Time 2-01 翌朝
翌朝。
雨が降っていたのでバスで学校に来た私は、万潮駅で、珍しく早く来た咲良ちゃんと会ったので、一緒に登校した。
海雪「…というわけで、本当に金管部に入っちゃいました!咲良ちゃんのおかげだよ。相談乗ってくれてありがと」
咲良「おお、面接通ったんだ!おめでとっ!」
咲良ちゃんおすすめの金管部に入ることを伝えると、彼女は自分のことのように喜んでくれた。
海雪「いや、それが…なんというか、部室の前をうろうろしていた時に、私が金管部の先輩にぶつかって、その人と少し話しただけであっさりと入部許可されちゃったんだよね…だから実際面接っぽいこと全然してないんだよ」
そう、昨日私は波村先輩にぶつかって…その後少し話をしたら、なぜか入部することになったのだ。
咲良「そうだったんだー、優しい先輩だったんだね」
海雪「その人はすごく優しかったんだ」
咲良「へえー、うちの先輩と大違い(笑)」
水泳部は学校内で厳しい部活トップ3に必ず入るくらいだから、すごく怖いんだろう。
咲良「あ、そうそう、金管部はイケメン多いって聞いたよ?今度紹介してほしいな、とか言ってみたりー」
海雪「じゃあ、私の気が向いたらね」
咲良「やだあ、海雪ちゃんったらー。その気を向かせてよ、イケメンの話聞きたいなあ。あ、そういえばさ、クラスの宇鳥くんと宮門くん?あのふたりも確か金管部だよね」
海雪「そうそう」
咲良「顔面偏差値高いじゃーん、いいなー」
と、咲良ちゃんと2人で話していると。
??「そこの2年女子2人、この道は狭いから広がってお喋りするな」
校門のところで立っている先生か上級生かに注意されてしまった
咲良「す、すみません…」
海雪「…!」
あ、この人は。
海雪「おはようございます、有佐先輩」
有佐「なっ…あ、信田か。おはよ」
いやいや、挨拶しただけで驚かれるって…(笑)
咲良「あの人も金管部なんだー。もしかして、部長さんとか?」
海雪「ご名答!」
咲良「そんな気がした。あの人もイケメンだけど、なんか怖そう。いっつもしかめっ面で校門に立ってるよね。笑ったりしないのかなあ…」
海雪「確かに…」
私も有佐先輩が笑ってるのは見たことがないかもしれない。
宇鳥「鈴木さん、信田さん、おはようございます」
海雪「あ、宇鳥くん、おはようございます」
校門を抜けてすぐに宇鳥くんに会ったので、一緒に登校することにした。
咲良「今日は宮門くんはいないの?」
そう言えば、宇鳥くんのそばに宮門くんがいないのって珍しくない…?
宇鳥「香介くんは、今日は朝から委員会があると言っていたので、今はもう学校にいるはずです」
海雪「委員会?宇鳥くんも何か委員会入ってなかった?」
宇鳥「私は保健委員なので、委員会の集まりは先週終わっています」
咲良「海雪ちゃん、忘れてるかもしれないけど、私も保健委員やってるよ」
海雪「あー、そういえば先週昼休みに委員会あるって言ってたねー」
その後も、3人で話をしながら教室へ向かった。