Time 1-05 前世、信じますか?
海雪「宮門くん!」
教室に帰ってきた私は、楽器を拭いている宮門くんに声をかけた。
宮門「信田さん。どうかした?」
海雪「さっきの話の続き、聞かせて欲しいんだけど…」
宮門「もちろん。部員の共通点だよね?」
海雪「そう」
考えてもわからなかったから、もう聞くことにしたのだ。
宮門「この部に入部する条件は」
宮門「誰かの生まれ変わりであることなんだ」
生まれ変わり??
海雪「…それってつまり、転生したってことですか?」
私が質問すれば、宮門くんは笑顔で答えてくれる。
宮門「ま、そういうこと。信田さんは多分ないんだろうけど、ボクらのほとんどは前世の記憶があるんだ…って言ったら、信じてもらえる?」
海雪「うーん…」
まだ話が理解できていない私は、返事を渋ってしまう。だって、この部に入る人は「皆」ということは、私も転生しているということになる。私が転生している、というのが一番信じられないのだ。
基本的に運命とか前世とかは信じないタイプだが、宮門くんの話し方からして、多分彼は前世の記憶を持っているのだろう。
海雪「半信半疑、ですね」
私が答えると、宮門くんが少ししょんぼりとした顔をする。
宮門「そっかあ…実は、ボクはね、前世でキミに出会ってるんだ」
海雪「え?嘘!?」
宮門「本当だって。さっき聞いた話だと、多分波村センパイも、信田さんに会ってるんじゃないかな?だから、信田さんが生まれ変わりだって気づいたんじゃない?」
私と波村先輩は前世で会っている?
だとすれば、あの時の
波村『覚えてないですよね…』
も納得がいく。でも私の『前世』は信じられない。
宮門「あのね、ボクは…」
宮門くんが話そうとした時、宇鳥くんが顔を出した。
宇鳥「香介くん、この後小桜先生のところに行くんですよね?」
宮門「そうだよ!ハルトが来ちゃった。実は英語の小桜センセに呼ばれちゃってね、ハルトがついてきてくれることになったんだ。この話の続き、聞きたかったらまた今度ね」
そう言って、宮門くんは宇鳥くんのところへ行った。
【前世】
本当に存在するのかしら?
TO BE CONTINUED