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Only Monster ~モンスター成長型ゲーム~  作者: 志黒 白郎
第三章 ランキング
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闘技場観戦2


 闘技場はコロシアムのような外観の建物だ、そしてその中で行われる対戦は巨大な門の奥に設けられた異空間で個別に行われており、チケットを所有する者は門をくぐると同時に対戦が行われる異空間へと転移するようになっているらしい。なお、チケットは試合の終了とともに消滅するとのことだ。


 実際に門をくぐると対戦会場らしき場所に出た。

周囲には数千人が同時に観戦できるだろうスペースが広がっており、中心に目測で300m四方の盛り上がった土のリングがあって、その頂点にそれぞれ高さ100m程の丸い石柱が立っていた。その周りは一定間隔ごとに段差になっていて、後ろの方に居てもしっかりと対戦が目視できるようになっている。


 会場はすでに観戦者たちが多数いるが、まだリングの近くにスペースが存在していたので四人で並んで最前列をとろうとすると、オートに前から三つめの段差あたりがリングを見下ろせるので一番見やすいと言われ、そのぐらいの位置の場所をとる。


「始まるまであと少しあるからもうちょっと待っとこうか~」


 それから対戦開始を周囲の観戦場所を観察しつつ待っていると、だんだんと場所が埋まっていき最終的には全部埋まってしまった。

 この対戦カードはそこまで人気なのか。あのプレイヤーにそんな人気があったとは。


「オート、普通はこんなに埋まるもんなのか?」

「そうだよ~NPCも観戦しに来るからだいたい全部埋まるよ~」

「なるほどプレイヤーだけではないんだな。あとオート、対戦場はあんなに広いものなのか?」

「会場の広さはランキングが上位の方が広いし、対戦場の広さはグラディエーターの体格と種族、戦闘スタイル次第で変化するかな~例えば、体格が大きかったら会場も広く~って感じでね~」


 そんな話をしているとついに開始の時間になったようだ。


〈それでは皆様!!これよりグラディエーター達による祭りが始まります!今回の主役はこの二体!最近急激な躍進を見せている怪鳥アルビム!そして、その勢いを止めんとするのが闘技場で古くから戦っている古強者であるこの男、、巨漢のゴドムス!アルビムがそのトリッキーな動きで仕留めるのか!それともゴドムスが撃ち落とすのか!この一戦ですべてが決まります!!では、両者の登場です!!〉


 すると対戦場全体が光りだし、その光が徐々に中央に集まりだし、二つの球体として収束された。

 一瞬の後に光がはじけ、直前まで光の球体があった場所には二体のグラディエーターがたたずんでいた。


 グラディエーターの登場で会場は一気に沸き立つ。それぞれの名前が呼ばれ会場全体の温度が若干上がったような錯覚さえ覚える。


「ゴドムスの方はNPCだね~総合ランキングへの登竜門の一体らしいよ~」


 オートの説明を聞きながら対戦場の二体を観察する。

 アルビムの方は昨日と姿が違っていたがリンウィと同じ鳥系統のモンスターであることは変わっていなかった。その姿は燕のような姿をしているように思える。大きさは今のリンウィよりも少し小さいくらいか。多少距離があるので正確には分からないが。

 対するゴドムスの方は昨日俺たちが倒したオーク種のモンスターだった。しかしその大きさは遠目でも分かるほどにオークジェネラルより明らかに大きく、5mはあろうかという巨体である。武器としては自身の身の丈ほどの大剣を右肩に担いでいる。


「ゴドムスはハイオークキングという種族のモンスターらしくてね、生物としての格は中級らしいよ~それに対して、あのアルビムの方はおそらく下級の種族だろうね~ネットで書き込まれていない種族だからたぶん通常種じゃあないだろうけどね~昨日と種族が違うから飛び去った後に進化か転生したんだろうね~」

「ん。ぴゅるぴゅるる~。」

「リンちゃんいきなりどうしたんですか!?」

「テンション上がってるだけだからほっといていいよ~っとそろそろ始まるみたいだよ~」


 オートの言葉の後にアナウンスが流れる。


〈会場の熱気も最高潮のようですね!!グラディエーターの準備も整っているようですので早速対戦を開始したいと思います!〉


 すると、上空に数字が現れカウントダウンが開始される。


 そして0になると同時にアルビムは勢いよく羽ばたいて上昇する。ゴドムスはそれを見ながらゆっくりと腰を落として武器を構える。

 アルビムは対戦場をくまなく飛び回り徐々にスピードを上げていく。


「オート、アルビムは円柱の範囲内でしか飛んでないが何かあるのか?」

「あの円柱が立っている範囲には結界があってね、グラディエーターは中からは出られないようになっているんだよ~逆に観客もあの中には入れないようになっているけどね~」


 なるほど、相互に干渉できないようになっているのか。

 それにしても、ものすごい速度で飛んでいるな。これは、祖父の知り合いの鷹匠のところで見た鷹よりも早く飛んでいるぞ。

 そしてある程度スピードが出て準備が整ったのか、ゴドムスに向かって低空飛行で向かっていく。真正面からの突撃なので相打ち覚悟の一撃なのかとも思うが何を考えているのだろうか。

 ゴドムスもそれに合わせるように体験を振り下ろす態勢に入る。

 

 両社の距離が近づき、ついに衝突するというときにゴドムスがその手に持った大剣を最短距離で振り下ろし、アルビムを一刀両断した。




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