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Only Monster ~モンスター成長型ゲーム~  作者: 志黒 白郎
第三章 ランキング
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巨大亀との戦い・決着


 数分後、ラヴァトータスは困惑していた。

 さっきまでいた赤い鳥が消えたかと思ったら、人型の赤い奴が飛んで攻撃してきたのだ。しかもさっきまでの鳥の数倍の速度で。

 すでに自分の攻撃速度を大幅に上回られているため、良いように攻撃されている。

 尻尾の攻撃は寸前で楽々回避され、奴の動きも二つの頭でようやく捉えられるかといったところだ。しかも急激に進路を変えるため瞬間的に見失い、次の瞬間には首の根元の弱点に攻撃を加えられる。

 そんなこんなで、すでにHPも1割程度になり、満身創痍の状態となっていた。

 まさか、単独の相手にここまで手も足も出ないとは。そんな思いをラヴァトータスは抱いていた。



「ふう、やっぱり朱夏コートは反則級の強さだな」

「ピュルルピューイ!」


 俺の呟きに朱夏が得意げに鳴く。

 正直、8割程度で飛んでも相手を圧倒できるため、弱点にも簡単に攻撃できる。

 まあ、そうは言っても相手との相性的に最適だったというのもあるのだろう。ラヴァトータスは完全な耐久型の魔物だったため、スピードがある程度以上の相手の場合には極端にその優位性を失う、さらには最大の長所である巨体でも、普通はそうそう攻撃が届くことはない首の根元の弱点に関しても、それを無視できる飛行能力を俺達が持っていたということが大きかった。


 これだけの強敵に対して敬意を評して現在の最強の技で勝負を決める。

 俺は増加したMPの大半を使って両手の刀に炎の魔力を纏わせる。

 そして、奴から300mほど離れたところで左の小太刀で刀術スキルの〈横薙ぎ〉を使用するとともに小太刀に限界以上に圧縮した炎の魔力を解放させる。すると解放された炎の魔力はスキルによって指向性を持って超高温の炎の斬撃としてラヴァトータスに向かっていき、ガードしようとした奴の尻尾を三本とも焼き切ってそのまま弱点を覆い隠すようにしていた双頭にまでダメージを与える。

 次に右手の太刀で先ほどの要領で〈唐竹割り〉を使用する。さっきの攻撃でラヴァトータスのHPは残りわずかだったが、構わず全力の一撃を放つ。こちらも限界以上に圧縮された炎の魔力が、解放されたことによって一筋の炎の斬撃として放たれ、ラヴァトータスの甲羅に切断しながら弱点を焼き切る。


 ラヴァトータスは俺が付けた切れ目から溶岩を流しながら光の粒子になっていく。

 俺は両手に装備してる刀に目を向ける。半ばまで融解し、大半が焦げている。


「ふぅ、あの技は強力な分量産品だと絶対壊れるんだよな...」


 いろいろ試していた時に偶然発見したのだが、その時に使っていた刀も壊れてしまったため、今手に持っていたのは買い直したものだったのだが、また買い直さなければならなくなったな。


 兎にも角にもこれで火山エリアに行けるようになったし、ラヴァトータスとの戦いもまぁまぁ満足できるものだった。

 突然アナウンスが鳴る。


〈討伐が完了しました。これにより火山エリアが解放されました。その他の報酬は目の前に出現させます。また、単独で討伐成功いたしましたので特別報酬がランダムで一つあります。それでは今後も益々のご活躍期待しています。〉


 アナウンスが終わると目の前に大きめの麻袋が一つと50cmほどの赤い宝箱のような箱が一つとラヴァトータスのものと思われる巨大な牙が四本と尻尾が現れた。

 それらをひとまず収納袋にすべて収納し、先に火山エリアに足を踏み入れてみる事にする。

 朱夏はすでに装備化を解除して俺の隣をテクテクと歩いている。

 そして、若干ワクワクした気持ちを感じながら火山エリアへと進んでいった。



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