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Only Monster ~モンスター成長型ゲーム~  作者: 志黒 白郎
第二章 新たな世界と強敵
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VSオークジェネラル2

初めての戦闘話ですので温かい目でご覧ください。


 オークランサーに突っ込んでいくと。槍を時間差で突き出してくる。

 俺はそれを身を屈めて躱し近いほうのオークランサーの懐に潜りこみ、スラッシュのスキルを両手でそれぞれ放つ。二撃とも突き出た腹に加えて攻撃を核に打ち込む。CHの表示が出て、オークランサーはそれだけで光の粒子となって消える。


「お~やっぱり装備がちゃんとしてると違うね~」

「ん。強くなる。」

「一瞬で倒しちゃいましたね!」


 1匹目のオークランサー光の粒子になった瞬間にはもう1匹の方に走り出す。

もう片方のオークランサーは焦ったように槍を突き出す。俺は腕の手甲で槍を上の方向に反らしながら懐に入り、すれ違いざまに横薙ぎのハイスラッシュを腹に打ち込む。

 しかし、まだ少しHPが残っているようなので、背後から胸の核に向けて突きを放ちオークランサーを光の粒子に変える。


「ふう、なかなか楽に倒せたな」

「欠けた小剣じゃ攻撃が核にまで届かなかったからね~」

「すごいです!しゃしゃしゃ!って動いてました!!」

「なつ。すごい。」

「そうだね~だけど、オークジェネラルがまだ残ってるからね~」


 その言葉でオークジェネラルの方向を見てみると、HPが半分手前まで回復していた。


『ブギャーブルルー』

「結構早く倒せたからあんまり回復してないね~ま、あれなら普通に勝てるかな~?」

「ん。よゆう。」

「ほんとですか!?ならさっさと倒しちゃいましょ!なんか怖いですし、、」

「そうだな、俺がメインで戦っていいか?」

「いいよ~じゃあ早速行こうか~」


 そして全員が消費したMPやSPを回復薬を使って回復してからオークジェネラルと対峙した。

 オークジェネラルはずっとこちらを睨み付けながら唸り声を上げている。


「俺が正面を引き受けるからみんなはサポートに回ってくれ!」

「了解したよ~じゃあ僕は左側にいくよ~」

「私は。右。」

「なら私はムサシさんの後ろで全体のサポートをします!!」

「では、改めて参る!!」


 俺が正面で挑発スキルを使用して他の三人に意識がいかないようにしてオークジェネラルと対峙する。

一足に懐に飛び込んで右手の直剣を振り下ろそうとした瞬間、右方向に体が吹き飛んでいった。何が起きたのかと体を反転させてオークジェネラルの方を見ると右手の包丁の刃を地面に垂直に向けてこちらの方向に切っ先が向いていた。おそらく包丁の腹で殴り飛ばされたのだろう。HPも三割程に低下したようだ。手甲を嵌めた左手が間に入ったことと新しい防具だったことでそれほどダメージが入らなかったのだろう。


「ひゃあ!?大丈夫ですかムサシさんーー!!」

「ムサシ。しっかりー。」

「あはは~派手に吹き飛ばされたね~大丈夫かいムサシ~?」

「二人ともあんまり心配してない!?」

「ああ、大丈夫だぞ。あんなに動きが速いとは思わずに油断した。次は慎重にやるから大丈夫だ。」

「ならまだやれるね~いくよ~」


 しっかりと集中して再度オークジェネラルと対峙する。挑発の効果でオートとリンウィが魔法で攻撃しても意に介していない。

 今度は迂闊に懐に潜り込むことをせず、包丁がぎりぎり届く範囲まで近づいて攻撃を仕掛けてくるように仕向ける。オークジェネラルは怒っている、ここまで近づけば必ず攻撃してくるだろうし、その攻撃も大ぶりなものに限るだろう。あとはその攻撃を避けてからすれ違いざまに攻撃を重ねていけばいいだろう。

 そのとき、オークジェネラルが正中線に包丁を振り下ろしてきた。予想通り隙だらけの大振りで振り下ろされる包丁を左足を右斜め前方向に踏み出し螺旋状に回転しながら避け、すれ違いざまに両手の剣で回転切りを数回繰り出してから後方に回り込む。オークジェネラルは包丁を振り下ろした姿勢で首だけを向けてこっちを見ていた。


「ふぁー今の凄いですねー!!」

「くるくるー。」

「あれも実家の武術かな~」


 オートの言葉通り、実家の古武術の技、螺旋・法華。振り下ろしの攻撃に対するカウンターの技だ。全部で五つの系統の技があるが、その中の一つに螺旋系統がある。

 いまは、ジェネラルオークの動きを観察する。奴はこちらを見つめながらゆっくりと向きを変え俺と向き合う。先ほどまでの頭に血が上ったような様子はなくなってこちらを観察しているようだ。おそらく俺の動きで冷静になったのだろう。

 さて、どうやって戦うか。冷静になった今さっきのような大ぶりな攻撃があるとは思えないが、修羅スキルの効果でステータスが上がった今油断しなければ奴の攻撃をくらうことは考えにくい。また、武術を使えば負けることはない。が、念には念を入れて攻撃をあと一撃くらい受けてステータスをもう少し上げておいたほうが良いだろう。

 そのときオークジェネラルがおもむろに地面に転がっている石を拾ってこちらに投げてきた。ステータスに任せて投げられた石はなかなかの速度で俺の額に向かってきた。俺はそれをわざと大げさに屈んで避ける。案の定オークジェネラルはそれを隙ととらえてまたもや包丁を振り下ろしてくるが、今度は片手での大振りじゃなく、コンパクトだが両手でしっかり体重を乗せて振り下ろしてくる。今回は多少本気を出すと決めているので惜しみなく技を使うとしよう。

 振り下ろされる包丁を左足を後方に下げながら半身になって躱しそのまま勢いを弱めず左足を前方に向けながら回転して左手の小剣でオークジェネラルの腕にスラッシュを放つ。そしてさらに両手の剣を振るって腕に攻撃を加えていく。オークジェネラルも俺を仕留めようと包丁を両手で持って振るってくるがそのたびに掠る程度で攻撃を受けHPを徐々に減少させていく。HPが2割を切り、オークジェネラルがとうとうしびれを切らし大ぶりの攻撃をするようになった。HPが減った分更に動きが早くなり、余裕をもってオークジェネラルの動きをさばけるようになった。動きが大ぶりになったおかげで弱点の胴体を狙って攻撃できるようになった。出張った腹を両手の剣で上下左右に斬りつけていくとだんだんとオークジェネラルのHPが減少してとうとう3割を下回った。そのときオークジェネラルが先ほどのような咆哮を放った。二回目で予想が付いてたので咆哮の瞬間に多少距離をとって防ぐことができた。

 それからの攻防はある程度拮抗したものになってきた。オークジェネラルの攻撃は直撃はしないが胴体に数撃かすってしまった。俺もオークジェネラルの猛烈な攻めにあと一歩踏み出しての攻撃ができなくて互いにHPを1割にまで減少するような戦いをしていた。

 そのとき視界に一度見た通知が一つ流れた。


〈剣技LV40突破を確認しました。剣技:ダブルスラッシュを解放します。〉


 これは好都合だ。今までの戦いでオークジェネラルの腹部の弱点に攻撃が届くようになっていた。

 そのときオークジェネラルが横薙ぎの攻撃を繰り出してきた。俺は今までのように下がって躱さず、できる限りの低姿勢になって攻撃を潜ってがら空きになった腹部に両手の剣それぞれで〈剣技:ダブルスラッシュ〉を放った。


 そして俺が距離をとった直後にオークジェネラルは倒れ、ドロップアイテムを残し光の粒子になって消え去った。



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