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Only Monster ~モンスター成長型ゲーム~  作者: 志黒 白郎
第二章 新たな世界と強敵
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VSオークジェネラル1

 MPを込め、オークジェネラルに向けて網を投擲する。網は途中で解けて展開し、オークジェネラルに対して覆い被さった。


「いまだオート!いくぞ!!」

「おっけ~!なら二人はサポートよろしくね~」


 そう言って俺とオートはオークジェネラルに突っ込んでいく。まずはオートが突進スキルを使ってぶつかる。俺は時間差で右手首あたりに剣技・スラッシュを放つが、皮膚が想像よりも頑丈であまりHPも減らず、武器である巨大包丁も握りしめたまま網から抜け出そうともがいている。


「オート、、思ったよりこいつ強いな」

「そりゃね~下級のモンスターだけど中級に近い下級だからね~」

「それ言ってなかったよな、まあ楽しめるがな」

「とりあえず今回は≪氷結四技≫を使っていかないと厳しいかもね~まずは〈氷爪〉から~」


 するとオートの操作するハイブルの蹄から長さ30cmの氷でできた三本爪ができる。

オートは頭突きをしてから後ろ脚二本で立ち上がり前足でオークジェネラルのふくらはぎあたりを引っかくことを繰り返す。意外に切れ味に優れているのかザクザク切れていく。

 俺も右手に集中して攻撃を加えて武器を落とさせるようにするが、まだまだ落としそうにない。しばらく攻撃を四人で加えているとだんだん網の拘束が緩くなってきた。


「おいそろそろ抜け出しそうだぞ。下がるか?」

「そうだね~MPとSPを回復させときたいしね~下がって回復薬使おうか~」

「わかった。リンウィ!落とし穴設置したか?」

「まだ。今からする?」

「そうだね~設置して~」

「ん。了解。」

「はわわ!怖いですよーー!!」


 振り返ってオートの背に飛び乗って後ろに下がる、リンウィも落とし穴を設置して飛び立つところだ。俺たち二人も落とし穴の後方に回ってMP・SPの回復薬を使ってオークジェネラルを待つ。

 数十秒が経ったころ、オークジェネラルは右手に持った包丁で拘束が緩くなった網を斬りはらってこっちを見た。さすがにいきなり攻撃されたのでかなり怒っているらしく、「ぶきー!!」っと甲高い声を出して巨大な包丁を振り回している。

 オークジェネラルを落とし穴に落とすために挑発のスキルを使う。オークジェネラルは俺のことを凝視して一際大きく足踏みしてこっちに向かってきた。


「お~かなり怒ってるね~あはは~」

「そうだな、まあいきなり攻撃を受けまくったわけだからな」

「これからまだぼっこぼこだけどね~」

「ですとろーい。」

「みんな暴力的すぎですよー!!」

「そんなことよりそろそろ落ちるぞ」

『ブキー!!』

「あ。落ちた。」

「なんかかわいそうになってきました、、、」

「今のところ一方的にボコボコにしてるだけだからね~」

「勝負に情けは無用だ、行くぞ三人とも。」

「いくー。」


 早速オークジェネラルは穴から抜け出そうともがいている。穴の深さ的に俺は穴の淵かかった手を攻撃する。ほかの三人は魔法を穴の中に次々と打ち込む。


「ファイヤーボール!ファイヤーボール!ファイヤーボール!」

「れーざー(仮)」

「じゃあ僕もファイヤーボール~」

「三人とも楽しそうだな、、そろそろ出てきそうだから離れるぞ」

「そうだね~言ってなかったけどこの落とし穴は一度抜け出たら五分で元通りになる自然にやさしい仕組みだから落ちないように気を付けてね~」

「VRゲームの世界にエコってなんか変じゃないか?」

「まあ設定ってやつだね~」

「出てくる。離れよ。」


 リンウィの言う通り出てきそうな感じなので全員で離れて戦列を整える。

 オークジェネラルはその十数秒後に這い出てきた。体力も残り3割程まで減少している。すると、出てきて数秒後に大音量の咆哮を放ってきた。


「あ~これはちょっとまずいかもね~」

「ん。ピンチ。」

「どういうことだ?」

「ですか?」

「罠とか新しい武器でスキル使いまくってこれまで順調に戦えてたんだけど~オークジェネラルとかオークキングになると下位のオークをポップさせることができるんだよ~で、オークジェネラルは体力が半分を下回ると一定確率で取り巻きとして10体ほどの集団をポップさせるんだよね~あと、体力が3割以下になると激昂状態になって強さが5割増しになるんだよ~」

「つまりその説明をしたってことは、今現在オークジェネラルが強くなって更に取り巻きをポップさせるという最悪の状態か?」

「ん。そゆこと。」

「そうだよ~察しがよくて助かるよ~」


 そんなことを話している間にオークジェネラルの周囲に10体のオーク種がポップした。普通のオークが5体に槍を持ったがオーク3体、弓矢を携えたオークも2体いる。


「あちゃ~オークアーチャーもいるのか~リンウィ、オークアーチャーを同時に倒せるかい~?」

「ん。光魔法で余裕。」

「ならあれらはリンウィに任せて僕たちは早めに取り巻きを倒すよ~」

「オークジェネラルは放置しといていいのか?」

「大丈夫じゃないけど取り巻きが出てきたときは体力を回復する時だから動かないんだよ~それに近づこうとしても取り巻きが妨害してくるから先に殲滅しないと近づけないんだよ~」

「なるほどな、じゃあウィンフはどんどん魔法で攻撃してくれ。俺とオートが前線で押し止めるから」

「わ、わかりましたー!!ちょっと怖いですけど、、、」

「じゃあ、出し惜しみ無しでいくよ~≪氷結四技≫〈氷鎧〉と〈氷域〉同時発動~」


 その瞬間オートを氷が埋め尽くし、周囲10mの範囲に猛烈な冷気が漂い始める。

 ビシビシとオートの体を覆った氷にひびが入り砕け散る。中から光が乱反射して青白い光を放つ獣鎧を纏ったオートが現れ、氷域の効果で周囲に漂った冷気で地面の草が凍り付き、空気中の水分が冷えて霜が降りる。


「綺麗ですー!きらきらしてます!!」

「確かに綺麗だな」

「ん。きらきら。」

「あはは~じゃあ、行ってくるよ~」


 そういって突っ込んでいく。

 霜の降る範囲に入ったオークは次々に動きを鈍らせていく。オートに対して攻撃してくるが低下したステータスでは〈氷鎧〉を纏ったオートにはダメージが入らないようだ。


「今のオートはほとんど無双状態だな」

「確かにすごいですね、、ロデオです、、」

「お兄。暴れ牛。」

「あはは~豚がピーの様だよ~」

「じゃあ俺も行くか、ウィンフは俺に回復魔法かけなくて大丈夫だからな」

「え!?あ、はい!」


 俺も右手に直剣、左手に小剣を握り、オークの集団に突っ込み挑発スキルを発動する。

 わざとダメージを受けながら取り巻きのオークを倒していく。装備を整えたおかげで今までより楽にオークを倒せる。修羅スキルの効果もあって攻撃を受けるたびに与えるダメージや動きが早くなっていく。

 

「修羅は良いスキルだな!どんどん強くなる!」

「あはは~楽しいね~ムサシ~」

「戦闘狂二人。レーザー(仮)。ひゃっはー。」

「戦闘狂は三人です!?というか私が攻撃しなくても全然平気っぽいです?」


 それからオートの〈氷域〉で動きが鈍ったオークを殲滅し、リンウィがオークアーチャーを光魔法で打ち抜いて取り巻きは槍を持ったオーク二匹になった。


「残りはオークランサー二匹だね~」

「俺が一人でやっていいか?」

「ん。いいよ。」

「一人で平気ですか?体力も半分になってますし。」

「平気だよ~修羅のスキルのおかげでステータスも上昇してるからね~」

「その通りだ、では参る!」


 そして残りの二匹に突っ込んでいく。


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