中立世界セカルダ3
女子二人の装備の詳細は次話になります。
「すいませんー!おそくなりましたー!」
「おまたー。」
「女子の買い物って長いんだなオート」
「そうだね~何もしてないけど僕もう疲れたよ~」
「二人とも何言ってるんだよー僕が急かさなかったらもっと時間かかってたよ!」
「本当にすみません!可愛いものとか結構あったので、、、」
「お兄。なつ。早く装備して。狩りに行くよ。」
「お前たちを待ってたんだろ、まったく。じゃあ、選んだ分の装備とかを差し引いた残金をもらえるか?」
「もちろんだよー。でも、ほかに回復アイテムとかはいらないのー?」
「それは受け取ってから個別で買うさ~残金がいくらかとか気になるしね~」
「それもそうだね!あと、残りの金額はゲーム内時間で一週間、現実での一日ごとに払うようにするから毎日ゲーム開始後にこの店に寄ってねー!ちなみにスキルとかスクロールが結構な値段したから、残金がサービスで端数を切り上げて、、、40,000,000Gだね!今日払うのは10,000,000Gにしとくよ!商品の仕入れに回したいからね!」
「そうだね~そのくらいはするか~ありがとね~」
「ちなみにこれ買ってもらった商品の金額の明細書ね!一応渡しとくよーじゃあ、私は仕事に戻るから!また来てねー!!」
「ああ、またな」
「今日はありがとうございましたーー!!!!」
「またね。みー。」
「またくるよ~」
そしてミリアと分かれた俺たちは一階のパステルカラーの様々な色の液体が入った瓶が大量に並んだ棚の前に来ていた。
「えらく体に悪そうな色合いだが。本当にこれが回復アイテムなのか?」
「そうだよ~?この紫の奴が解毒薬で~この黄色の奴が麻痺の~この灰色のが石化の~この黒いのが解呪だよ~?」
「明らかに状態異常を引き起こす色をしているが、、、、本当に大丈夫か?」
「私もこれは飲みたくないです、、、」
「あはは~まあ、味もおいしいから飲んでも良いけど、体に振りかけても状態異常は治るんだよ~?」
「そうなのか、だったら俺は絶対に飲みたくないな」
「そう?おいしいんだけどな~?まあ、ならⅢ等級のものを一通り買っとくね~」
「Ⅲ等級?なんだそれは?」
「瓶の正面にローマ数字があるでしょ?それがアイテムのグレードを示してるんだよ~ちなみに等級はⅠ~Ⅹまであって、序盤はⅢで大体大丈夫なはずだよ~」
「なるほど、分かりやすくて便利だな」
「でも、質の悪い店とかだと瓶の等級と中身が合ってないとこもあるから初めて行く店では物品鑑定をしたほうが良いね~」
「わかった、気を付けようか。それはそうと、収納袋もこの際買っておくか?」
「確かにそのほうが良さそうですねー、確か転生したら消滅するんですよね?」
「そうだよ~じゃあ、あとで反対側の雑貨の方にあると思うから行ってみよ~」
「おー。」
ということで、雑貨が置いてあるの方にきた。
食器に調理道具、ピッケル、手袋、コンロらしきものなど見た目で分かるものもあれば、なんか丈夫そうな縄が絡まったような球体のような物体があったり、現実で市販されている打ち上げ花火のような20cmほどの円柱状のものがあったりする。
「いろいろあるなー、あの縄の塊とか円柱の奴はなんだ?」
「縄の奴は、MPを込めて5秒後に蜘蛛の巣状に展開されるものなんだよ~10mくらい範囲があるから展開されるまでの間に敵の集団に投げると一網打尽にできるよ~。あと、もう一つの円柱のは~便利な簡易落とし穴なんだよ~こっちもMPを込めて10秒後に5mくらいの落とし穴がちゃんとカモフラージュされた状態で出来上がるんだよ~」
「それはずいぶん便利な代物だな、いくつか買っていくか?」
「そうですねー、確かにそれがあれば戦闘が楽になりそうですよねー」
「いちもうだじんー。」
「そうだね~だったらあとで5個ずつ買おうか~」
まずは収納袋を選びに行く。
サイズもそうだが形状や機能自体が違うものなどいろんな収納袋が置いてあった。
ポーチ、巾着、肩掛けカバン、リュックなど、それぞれ大きさも様々で、機能も時間遅延や停止の物もあれば、時間加速というものまであるが、加速する必要があるのか?
「ふわー、たくさん種類がありますねー!!これだけたくさんあると迷いますよー」
「そうだな、大きいサイズだと戦闘中に邪魔だろうしな。オート、どれが良いんだ?」
「そうだね~。どれも良いんだけど~やっぱり大きいサイズのは必要だよ~。だから、後衛のウィンフちゃんが大きいリュックの奴を持って、遊撃的な感じのリンウィは中くらいの紐付きのバッグかな~?僕とムサシは小さいサイズのポーチとかでいいと思うんだけど~ムサシは時間停止と時間加速の二つを待ってたほうが良いかな~?」
「時間停止の方は理由が分かるが加速の方は必要か?」
「ムサシは卵持ってるじゃんか~あれを加速の方に入れておけば早く卵が孵るよ?ウィンフちゃんの使うリュックには収納場所によって停止と加速と通常の経過時間の三種類あるものを買うつもりなんだけど~魔物の卵とかは常に所有者が持っとかないと意味ないからね~」
「そうだな、じゃあみんなで選ぼうか」
「了解ですー!!!」
「ん。わかった。」
「早く選んで冒険に行きたいしね~」
そして選んだものはウィンフが停止、加速(10倍)、経過の順で収納できる容量が多い黄緑色のリュックで、リンウィは停止の機能だけが付いた黄色の紐付きバッグ、そしてオートがちっちゃい水色の首から下げられるように一本の紐が付いた巾着タイプの時間停止の収納袋、最後に俺が選んだのはメインは時間停止だが側面に一つ小さな時間加速(10倍)の機能が付いた収納場所があるベルトで腰に装着するポーチタイプの物を選択した。
「これかなり便利だが結構な金額じゃないのか?」
「確かに装備で結構な額使っちゃいましたしお金足りるんですか?」
「大丈夫だよ~あと500,000Gくらいは残ってるからさ~あはは~」
「はわわわ!?一気に20分の1になってるじゃないですか!!」
「そんなに高いのかこの収納袋は!」
「そりゃ機能を考えたら高いに決まってるでしょ~?でも本当に大丈夫だよ~500,000Gでもそこそこな大金だからね~。1週間は十分に生活できるよ~食料買っても200,000Gは残るしね~」
「オートが言うなら大丈夫か、じゃあ早速食料を買いに行こうか、、、とリンウィはどこだ?」
「あれ?さっきまで隣に居たはずですけど、、、」
「迷子かな~?店内には居なさそうだからとりあえず店の外に出てみようか~?」
「そうだな、どうせそこら辺をふらふら飛んでるだろ」
店の外に出てリンウィを探す。
周囲のプレイヤーに聞きながらそれらしい鳥を見かけたという方向に向かっていると飲食店や屋台が立ち並ぶ通りの一か所に人だかりがあった。まさかと思いつつ中心を確認すると、ニヤリと笑いながら網で大量の肉を焼く鉢巻をまいたゴリラが見えた。そのゴリラの視線の先を探すと、、競うように肉を食べる鳥がいた。それも二羽。
片方はリンウィのラージバードだが、もう片方はリンウィより更に二回りは大きな鳥だった。
「何やってんだあいつは、、、てかこれって食料買う金無くなるんじゃないのか?」
「そうですよ!!あんなにたくさんのお肉!ずる、、じゃなくて凄い金額ですよ!?」
「あはは、、、確かに危ないね~」
「はぁ、、、おいリンウィ!!お前は何をやってるんだ!!」
「もぐもぐ。んぐ、、おー。皆も食べる?」
「食べます!!、、、はっ!?つい条件反射で、、」
「食べる?じゃないだろまったく、、」
「あはは、、店主さんこれ代金いくらになりますかね~?」
「代金はいらねぇ。大損だが、今日仕入れた500食分のヒートブルの肉をほとんど二人で食べつくしたんだ。逆に気持ちが良いってもんだ!がはは!!!」
「500食!?どこにそれだけ入ってくんだよ、、」
「おー。確かにどこだろー。」
「自分でもわかんないんだね~あはは~」
「とにかく移動するぞ、ここは人が多すぎる。店主今度はちゃんと代金を払って食べさせてもらう」
そして俺たちは後をついてくる正体不明の鳥を無視しながら冒険世界ファステルに移動した。




