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異世界で家を買いました。  作者: 月下美人
101/199

ほうそく

間違えてすでに掲載済みの話を掲載していましたので、既存の分を削除して、こちらを残しました。




 愛の巣の甘すぎる接待から、辛くも逃げ出したマティは、その足で次の交渉相手のところへと飛んだ。

 ちょっと胃がもたれそうだったが、ランチ代が浮いたと思えばやむを得ない。

 有難いと思うべきだろう。

 移動は今度も、フラムマ教の教会を使う。

 他に選択肢がない。

 そもそも、冒険者ギルドがあるような街は歴史も古く、人も多い。すでに商人ギルドに占拠されているか影響下にあるのがほとんどだ。

 そこを避けているわけだから、移動はどうしても教会頼みになる。

 ちゃんと確定すれば、ハルカ会長が『移動のタペストリー』を用意してくれるだろうから、それまではフラムマ教に儲けさせてやってもいいだろう。

 もちろん、訪問先への手土産というか、商品も仕入れてきている。

 『乳製品』を。

 飛んだ先は『シュレーム』。

 『バラヴァ』の南東に位置する街。

 主な特産は良質な粘土が採れることから発展した、陶磁器である。

 土の暖かさを感じさせる質感と豊富なデザイン、なにより使い勝手を重視した実用品としての陶磁器との定評がある一方、武骨だとか土臭いということで貴族や富豪連中からの評価は低い。

 いい商品を作り出す産地なのだが、金持ちの評価は低く、実用品として高く評価している人々には高額すぎる。

 ここもまた、いいところはあるのに地理的な要件と職人気質のせいで、はなはだ残念なことになっている街だった。

 「チャディルーリ、お元気ですかしら?」

 フラムマ教の教会から出てしばし歩いたところにある庭園付きの家。綺麗に刈り込まれた芝生の向こうに見える大きな体に向かって声を張った。

 ぶんぶんと手を振る。

 これくらいのアクションをしないと、気が付いても無視されかねない。

 むくり、と屠殺されるのを待つだけの、豚のような生き物が起き上がった。

 木製のデッキチェアに寝そべっていたのだ。

 パンパンに膨れた肉の固まりが、のたのたと歩いてくるのを待つ。

 チャディルーリ・ニクテック。

 かつて、とある貴族の執事を勤め上げた初老の男だ。

 その貴族家が代替わりをするに際して暇を取らされて、生まれ故郷のこの街に引きこもったという人物。

 暇を取らされて追い出されはしたが、かつては敏腕で鳴らした男。今でも貴族や商家にはある程度の影響力を持っている。

 そのおかげで、引きこもったこの街でも街の相談役のような地位にいて、とくに商談関係は、この男に一任されている。

 「おお、なんだ。マティか。相変わらずちっちゃいな」

 ほがほが、と歯のない口をあけて笑う。

 人柄的には嫌いではない相手だが、こういうところはちょっとだけ「蹴っ飛ばしてやりたい!!」と思ってしまう。

 歯がない、などというと60過ぎかと思うだろうが、まだ五十代手前だ。

 「『乳製品』を仕入れてきましたのよ。破格値で卸させていただきますわ」

 にっこりと微笑んでカーゴトランクを掲げて見せた。

 歯がないので、噛まなくていい乳製品が大好きなのだ。

 この街は比較的低い山々囲まれている。その緩やかな傾斜が『登り窯』という優れた窯を作る事に役立っているわけだが、その代わりに牧畜を行う牧草地がごく少ない。

 畜産には不向きな土地柄なので、『乳製品』という手土産は価値があるもののはずだ。

 「それはありがたいのう」

 ほがほが笑いつつも、目が冷たく光る。

 「目が怖いですわよ?」

 「なに。お前さんの思惑ほどは怖くあるまいよ」

 見え透いとるぞ、とばかりに睨まれた。

 「『返報性の法則』じゃろうが?」

 「うっ」

 人は相手になにかを与えられると、お返しをしたくなる。という心理が働く。

 原則的に人は、自分だけが得をし過ぎていると感じると、不快になるのだ。近頃、あちらこちらで商人ギルドの職員が無料プレゼントをばらまいているのは、その法則を利用しようとしているからだ。

 「提唱者ご本人に使うべきではありませんでしたわね。どうすれば、もっとうまく使えるでしょうか?」

 この法則を発見し、商人に提唱した人物。

 それが、実は彼だ。 

 自慢話の一つもさせてあげれば、気分もよくなるだろう。

 自尊心をくすぐってあげられれば、好意を持ってもらえる。好意を持ってもらえれば、多少の無理は聞いてもらえるようになる。

 はずだ。

 興味のない話題であっても、質問をして話を促すこと。気分よく話をしていれば、いろんな情報を収集できる。

 それが仕事の話なら、こちらのものだ。

 極論を言えば、相手が嘘を言っているとわかっていても「うんうん」と聞いてやるということだ。

 仕事に関わる話は予防線を張る相手でも、趣味の話のような答えても問題ないことならば話をしてくれるかもしれない。

 相手が口を開きやすい話題から、だんだんと仕事の話へと変えていくわけだ。

 そのとき一番重要なことは、相手が今話したいと思っていることを聞いてあげるということ。

 たとえば、釣りが趣味の人が相手なら「最近釣れた大物」の話なんて言いたくてたまらないだろうからどんどん話してくれるだろう。そっちに話を振っておいて、感嘆しながら聞いてあげる。

 そうすればスムーズに、いろいろな情報を引き出させるのだ。

 「クックックッ。いいぞ、いいぞ。話を聞いてやって、相手の懐に入り込むのが肝要だ。いっぱしの商人らしくなってきたな」

 まぁ、これも見透かされてしまうわけだけど。

 機嫌は良さそうなので、作戦は成功だ。

 「最近、お前んとこのじゃじゃ馬が跳ねまわっていると聞いているが、大丈夫かね?」

 わずかに気遣わしげな視線を向けて訊ねてくる。

 「それが、大丈夫ではありませんの」

 ちょっぴり大げさな身振りと、小芝居を入れながら顔を伏せた。

 ここで涙の一粒でも、と言いたいがあまりにも見え透いているとバカにされていると思われかねないので自重。

 「命の危機にまで追い込まれましたわ」

 ピクッ、とチャディルーリの眉が動いた。

 口先と実績で人を動かしてきた人なので、物理的かつ人の生死に関わるような実力行使が嫌いなのだ。

 「ですので、先日商人ギルドを脱退しまして、新たな経済組織を立ち上げましたの。本日はそのご挨拶と、組織への勧誘に参ったのですわ」

 「ほう、それはそれは」

 気持ちの入らない言葉を吐きながら、チャディルーリは目を細くした。

 「検討するのは吝かでないが、この場で答えが必要なのかね?」

 検討という言葉を引き出した。

 すでに乗り気だということだ。

 中央からは見放されているような街で、くすぶっているのだ。思うところがないはずはない。もう一花咲かせたい、そんな野望ぐらいあるだろう。

 「とりあえず、我らが『アルカノウム連合』では会長代理の下に12人の副会長を置くつもりです。これは早いもの順でして、残りの枠は数が限られていますわよ?」

 実際の残り席は五つだ。

 「ふふ。今度は『希少性の法則』かね。怖い商人になったものだな」

 「先輩方の薫陶と、必要に迫られてのことですわ」

 怖いと言いながら、笑顔のチャディルーリにマティも笑顔を返した。

 「それで? わたしを、という話なのかね?」

 自分だけを幹部として招聘するつもりなのか、と聞きたいようだ。

 「いいえ。違いますわ、チャディルーリ。街全体を誘っておりますの。すべての産業に協力を求めていますもの」

 「すべて、だと?」

 「ええ。商人ギルドに対抗しようという組織なのですよ? 足りないものをお互い融通し合う関係が必要でしょう? そうなると、どんな小さな産業でも重要な意味を持つ時は来る。それが、我々『アルカノウム連合』の理念ですわ」

 チャディルーリが唖然とした顔を向けてくる。

 吹き出しそうになるのを、マティは必死で耐えた。

 笑える場面ではないが、真顔のチャディルーリの顔はおかしすぎた。

 「ふっ、ふふっ」

 だが、笑い出したのはチャディルーリの方だった。

 困ってしまう。

 悪い顔で笑みを浮かべると、彼の顔はさらにおかしいものとなったのだ。

 「面白い!」

 チャディルーリが叫んだ。

 同時に、彼の余分な肉がプルンっと震えた。

 「是非とも参加させてもらおうじゃないか!」

 「街の取りまとめはお任せしてよろしいのですか?」

 答えはわかりきっているが、一応確認してみる。

 「もちろんだ、任せておけ!」

 どんっ! と胸を叩いて、咽るチャディルーリの背中をさすってやりながら、マティは自分だけに向けてガッツポーズをした。

 交渉は意外なほどうまく運んでいる、と。


 「『乳製品』の売り、『陶磁器』を買い、と。今回の取引は、それだけということでいいのですね?」

 「そうですわ。そんなに大きな取引をする段階にありませんもの。今はまだ、すべてが(仮)の話です。収益の上がるルートが構築できるかを確認しつつ、話をして回っているだけの状態ですので、ね」

 カーゴトランクの蓋を閉じながら、マティが答える。チャディルーリの紹介で街の商工会長と話を付けて取引を終えたところだ。

 最初のうちは街全体の経済を牛耳る気なのか? と懐疑的だったが、いまのところはそこまで大きな取引は行われない。せいぜいがカーゴトランクで一つか二つの話だと伝えて、警戒心を解くことができた。

 それでも、完全に警戒や疑念が晴れたわけではなく、とりあえず話を聞こうという感じだ。

 貴族と違い、商工会の長ともなると、内容を確認しないままでは警戒心が働くようなので、補足を入れておくことにする。

 マティ他本部が直接する取引が、カーゴトランクレベルであることは前提として、『アルカノウム連合』に加盟する工房や町のあいだでの物心両面での交流は妨げるものではないし、むしろ推奨する。

 だからといって、『連合』がその上前を撥ねることはしないことを確約する。

 連合内の勢力はあくまで個々の存在であって、『連合』の支配下に入るものではない。

 ただ、なんらかの大きな仕事をするときに、協力し合う態勢を維持しておこう。どこかで誰かが困難な状況のときは助け合おう。そんな相互扶助が主軸の団体である。

 そういったことを説明したうえで、12人いる副会長の一人にはチャディルーリも含まれることと、正規の規約などは、この副会長12人が揃ってから会合を開いて決定されるとも伝えた。

 そこまでして、ようやく理解が得られた。

 今回の参加表明で参加が確定したわけではなく、12人の副会長とマティら本部とで話し合いをして合意できればであって、それまではいつでも取り消しが可能だと伝えたことが大きかったようだ。

 12人の副会長がどんな顔ぶれか、どんな運営方針、どんな規約なるかを見極める機会が与えられるわけだし、その時は発言権も与えられる。

 代表はチャディルーリになるにしても、副会長の秘書とか政務官とかの名目で自分も会議に参加するつもりのようだ。

 協調が重要なので、これはある意味大歓迎だった。

 副会長と同等に口を利かれたらさすがに困るが、町の代表としての意見にならば耳を傾ける用意がある。


 次の街は『アスタス』。

 帝国の南端。そういっても間違いではない位置にある。

 『アルカノウム連合』の構想が始まったときから、何としても味方に引き込もうと考えていた街だった。

 なぜなら、この町の特産品は『砂糖』だからだ。

 帝国中の人々が、すでにその存在を知って虜になっている甘い調味料。

 誰もが欲しがるが、南方のこの街にある広大な畑でしか採れず、法外なほどの高価で取引がなされている。

 それほどのものであるからには、当然ながら商人ギルドも猛アタックをしていた。だが、いや、だからこそ。いまだ完全な独立性を保っている。

 取引はしているものの、売り買い以外の交流はないし、売り買いすらも『アスタス』側の意思しだいで条件が変わってしまう状況だった。

 独自性があり、他では手に入らない商品を独占している。

 『魔力蓄蔵・供給器』のシェアをほぼ独占している『タキトゥス工房』と、ある意味では似たようなものといえるだろう。

 ちがうのは、ここ『アスタス』は広大な農地を持つ街そのものが相手ということ。

 なので、商人ギルドもあまり強く攻勢にでることができずにいた。

 通常なら敵対した相手を、商人ギルドは商品の流通を停止することで制裁をする。

 しかし、『アスタス』にそれは通じない。

 ゆるぎない経済力があれば、商人ギルドを介さなくても、物資の運び入れ、運び出しは冒険者ギルドの協力を得て行えるからだ。

 国内の経済的な動きのすべてを商人ギルドが担っているように見えるのは、最大の取引量を誇っているからで法で決まっているわけではない。

 商人ギルドは確かに巨大だ。だが、恐ろしく巨大ではあるが、在り方としてはただの商会でしかないのである。

 それはもちろん、『アルカノウム連合』にも言えることだ。

 商人ギルドをも袖にできる相手。

 正直、昨日発足した程度の経済組織では、目も向けてくれないのではないかと不安はある。

 無謀だとさえ思ってはいるのだが、マティとしては絶対避けては通れないものでもあった。

 なぜなら・・・。

 「ハルカ様は、コーヒーに必ず砂糖を入れるのですもの」

 これであった。

 いずれはコーヒーを一大流行品として売り出そうというのに、そこに添えるべきミルクや砂糖を供給できないのでは商人として恥ずかしい。

 『乳製品』を算出する『バラヴァ』と『陶磁器』が特産の『シュレーム』を参加させようとしているのも、そこに理由がある。

 他にも必要なものがあるのかもしれないが、本格的な話をまだしていないので、マティにもわかる範囲で進めているのだ。

 「当たって砕けるまで、ですわ」

 ここの代表とはあまり面識がない。

 人見知りの性格が頭をもたげてくる。

 ぐっ、と両の拳を握り、マティは眼前の建物に視線を突き刺した。

 無意識ながら、脳裏にハルカの顔を思い浮かべて気合を入れなおす。

 建物は木製の平屋建て。縦ではなく横に広い構造だ。

 主は一番奥か、と、長い廊下か迷宮を歩く覚悟をしたが、案内人に連れられて行った部屋は入り口から入って三つ先の部屋だった。

 長方形のテーブルの短辺の一方に先方はすでについていた。短辺のもう一方にも椅子が置いてあるので、そこに座れということだと理解する。

 「本日は、突然の訪問をお許しいただき、ありがとうございます」

 椅子座る前に、ともかく丁寧に頭を下げた。

 対人関係では第一印象が重要だ。

 最初に悪い印象を与えてしまうと、そのあとも悪い印象ばかりに目を向けられてしまう。そうなると、あとからいくら挽回しようとしても、いいところを相手は無意識に排除しようとしてしまう。

 それだけは、絶対に避けなくてはならない。

 取引が平行線で終わるにしても、いい印象は残すつもりだ。

 「ビジネスです。お話はいつでもお聞きしますよ」

 柔らかな声で、『アスタス』の代表である女性、『テゼル・クラテール』がマティに座るよう促した。

 艶のない金髪、青い瞳。

 帝国人の平均的特徴の容姿。

 美人でもなければ不細工でもない。

 中庸な中年女性だ。

 「もちろん、儲け話ならという前提です。商人ギルドさんは、今回はなにを差し出すとおっしゃるのかと、大変興味深く胸をドキドキさせておりますのよ」

 胸元を両手で押さえ、10代の娘のようなことを言う。

 実年齢は40半ばのはずだが。

 完全に、こちらを舐めてかかっている。

 予想はしていた。

 商人ギルドからの傘下に入れという、プレゼント攻勢や脅しを含んでの要請をされて、撥ねのけてきた人物なのだ。

 だから、こちらも笑顔だ。

 嫌な顔など意地でもしてやるものか。

 「それは残念ですわね。期待には添えそうにありませんわ」

 パチパチ、と瞬きをしながら相手の目を真っ直ぐに見つめた。

 瞬きをするのは通常、嘘のサイン。

 なので本来、説得しようというときはなるべく瞬きを我慢するべきなのだが、相手もまたそういうことを知っているような場合は「裏に別の意味がありますよ」のサインとしても使える。

 同時に、相手から視線を逸らさず真っ直ぐ見るのは攻撃的感情を示す仕草だ。

 説得しようとの強い気持ちの表れと見ることもできるだろうが、「敵視されている」と感じる可能性の方が高い。

 思惑通り、テゼルは訝しげに眉を寄せた。

 これまでの、商人ギルドの担当者はきっと、へりくだっていい返事を引き出そうとしてきている。こんな風に、敵意のある視線を向けられたことはないだろう。

 この時点で、商人ギルドの連中よりも深く相手に自分を印象付けられたことを、マティは確信した。

 あとは、これを不快なものと思われないよう話を進めていこう。

 「わたくしは商人ギルドの人間ではありませんの。『アルカノウム連合』という経済組織の会長代理というのが肩書ですわ」

 顎を少し上げ気味にするよう注意して話す。

 ただし上げすぎてはいけない。

 上げすぎると横柄な態度と取られてしまう。

 傾きを20度ぐらいにすることで、相手に快活なイメージを持たせることができる。

 声は不快と思われない程度に大きく、低めに抑える。

 高すぎる声は聞き手への印象が悪く、説得力が下がるものなのだ。

 そして、口調は早めを心掛ける。

 早すぎて聞き取れなかった、なんてことになっても困るから、そこは速さの程度を相手によって調整しながらだが。

 「聞いたことがありませんね」

 首を傾げて、しばし、考えていたテゼルが探るような目を向けてくる。

 「そうでしょうね。つい最近できた経済組織ですもの。なにしろ、会長をつとめますのが、『異世界人』ですので」

 サラリと言ってみて、反応を観察した。

 古来、『異世界人』=『神に定られし勇者』=『皇帝に準ずる権威者』と考えられている。その権威ある人物が立ち上げた組織、そこに反応するかどうか、反応するようならそこから突き崩せるかもしれない。

 名前を『利用』しているわけではない。『事実』、『異世界人』が会長なのだから、こちらは後ろたいことなんてなにもない。

 「?!」

 目を見開いて呆然としている。

 とりあえず、驚かせることはできたわけだ。

 「ほ、本当なのですか?」

 「いくら『砂糖』が貴重でも、一度の取引で命と引き換えの商談はしませんよ」

 『異世界人』の詐称は皇帝を詐称する行為と同等、バレれば即斬首だ。

 「ああ・・・」

 それはそうか、とテゼルが息をつく。が、すぐまた顔を引き締めた。

 会長が『異世界人』というのが本当だと気が付かないわけはいかなかったからだろう。

 さっきまでの自信たっぷりな態度とは裏腹に、目が泳ぎ出した。

 社会的地位の高い人ほど、『権威』へとなびきやすいというのは真理であるようだ。

 交渉は完全に、こちらペース。

 マティは手応えを感じ、テーブルの下で小さくガッツポーズをした。



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