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封神演義、または時代の裏側に埋もれた物語
初めに混沌があり、
それが分かたれて
陰陽が生まれた。
その陰陽から天が生まれた。
天には源があり、時の流れがあった。
天には大いなる魂達が棲んでいた。
その中に女神があり、二つの身体に、一つの魂が宿っていた。
片方は慈悲を、もう片方は正義を司った。
天の次に、地が生まれた。
地に溢れる原始の土を捏ねて、女神は人を造った。
だが、母なる女神は、母なる女神であるがゆえ、天の頂に座す事を許されぬさだめにあった。
万物を飲み込み万物を越える。大いなる流れは天命と呼ばれた。
天下は殷の時代にあった。
歴史は神々、人の子ら、あやかしと仙人と道士、すべてを巻き込んで動き始めた。
易性革命の、始まりである。