チュートリアル5
探索を再開して十分ほどたったころ、これまでより少し離れたところの草にブルースライムが一体ポップした。
「よし、じゃあウィンフ。少し前に出て投石具で攻撃してみな」
「う、うん!小石はたくさん集めたし、がんばるよ。これでも部活では弓道やってるから当てる自信はあるよ!」
「がんばれ~。落ち着いてやれば大丈夫だからね~」
「がんば。この位置なら向こうはまだ気づいていない。」
「じゃあ、いってきます!」
ウィンフは3mほど前に出て、投石具に小石をセットし構える。
「ふっ!」
小さくウィンフの息が漏れると同時に小石が投石具からブルースライムに向かって一直線に放たれる。
小石が直撃するとCHの文字とともにブルースライムの体力バーが大体三分の二ほど無くなった。
「おお!かなり無くなったな!」
「クリティカル補正に奇襲補正もついて、合計で五倍の追加ダメージが加わってかなりの大ダメージになったね~」
「ん。ナイス攻撃。」
話しているうちにウィンフは二撃、三撃と攻撃を加えてラスト一撃を放とうとしていた。。
「ふっ、やったー!倒したー!」
「お疲れ、よくやったな」
「おつかれ~様になってたよ~」
「ん。かっこよかった。」
「ありがとー!でも緊張したー」
「さあ、ドロップアイテムを回収して行くか。次は俺の番だからな」
そして、さらに探索すること三分。
またしても草の中からブルースライムがポップしてきた。
「それじゃいくか」
「がんば~」
「ファイト。」
「がんばってー!」
そうして俺は小剣を構えて走り出した。
スライムはこちらに気づいたそぶりを見せるが俺は小剣をブルースライムに向けて横に振り切った。
がスライムのゼリー状の体の抵抗が思ったよりも大きく、途中で小剣の勢いがなくなって止まってしまった。すかさず小剣をブルースライムの体から引き抜き距離をとる。が、ブルースライムは体を震わせ始める。相手の体力を確認する、おそらく奇襲補正が付いたのだろうが体力バーが三分の一程度減っていた。
確認し終わるとブルースライムがジャンプしてとびかかってきた。チャンスだと思いさっきの見本のゴブリンの動きを思い出しながら、身を屈めブルースライムの下をすれ違いざまに核ごと切り付けた。
クリティカル補正のあった証拠のCHの文字とともにブルースライムの体力バーが0になり、光の粒子となって霧散した。後に残ったのはドロップアイテムのスライムの核のみ。それを収納袋に入れてみんなのところへ戻る。
「おつかれ~。さすが道場で鍛えているだけあってスムーズだね~」
「おつかれ。かっこよかった。」
「ほんとにすごいよ!なに最後のあの動き!!シュパッてなってたよシュパッて!!」
「でもさすがに現実と同じようにとはいかないな。動きも遅いし力も入れずらい」
「あはは。そりゃ仕方ないよ~初期の状態だし。成長していくと普段以上に動けるようになれるからさ~」
「ん。今は我慢。」
〈全員のブルースライム討伐を確認しました。以上で戦闘のチュートリアルを終了します。それではこれより採取及び採掘のチュートリアルを行いますので心の準備をしてください。〉
そうして俺たちの場所が一瞬で移動した。