いている」

 「さようでしたか」

 ホクホク顔で、商人がミーレスとシャラーラに目を向けた。

 奴隷かどうか品定めをしている。

 タグを開かずとも分かった。

 オレの好みを調査している気がする。

 奴隷であれ何であれ、連れ歩いている女性は好みの女性と判断できる。好みがわかれば売る際の交渉に役立つ。そう考えている。

 なかなか抜け目がない。

 「迷宮で戦える女性がいたら紹介してほしい」

 「冒険者向けの戦闘奴隷ということですか。他にご条件は」

 他の条件・・・なにかあったかと考えて、思い当たる。

 言っていいだろうか?

 ふと不安になるが、心配することはないだろう。

 「処女で」

 経験のある女性を扱える自信がいまだにない。

 もちろん、経験済みの娘の中にもオレの好みの子はいるだろうが、それは処女の中にいいのがいないときでいい。

 「私共の商館では冒険者向けの戦闘奴隷や有力者様向けの見目麗しい家内奴隷が販売品の大半になります。きっとお気に召す者がいることでしょう」

 「そう願いたい」

 もちろん見目麗しい奴隷をお願いしたい。

 「それでは、これから彼女たちの住む部屋へ行って軽くお目通し願いますか。気に入った者がいれば、呼び出して面談していただきたいと思います」

 「わかった」

 この仕組みは同じだな。

 とりあえず見てもらって気になったものをあとで、落ち着いて鑑賞させる。

 元世界での、絵画や宝石の売り方とまったく一緒だ。

 奴隷商人について三階に上がる。

 ミーレスとシャラーラも一緒だ。

 部屋に入ると、奴隷商人が奴隷を並ばさせる。

 数は十人くらいか。

 あんまり多くない。

 処女に限定したからな。

 やる気のなさそうな者、興味ありげにこちらを見てくる者、いろいろだ。

 それでも数が少ないのですぐに終わってしまう。

 一番よさそうなのは秋田犬みたいなイヌミミの獣人だ。

 耳はかわいいが、目がどす黒く死んでいた。

 なにがあったか知らないが、精神的に病んでいる気配がある。

 オレが買って助けるというのもありだが、同情で買っていては切りがない。心の隅においておくにとどめた。

 部屋を突っ切っていく。

 さっきの女性が一番かと思っていると、次の部屋に案内された。

 さすがに十人は少ないわな。

 大部屋に詰め込むのではなく、分けているらしい。

 その部屋を回っても、特にこれといった女性はいなかった。

 ミーレスとシャラーラと同じレベルを期待するのは無理があったかもしれない。ある程度妥協せざるをえないだろう。

 部屋数は結構あったのだが。

 「まだあるのか」

 「次の部屋は戦闘奴隷としても使えますが、そうではないことでも十分使える品をおいて御座います。その分、いささか値が張りますが」

 「値段はあまり気にしてない」

 そういう分類もありか。

 戦闘ができるので戦闘奴隷とはしているが・・・あれ?

 もしかすると、メルカトルのところではそういう分類をしていなかったのではないだろうか。つまり、ミーレスとシャラーラもこの商館で売られていたなら、そういう分類だったのかもしれない。

 だとすれば、次の部屋はかなり期待できそうだ。

 ドキドキしながら部屋に入る。

 中にいたのは一人だけだ。

 今まで目にしてきた女性全ての中でもひときわ綺麗な、その子に目が吸い寄せられる。

長くて紫っぽい銀色の髪。

 紫水晶の目。

 シルク生地のような白くてなめらかそうな肌。

 奴隷ということで古着を着せられているのに、『お姫さま』の雰囲気がにじみ出ている。

しかも・・・。

 「エルフだ・・・」

 耳が尖っていた。

【アルターリア。奴隷(エルフ族)。女。16歳。魔導士(+精霊使い)Lv1】

 おお。

 魔導士です!

 ・・・+精霊使いって。

 もしかして魔法を使える上に精霊も使える?

 すごい!

 絶対ほしい!

 いやいや、ちょっと待て、落ち着け。

 さっきから見ていただろう、あの強欲な奴隷商人に「何としても欲しい」と思っていると知られたら、どんだけ吹っ掛けられるか。

 「こちらは、エルフの魔導士でございます。さる高貴な家に生まれました」

 高貴な家か、どうりで「お姫さま」なわけだ。

 アメジストをはめ込んだような瞳がオレに向けられてくる。儚げな瞳の中に、強い意志が感じられた。

 見つめられただけで心を見透かされそうな、知的な輝き。

 奴隷となっても、気高さを捨てていない。

 それだけで、素晴らしい女性であることがわかる。

 「その分高いんでしょうね?」

 欲しいっと思ったことは隠しようがないので、「そうはいっても、値段が」という顔をして見せた。

 とにかく今ついている値に上乗せされることは避けなければならない。

 「これだけの逸材でございますので・・・それなりに」

 それなりに、じゃねぇよ!

 値段を言えっつうの!

 心の中で罵倒しつつ、穏やかな笑みで待つ。

 「120万ダラダ、でございます」

 シャラーラの三倍だ。

 魔導士でエルフだからな。

 そのぐらいするのは当然か。

 だが・・・。

 「少し高すぎないですか?」

 買えるだけの金はあるが、値引き交渉に入る。

 こういう場合は安く買ったと思わせるため、最初は割高に言っていたりするものだ。もう少し安くなるかもしれない。

 「安すぎるくらいだと自負しております」

 奴隷商人が踏ん張る。

 「そうか、まぁいい。ともかく一度面談もしたいし、こちらも検討する時間が必要だ」

 ミーレスとシャラーラを示して、二人の意見も聞いて決めると伝える。

 「もちろん、そうでございましょうとも」

 わかっておりますとも、そういう顔で大げさに相槌を打つのが非常に胡散臭い。

 人間を売り買いしているような人間だからという偏見もあるからか、どうにも信用ならない気がする。

 「先ほどの部屋にお戻りいただいたうえで、ご検討いただければと存じます。面談したい奴隷はおりましたでしょうか?」

 「そうだな・・・」

 少し考えて、最初の部屋の目が死んでいる犬耳と、途中で割とかわいいと思った人族、そして当然、このエルフを指名した。

 「承知いたしました。では、つれてまいりますのでしばしお待ちを」

 奴隷商人の部下の案内で、商談部屋に戻った。

 新しく淹れなおされたお茶が運ばれてくる。

 今度は口を付け、飲んだ。

 エルフの美しさに、少し当てられてしまったようだ。喉がカラカラに乾いている。

 「お待たせいたしました」

 主が戻ってきて面談が始まった。

 オレがソファーに座り、ミーレスとシャラーラがオレの左右後方に立つ。

 面談相手はオレの正面、二メートル先の簡素な椅子に座ってこちらの質問に答える。

 まんま、なにかの面接だ。

 そんな形で始まったのだが、この面談は明らかに無駄だった。

 犬耳は聞かれたことには答えるが、「はい」「いいえ」に終始したし、人族はあからさまにオレの年齢を馬鹿にしていた。

 エルフがまともな受け答えをしてくれるといいが。

 「迷宮に入ることに問題はないか?」

 入ってきて椅子に座ったところで、ともかくそれを聞いた。

 「はい。できる限りのことはいたします」

 「そうか」

 見た目が「お姫さま」なので、つい心配になったのだが。

 「あまり迷宮で戦った経験はございません。ですが、魔導士としての練習は積んできたつもりです。すぐには無理でも、お役に立てるよう努力いたします」

 前のめりに売り込んできた。

 オレの年齢とか気にしていない。

 というより、目に入っていない?

 相手が誰であっても買ってほしい、そんな感じがする。

 「それに、『商品奴隷』として手ほどきも受けました。そちらも経験はありませんが、ご奉仕できます。ご奉仕させていただけます」

 シルク生地の頬をほんのりと染めて、言ってくる。

 しかし、なんで自分からアピールしてくるんだろう?

 奴隷商人に命じられているのだろうか。

 つい不審に思ってしまう。

 「そろそろよろしいでしょうか」

 オレの微妙な反応を読んだのか、奴隷商人が促した。

 疑念が表情に出てしまっただろうか。

 「ああ」

 「それでは」

 オレがうなずくと、奴隷商人がアルターリアを退席させる。

 続いて奴隷商人も部屋を出て行った。

 「なんで積極的なんだろう?」

 ミーレスとシャラーラだけになったので、つぶやくように疑問を口にする。

 オレがもし奴隷になったら、と考えると、自分のことを自分で売り込もうとは思わないだろう。それなのに何故アピールしてきたのか。

 「人を見るんすよ」

 シャラーラが肩をすくめながら答えをくれた。

 「人を、見る?」

 「そうっす。奴隷として売られていると、毎日のようにいろんな人間が買いに来るんす。冒険者、貴族、商人、娼館の経営者なんかもいるっす。冒険者や商人は殺気立って、盾代わりや荷物運びにするついでに夜の慰み者にできる奴隷はいないかと。貴族はともかく愛玩用にと。目を血走らせて、オラたちを見るんす」

 う。

 そうか、こっちがいやらしい目で見ていれば、見られる側にも当然伝わるのか。

 オレはどうだったろうか?

 「売られてるオラたちの方は、『それでもいい、金持ちに気に入られたい』派と、『そういう奴に使われるのはまっぴらだ。まともな人間の下で働きたい』派の二派に大きく分かれるっす。前者の典型がさっきの二人目、後者の典型が今のってことっす」

 実際に奴隷商の商館で売られていた者だからこそ、言える率直な意見。

 すごく貴重だ。

 聞くに値する。

 「私は、侯爵家に売られることが決まっていましたので。他の客というものと対面したことがありません」

 つい、視線を向けるとミーレスはそう言って首を振った。

 ミーレスは奴隷商の商館で躾はされたが、遠縁の侯爵家に買い取られること前提で売り場には出ていなかった、と。

 それにしても。

 「オレは『まともな人間』なのか?」

 いやらしい目で見てなかったかと不安になる。

 「もちろんすよ。まずオラたちを見下してねぇっす。対等の『人』として見てくれてるっす。だから迷宮に入ると言われても、恐怖を感じなくてすむんす。ご奉仕させてもらえるって思えるんす」

 ん?

 ちょっと待て。

 「ご奉仕させてもらえる?」

 「物として、欲望を吐き出されるだけの、人形に成り下がらなくてすむってことっす」

 うわ。

 そうか。

 奴隷は物扱い。

 当然、そういう人間もいるよな。

 「なるほど」

 納得した。

 「とすると、三人目のエルフは有望そうか?」

 「ご主人様が、気に入ったのなら異議はありません」

 「いいと思うっす」

 意見がまとまった。

 すると、それを見越したかのように奴隷商人が戻ってきて、オレの前に座った。

 「いかがでしたでしょうか」

 「そうだな。やはりエルフがよさそうだ。値段によっては、悪くないだろう」

 意図的に120万という値段を聞いたことを忘れて、答えた。

 もう少し下げてくれるなら買ってもいいよ、と暗に示している。

 「さようでございますか。ですが、値段につきましては120万以下には出来かねます」

 120万がギリギリの線なのか。

 もしかすると今までは150万とかだったが、高すぎて売れなかったので120万まで落としていたのかもしれない。

 「ですが、値引きをするかわりに年に一度行われる『譲渡会』での最優先権と10万ダラダの割引券をお渡しさせていただきます」

 「譲渡会?」

 「はい。買っては見たものの使っているうちに気に入らなくなった。思ったほど役に立たなかったという理由で処分を考えるようになった奴隷を、顧客の皆様が出し合って譲り合う場を設けておるのです」

 捨て犬や捨て猫を集めて、里親を探す『譲渡会』と似たようなものか。

 なんか、ものすごく気分が悪くなった。

 元世界の『譲渡会』は無責任な元の飼い主に対する気分の悪さだが、こっちのは全部のことに気分が悪い。

 「そういう場がないと、迷宮での事故に見せかけて殺されたりするんす。それを防ぐ目的としては理にかなってるんすよ」

 オレの雰囲気に気が付いたらしいシャラーラが口を挟んだ。

 意義はわかるが・・・。

 いや、現に奴隷を買ってる人間が偉そうに言えることじゃないな。

 となると。

 頭を切り替える。

 その『譲渡会』とやらで欲しい出物があれば、10万ダラダの値引きがされる。しかも、優先的に選べる。

 誰かが使い捨てようとする奴隷に、買いたいと思うような者がいるかどうか・・・。

 そこが問題になるわけだけど・・・。

 捨てられそうになった奴隷の中にはたぶん・・・。

 「いいだろう。それなら買ってもいい」

 条件は悪くない。

 オレは乗った。

 「お支払いは、二節ごとに6回から12回払いまでがございます」

 分割払いという手もあるのか?!

 冒険者なんていつ死ぬかもわからないのに?

 買ったふりして逃げることも・・・それは照魔鏡があるからそうそうできないのか。

 それにしたって・・・。

 「ただし、一節ごとに5パーセントの利息が付きます」

 ニタニタ笑って付け足しやがる。

 ・・・おい。

 どこの消費者金融だ、貴様?!

 この世界では利率計算とかする買主はいないのか?!

 いてもこんな暴利を許しているのか?!

 いや、いい。

 「・・・・・・」

 オレは無言で空間保管庫を開くと、横の机に白金貨一枚と金貨二十枚を乗せてやった。

 「これは?! し、失礼いたしました。すぐに連れてまいりますので、しばしお待ちを」

 床に付きそうな勢いで頭を下げ、奴隷商はそそくさと出ていった。

 「ご主人様を侮りすぎです」

 ミーレスが吐き捨てるように言った。

 「年齢から考えれば当然だろう」

 寛大なオレは奴隷商をかばってやった。

 じきに、あの奴隷商はさらに恐縮することになる。

 「お待たせをいたしました」

 奴隷商がアルターリアを連れてやってきた。

 アルターリアは古着のチュニックとスカートのまま。持っているのも小さなハンドバッグだけだ。ハンドバックを両手で持って、しずしずと歩いてくる。

 その目が少し大きく見えるのは、売り込んではみたものの買ってもらえるとは予想していなかった、その驚きのためだろうか。

 「では、さっそくカードの書き換えをいたします」

 カードを突き出した。

 アルターリアも。

【アルターリア。奴隷(エルフ族)。女。16歳。魔導士(+精霊使い)Lv1。所有者:ハルカ・カワベ】

【ハルカ・カワベ。異世界人。男。15歳。冒険者。

所有奴隷ミーレス。メティス。シャラーラ。リリム。アルターリア。

所有不動産メルハーツ迷宮街一番地十一番「エリス治療院及び自宅及び庭」】

 「い、いせ・・・?!」

 奴隷商人が絶句してアワアワしている。

 アルターリアのほうもアメジストの瞳を見開いてオレの顔とカードを見比べている。

 ミーレスとシャラーラが誇らしげに胸を張るのが気配でわかった。

 異世界人を特別視されるのは面倒だし危険だが、この瞬間はちょっと虚栄心がうずく。

 ・・・ただ召喚されただけで何を成したわけでもないので、文字通り『虚栄』だが。

 「良い買い物をさせてもらった。今後も良しなにな」

 ふんぞり返って言ってみる。

 「ははっ。こちらも光栄でありました。『譲渡会』は16節の最終日となります。アニークの北側に臨時の会場を設置いたしますので、ぜひご参加ください」

 震える手で、優先権を証明する書面と、10万ダラダの割引券が差し出された。

 「わかった」

 受け取って空間保管庫にしまう。

 奴隷商人は、門の前まで見送ってくれた。手の空いている使用人全員集めたのだろう、ずらりと並んで頭を下げている。

 映画やドラマで見る組事務所から組長が、本社ビルから会長が、黒塗りのリムジンでどこかに行く時のような光景だ。

 めんどくさい、と思いつつ足早に歩く。


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