ゲーム開始
少し改稿しました。
あれから説明を秋斗から受けているが、どうやら今回のゲームは最先端のVRMMO技術を使ったものであり、専用の機械で脳波を解析し、意識を実際に操作するキャラクターに投影することで、現実世界で体を動かすのと同様の感覚で操作するらしい。
そして脳波の完全解析により、五感を完璧に再現し、ゲーム世界で現実世界と同様に食事をすることができるらしい。
「というわけで西城さんには一緒にこのVRMMORPGをやってもらいたいんだけど。どう?興味出てきた?僕たちはベータ版で先に体験したけど凄かったよ!」
「まあ大体分かったが。ゲームの内容は?」
説明を要約すると。
モンスターと呼ばれる知能のある魔物を操作してレベルを上げ、進化したりしていくらしい。
「詳しい説明は実際にプレイしながらするからさ!やろうよ!」
「まあ、俺は毎回のことだから別に良いんだが、西城は?」
「え、んー、でもゲーム機って高いんでしょう?」
「あー、それなら大丈夫、こいつらのことだから人数分すでに用意されているはずだ。な、秋斗」
「もちろんだよ!これでも春風と二人で稼いでいるからね!すでに4台分の特別版を用意してあるよ」
「な、ならやってもいいかな?でも、どうやって稼いでいるの?」
「やったー!なら春風、準備して!んー、秘密かな?」
「お兄。できた。なつも早く。」
ということで、ゲームをプレイすることになった。
インターネットに接続された専用のヘルメット型ゲーム機を頭に装着し、それぞれソファーに寝転がる。
「右耳あたりにある丸いボタンを押して10秒くらいしたら始まるからね」
「わかった」
「あ、あと、なつやんも西城さんも分からないだろうから最初にヘルメットの眉間の部分にあるボタンを5秒くらい長押ししてから始めてね。そしたら周囲10m以内の人が自動的にパーティー登録されてチュートリアルから一緒に始められるからさ!ま、いわゆる家族と一緒に始めたりするときの機能だね」
ならばということで全員で眉間のボタンを長押ししてから右耳当たりのボタンを押して目を閉じた。
〈リンク完了〉
〈脳波検出および脳波登録完了〉
〈ゲームを開始します〉
機械音が聞こえたと同時に意識が遠くなった。
体感で数秒ほどたったころに意識と視界が明瞭になってきた。
「あ、なつ確保。」
声と同時に右から軽い衝撃がくる。
「春風か、秋斗、これからどうすればいいんだ」
周りを確認すると白い空間が広がっていて、そこに4人全員がいた。
逆に言うと4人がいる以外には何もないし。
「あ~そういえば説明書にやり方が書いてあったんだけど見せるの忘れたや~あはは。まあ時間がある程度立つとアナウンスによる指示が出るんだけどね!まあ、実際にやって見せるから真似してくれたらいいよ。メニューオープン!」
すると秋斗の目の前に半透明なキーボードが現れた。
「これでゲーム中に使うキャラの名前を入力するんだよ」
「わかった。メニューオープン!」
「わ、わたしも!メニューオープン!」
俺と西城の目の前にも半透明のキーボードが現れ、その少し上にNAMEと左隅に書かれた四角い半透明の枠が浮かんでいた。
俺は、双子に誘われてゲームをするときにいつも使う名前、ムサシと入力する。
双子もそれぞれいつも使っている名前を入力したようだ。
「秋斗と春風はいつも通りオートとリンウィだろうけど、西城はどんな名前にしたんだ?」
「えっと、こういうゲームあんまりしたことないからどんな名前が良いのかわからなくて。」
「じゃあ僕が命名してあげるよ!んー冬華だからウィンターとフラワーを混ぜてウィンフっていうのはどうだい?」
「ウィンフ。じゃあそれにするね。よし、入力できたよ」
「じゃあみんな準備はいいかい?チュートリアルスタート!」
秋斗改めオートがそう言うと景色が一変し、映画館のような場所にいた。
ここでゲームの大まかな説明があるらしい。
さて、今回のゲームはなんだろーな。
周りを見渡しながらそう思った。