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Only Monster ~モンスター成長型ゲーム~  作者: 志黒 白郎
第三章 ランキング
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予想外

投稿する日付を間違えてしまいましたがこの話が11月1日分の投稿になります

 今日は祖父が用事で不在だったので、基礎の復習を繰り返して鍛錬を終了し、夕食と風呂を済ませて学校の宿題を終わらせてから、9時まで飼っている猫と戯れていた。

 ちなみに飼っている猫は茶色が多めの三毛猫で、名前が小夏こなつというんだが、これがまた可愛いんだ。俺が胡坐をかいて座っていると必ず足の上に座ってきて、そこで喉を鳴らして眠りだすんだ、、、もうたまらないぞ!、、、っとちょっと取り乱したか。

 ちなみに命名は祖母で、俺が中学2年の学校からの帰り道で猫を拾ってきたら祖母が「あらまあ~夏はいつの間にこんなに小さくなったんだい~あら?夏はそっちかい~じゃあこっちの子は小夏だね~」と言ったのが定着して小夏になった。


 さて、今も足の上でゴロゴロ喉を鳴らしている小夏を撫でながらのんびりしていると、いつの間にかあと5分で9時になるというところまで時間が経っていた。

 「ニャ~」と鳴く小夏に後ろ髪をひかれながらも俺は自室に戻り、布団を敷いてから横になってゲームを始める。



 ドガン!!

 俺がログインし、ログアウトした草原にポップすると、突然そんな音が聞こえて地面が徐々に遠のいていた、、、

 、、、うん。意味が分からない?理解不能?

 大丈夫だ。俺は大体の予想が付いている。問題はないと思う、、今の衝撃でHPが3割程削られた以外にはな。

 どうせ、例の双子のおふざけに巻き込まれたのだろう。

 今回は衝撃の面積が小さく横に長かったので、おそらくリンウィの翼撃だろうな。


 そんなことを俺は地面が近づくまで考えていた。

 バン!!

 地面に着地しようとした瞬間またしてもそんな音が響いて俺は再度地面から離れ、50mほど打ち上げられた。


 いやいや流石にこれはありえないだろ!?

 いくらあの双子でも同じ相手に対してこれだけの仕打ちはしないだろう!?

 しないと思う、、そう信じたい、、、、


 流石に二度目は問題があるだろう。

今の追加の一撃でHPが更に4割削れ、残りのHPが3割を若干下回った、、、こんなにダメージを負ったのはオークジェネラルとの戦闘以来初めてだぞ、、いくら油断していて不意打ちの攻撃だったためクリティカルヒットの補正を受けてダメージが増加したといってもこんな仕打ちはあんまりだろう、、



 再度地面が近づいてくるまでの間にそんなことを思い、今度こそ地面に着地する。


 ボガン!!!

 、、、大丈夫だ、今度の音は俺が着地した時の音だから。


 普通、そんな音は出ないって?

 そりゃ仕方ないだろう、、普通に着地したらその時の衝撃でさらに追加ダメージが入って瀕死になってしまうじゃないか、だから古武術の技を使って着地した結果、さっきのような爆発音が響いて直径3mほどのクレーターができた。

 着地した時に使ったのは、五つある系統のうち防御に優れる〖流曲〗系統の〔打波うちなみ〕だ。この技は1方向からの衝撃を殺さずに体の関節などを使って運用し別の方向に還元するという技であり、今回は地面と衝突した時の衝撃を地面に向かって還元し、ノーダメージで着地したというわけだ。

 その結果、地面にクレーターができたわけだが、、この技自体が受けた衝撃に自分の打撃を上乗せして放つカウンター技のため、修羅スキルの効果でHPの減少に伴ってステータスが上昇していたので、地形を多少変えてしまったのだ。


 さて、無事に着地できたことだし、今回の騒動の元凶の方を向いて一言文句を言おうとすると、、、そこにはいつもの三人以外に見知らぬ鳥が一羽居た。

 いや、知ってはいるが、なぜここにいるのかが分からない鳥だ。独特なフォルムをしたリンウィと同程度の大きさの燕がそこに居た、、、巨大な牛とともに土下座するように地面に伏して。


「何やってんだお前ら?てか、何でお前がいるんだ?、、アルビム」


 俺が声をかけると燕の体がビクッと震えて、それから恐る恐るこちらの顔色を窺い、小さな声で説明を始めた。


「、、、きょ、今日の対戦が終わって闘技場から出たら、、前に見たフラフラと飛んでる鳥を見かけたから声をかけたら、オートさんとも出会って、それで今日一緒に狩りに行かないかと誘われたので、ここまで一緒に来ました、、」


 何をそんなに怯えているのかは分からないが、一緒に居る理由は分かった。


「そうか、で、何でそんなに怯えてるんだ?土下座っぽい恰好までして」


 するとさっきよりも大きく震えて、さらに怯えて話し出した。


「、、え、、えっと。最初に俺が衝突したから、、」

「ん?ということは俺が不意に食らった最初のあの一撃はアルビムのだったのか?リンウィじゃなく?」

「んー!心外!」


 冤罪だったリンウィが憤慨しだしたので頭を撫でて落ち着かせながら話を続ける。


「じゃあ、二回目の衝突はオートだったってわけか?」

「そうなんだよ~あはは~実はね~」


 オートの説明によると、

 双子はいつもリアルの時間で30分前にはこのゲームにログインしているらしいんだが、ゲーム内では7倍の3時間半くらい待つことになるので、毎回中立世界で自由行動をしているらしい。

 それで、今日も分かれて自由行動をして、二時間後に合流するとアルビムが一緒に居り、折角だから今日一緒に狩りをしようということになり。

 すでにミリアからの支払いはオートが受け取っており、今日はログアウトした場所で集合だったのですぐさま移動したそうだ。

 しかし、あと1時間以上待つことになるので、どうせなら鬼ごっこをしようということになったが、ただの鬼ごっこだとつまらないということで、双子が鬼でアルビムが逃げるという変則的なルールになり、魔法の使用も容認しての鬼ごっこがスタートしたのだという。

 そして、最初は二対一でやっていたのだが、虚実魔法はただの幻覚を創りだすこともできるのでオートは幻覚に相手をさせて、リンウィとのスピード勝負をしたのだそうだ。

 最初は上空をアクロバット飛行で競って、今度は低空で競おうということで、多少スピードが上昇する翼撃スキルを使用しながら低空飛行をしているときにちょうど俺が現れ、衝突した。

 更に、落下先に幻覚を追っているオートが重なって二撃目を加える形になったらしい。


 なるほど、要するに自分のせいでダメージを与えたので謝罪のために土下座をしているのか。

 だが、怯えているのはどうしてだ?

 前に会った時にはもっと威勢が良かったはずだが?


「ムサシが考えてることは大体わかるよ~、どうして怯えてるんだってことでしょ~それはね、あれのせいだよ~?」


 オートの示す方を見ると、俺が着地の時に作ったクレーターがあった。

 うむ、改めて見ても凄い威力だな!

 しかし、これが怯える理由?


 俺が首をかしげるとオートが続ける。


「そのクレーターの時の攻撃でムサシが怒ってるって思ったんだよ~まあ、僕もちょこっと脅したけどね~あはは~」

「なんだ、そう言うことだったのか。アルビム、別に俺は怒ったりしてないぞ?」


 アルビムはポカーンと呆けた後にクレーターと俺を見比べた。


「だってあんなにものすごい攻撃してたから、、」

「あ~あれは落下の衝撃でダメージを受けないようにしたんだよ。別にむしゃくしゃしてやったわけじゃない」

「受け身一つで大穴開けられる大地がかわいそうだよ~」


 オートのつぶやきはひとまずスルーする。


「だから、別に怒ってはいないぞ?多少ビックリはしたがな」

「じゃあ、あのクレーターは本当にただの受け身ですか?」

「いや、あれは古武術の技の一つでな。受けた衝撃に自分の打撃を乗せて放つカウンター技のようなものだ。まあ、ある程度の攻撃を無力化することは可能だな」

「ん。な、、ムサシの実家は道場。」


 詳細を説明してやるとアルビムは「そんなバカな。スキルじゃなくあの威力の攻撃ができるのか。」などとブツブツつぶやきだした。

 何を言ってる、俺の二つ下の中三の妹は女なのに人差し指でコンクリートブロックを貫通できるし、四つ上の兄は鉄骨を殴っただけでねじ切るんだぞ。

 それに比べたら小さなことだろう。まったく、何でそんな化け物を見るような目で俺を見るのか。

 失礼な!俺はまだ常人の範疇だぞ。俺は男だから鉄板を貫通することはできるが、鉄骨は殴っただけじゃ直角に曲げることしかできないんだぞ。


 祖父は、、例外だ、あれこそ化け物だよ。数十トンはある岩を一撃で爆散させるんだぞ?

 70歳超えてるってのに、、


 ちなみに親父は婿養子で建築会社を経営している。だからせいぜい蹴りで空中のバットを折るぐらいだ。家族で一番弱い一般人だな。



「とりあえず、さっきのことは水に流す。だから今日のこれからのことを話し合うぞ」



 こうして新しいメンバー?が加わった。




 アルビムはライバル的な感じで出そうと思いましたが、キャラ的にムサシの弟分的な感じにしようと思ったので今回登場させました。

 ライバルの構想は正直まだできてません!!!

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