オークジェネラル戦の後
あれから近くの石碑をリンウィに見つけてもらいそこで四人で円になって休んでいた。
「いや~とんでもなかったね~」
「ムサシ。危なかった。」
「ムサシさんかなり攻撃受けてましたけど大丈夫でしたか?」
「俺は修羅のスキルの効果を最大限に生かすためにカツカツのHPだったけど問題はないぞ。むしろあれだけの敵だ、そこそこ戦えたから今は満足だ!」
「とりあえず今は回復しながらドロップアイテムの整理をしよっか~」
「そうだな」
MPやSPは回復薬を使って、HPをウィンフに回復魔法で回復してもらいながらドロップアイテムを地面に広げる。オーク種のドロップアイテムは主にオークの肉になる。オークの肉は食用になるらしく、たき火などで焼くことで食べられるらしい。オークアーチャーやオークランサーは時々弓矢や槍を落とすこともあるらしく、今回はオークアーチャーが弓を一つと矢を十本の三セットドロップしていた。オークの肉は全て合計すると34個になる。
そしてオークジェネラルのドロップアイテムが三つあって、まずはオークの高級肉というオーク種から稀にとれる上位の肉がドロップした。これは味が良く売却するとそこそこの金額になるらしい。
二つ目は、オークの肉包丁というオークジェネラルが使っていた武器がドロップした。これは倒した魔物のレアドロップ率が上昇する効果があるが、今後使うこともなさそうなのでこれは売却することになりそうだ。
三つめは、スキルオーブのようで軍勢というスキルが入っているようだ。これもオークジェネラルが使っていたものらしく、効果は先ほどのように自分の下位の種族をポップさせるものだろう。
「包丁は売るとしてスキルはどうしようか~?」
「私は倒したムサシさんの自由にしたらいいと思いますよ?」
「ん。ムサシ軍団。」
「そうか、ならこれは使うとするか」
俺はスキルオーブを使用して軍勢のスキルを取得した。
軍勢LV1:支配下の生物を自由に召還・送還することができる。一度に召還しておける生物は10体✖LVの数までとなる。
「オート、支配下ってどんな状態だ?」
「支配下の状態ってのは、眷属・従属・所有の3つのいずれかの状態のことを表してるんだよ~。まず所有から説明すると、所有ってのは売買で魔物を手に入れた時に適応されるんだけど。中立世界に魔物屋があって、そこでいろいろな種類の魔物を買うことができるんだ~。そこで売っている魔物はしっかりしつけられてるからよほどのことがない限り襲われることはないよ~。次に従属ってのは、魔物との戦闘の時に圧倒的力の差を見せつけることで稀に魔物の方から従ってくることがあるんだけど~。その時に従属契約を結ぶことで手下にできるんだよ~この場合は襲われる心配はほとんどないから安心していいよ~。最後に眷属だけど、通常は従属した魔物のうち主人である生物が一定以上の格であり、従属した魔物との信頼度がMAXの場合にのみにできるらしいけど、これは詳しくは知らないな~」
「そうなのか、なかなか購入する以外で支配下の魔物を手に入れるのは難しそうだな。」
「そうだね~。でも、ムサシはもうすでに支配下になる予定の生物はいるよ~?」
「ん?どういうことだ?」
「ほら、チュートリアル報酬の卵だよ~あーいった卵を孵化させることでそれまで所有していた人に従属した状態で生まれてくるんだよ~」
「そうなのか、、」
時間加速の収納スペースから卵を取り出して眺める。なんだか最初よりも一回り大きくなったような気がする、孵化するまで大きくなるとしたら結構な大きさになりそうだ。
中の生物が何であれ、従属した生物ということは俺のペットになる存在ということだろう。だったら精一杯一緒に行動して可愛がってやろう。案外かわいい奴の可能性もあるしな。
「とりあえず、時間もあと5時間ぐらいだから今日は探索するのは終了にして、最後に進化してからログアウトしようか~全員LVMAXになってるだろうからね~」
「えぇー!そうなんですか!?」
その言葉でステータスを確認してみる。
名前:ムサシ
性別:男
種族:ゴブリンナイト
LV:40
TLV:90
HP:5,600
MP:1,360
SP:4,166
STR:3,504
DEX:3,224
AGI:2,976
INT:1,360
WIS:920
LUK:14
スキル一覧
格闘LV48・小剣LV48・片手剣LV20・挑発LV30・指揮LV37・軍勢LV1・騎乗LV18・剣技LV52・修羅・二刀流
片手剣のスキルと軍勢のスキルが増え、その他のスキルのLVも大幅に上昇している。
「オート君、なんかスキルレベルがたくさん上がってるんですが?」
「各上の敵との戦いであるほどスキルレベルの上りが良いんだよ~戦いの中でもレベルは上がるからね~」
「そうなのか。俺も戦いの中でレベルが上がって新しい剣技が使えるようになったしな」
「そういうこと~じゃあ、進化しようか~」
いつもの進化の場所にきた。
そしていつものようにスポットライトで進化先が照らされる。今回の選択肢は一つだけだった。
それが今の種族、ゴブリンナイトよりも一回り大きく、錆びた兜を被ったゴブリンだった。おそらくこれがジェネラルだろう。他に選択肢がないのはなぜだろう、進化の条件を満たしてないのか。それに前回の進化の時の選択肢もなくなっているのも気になる。
まあ、気にしたところで選べるのは一つなのだから関係ないか。ステータスも確認する。
種族:ゴブリンジェネラル
HP:200
MP:30
SP:100
STR:110
DEX:100
AGI:90
INT:40
WIS:30
LUK:20
追加スキル:鼓舞LV1
特徴:ゴブリン種の中でもかなり上位の強さを持つ。通常進化先である。
鼓舞:味方の生物のSTRに1%✖LVの補正が付く。効果時間は10分。
初期ステータスは今までの進化先と比べてかなり上昇しているな。ま、当たり前のことだが。
鼓舞というスキルは有用だな、まあ、とりあえず進化してステータス確認でもしようか。
そして石碑の場所に意識が戻ってきた。またいつものように俺が一番最初に進化し終わったようだ。ステータスはどうなったか。
名前:ムサシ
性別:男
種族:ゴブリンジェネラル
LV:1
TLV:91
HP:256
MP:44
SP:142
STR:145
DEX:132
AGI:120
INT:54
WIS:39
LUK:24
スキル一覧
格闘LV48・小剣LV48・片手剣LV20・挑発LV30・指揮LV37・鼓舞LV1・軍勢LV1・騎乗LV・18・剣技LV52・修羅・二刀流
LV1のステータスだから全然弱いがまあ、また戦ってLVを上げればいいだろう。それじゃあ、ほかの三人が終わるまで卵を撫でておくとするか。
30分後、最後の一人。リンウィが進化し終わって四人全員が集合し、時間も少しオーバーしているので確認などは明日にして、早速ログアウトして解散した。




