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Only Monster ~モンスター成長型ゲーム~  作者: 志黒 白郎
第二章 新たな世界と強敵
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中立世界セカルダ1

 あれから二日、月曜日の夜9時。

 約束の時間になったのでヘルメット型ハードギアを被りベッドに横になって右耳辺りのボタンを押す。

 意識が遠のく感覚と覚醒する感覚が同時に来る。目が開くとログアウトした石碑の場所だった。三人は来ているのかと周りを見回すと猿にちょっかいを出す牛と鳥がいた。


「お前ら何やってんだ、、、」

「なつがきたー。」

「たすけてくださいー!!!」

「あちゃ~、おふざけはここまでかな~?」

「おいリンウィそろそろ飛びつくのはやめろ。でかくなったんだからダメージが入ったらどうするんだ」

「大丈夫だよ~。パーティ内ではダメージなんか入んないからね~」

「なら飛びついても大丈夫だな。それより、一昨日は忘れてたけどお前らは何に進化したんだ?俺はゴブリンナイトだぞ」

「あ~すっかり忘れてたね~僕はラージブルだよ~でかい牛だね~あはは」

「私は。ラージバード。でかい鳥。」

「私はモンキーマジシャンですね、下級のボールだけですが基礎魔術を四つとも使えるようになりました!」

「俺は剣技のスキルを覚えたぞ。まだスラッシュの一つだけだがな」

「僕は鈍重のスキルだね~、AGIの半分を10分間だけSTRに変換するんだよ~」

「私は。視野拡張。視界の範囲と距離を広げる。」

「じゃあ、確認も済んだところで今日は初進化の後に行けるようになる、第二世界セカルダに移動してアイテムを売買してみよう~」

「それはいいな。おれもそろそろちゃんとした武器が欲しかったところだ」

「私も。欲しいものがある。」

「なら私もです!」

「あはは、じゃあみんなで装備を整えてガンガンレベルを上げよう~ということで、移動するわけだけど、個別に移動することも可能だけどパーティとかだとリーダーが一括で移動できるんだよね~そのほうが同じタイミングで移動できて便利なんだよ~だからムサシ、メニュー画面の世界間移動の項目を選択してみて。」

「わかった」


 オートに言われた通りにメニュー画面を開いて世界間移動の項目を探す。するとメニュー画面の上から四つ目に新しく世界間移動の項目が増えていることに気が付いた。そしてそれを選択すると、〈パーティごと移動しますか?〉という表示が現れたのでYESを選択する。すると二つの世界が表示される。今いる第一の世界、冒険世界のファステル。第二の世界、中立世界のセカルダ。セカルダを選択すると〈パーティに確認します。しばらくお待ちください〉の表示が現れた。三人の方を見てみると、ウィンドウが三人の目の前に浮かんでいた。


「選択したみたいだね~二人ともYESを押してね~」

「ん。」

「わかりました!」


 三人がYESを選択しウィンドウが消えるとまた俺のメニュー画面に〈確認が完了しました。移動を開始します。〉という表示がでた。

 すると次の瞬間には、中世ヨーロッパのような街並みにいろいろなファンタジー溢れる生き物と多くの人間がうごめいている世界に移動していた。


「ここが中立世界セカルダか?」

「そうだよ~ここ以外は人間となると敵になるんだけど、ここだけは人間もモンスターも魔物も全部が共存可能な世界なんだ~」

「なんかタイムスリップしたみたいですね!」

「共存しているってことは戦闘行為が禁止とかか?」

「おぉ~鋭いね~。でも半分だけ正解かな~?この中立世界セカルダは基本的に戦闘行為ができなくなっているんだけど~例外が一つだけあるんだ~。それは、闘技場と呼ばれるコロシアムだよ~ムサシは好きだと思うよ~?強いプレイヤーとか沢山だからね~」

「それは楽しみだ!一度見学してから参加したいな」

「やっぱりそう言うと思ったよ~でも、まずは装備とかを整えないとね~リンウィはもう飛んでるしね~?」

「スイー。」

「あ!?リンちゃんまって!!迷子になっちゃうよー!?」

「なら行くか。で、まずはどこに行くんだ?」

「リンウィがもう向かってるけど、ベータ版で知り合ったプレイヤーが経営している商会の本店に行くんだよ、最初に今持ってる道具でいらないものを売りに行かないとね~。売買は基本的にNPCもプレイヤーも関係なく、アイテムごとに定められた基礎価格帯の間で両者が納得した金額で行うんだけど、実は運営が用意している悪い商会があって買いたたかれたりしちゃうからね~たぶん初心者に対する厳しい洗礼みたいなものなんだろうけどね~とにかくその知り合いのところに売りに行くんだ~」

「そうなのか、信用できる奴なんだな」

「そりゃ、ベータ版ではパーティ組んでたからね~僕たち兄妹が前衛でその知り合いが後衛だったよ~」

「そうか、ならその知り合いとやらの店に行くか」


 そうして歩くこと十数分。多数の商会が立ち並ぶ商業区域のような場所についた。そして、先に行った二人はどこにいるのかと見回してみると。ひと際4階建ての大きな商会のところで狐らしきものを乗せてアクロバット飛行をする大きな鳥と、それを呆然と見つめる猿を見つけた。


「おいオート、まさかあいつがその知り合いとやらなのか?」

「リンウィが楽しそうにしてるってことは多分そうだね~あはは」

「はあ、、、おい!降りてこい!!」

「あ。なつ。違う。ムサシが呼んでる。ごー。」

「なぜ本名で呼んだ、、ってばか!垂直下降する奴があるか!?」

「ごめん。なつ。許して?」

「また本名。もういいや、そいつが知り合いか?」

「そう。これがミーちゃん。」

「ご紹介に預かりました、僕はミリア。これでもれっきとした18歳の女の子だよ~エッヘン!」

「そうか、年齢ばらしていいのか知らんが双子と意気投合しそうな性格してるな、、俺はムサシだ。なつってのは本名だから呼ばないでくれよ?」

「そうかそうかきみがあの。武術バカなんでしょ?にひひ」

「ちがう。なつは超武術バカ。」

「誰がバカだ誰が。おいオート、こいつらの手綱ちゃんと取れ!」

「はいは~い。じゃあミーちゃん今日は買取してもらいたいんだけど~良いかな?」

「おやオートじゃないかー。いいよ!中に入って商談に入ろう!」

「りょうか~い。みんな入るよ~」


 商会の中は右側にたくさんの瓶や、壺、そして乾燥した草が、そして左側にはいろいろな道具が置いてあった。広さはテニスコート四面分ぐらいで、正面の奥は会計なのだろう、たくさんの店員がカウンターに並んで客をさばいていた。店内には多くのモンスターや人間の姿があり、手に商品らしき品を持って徘徊し、店員がそれぞれ対応に追われていた。


「随分繁盛してるね~」

「おかげさまでね、にひひ。私は発売日から毎日15時間以上はこのゲームにインしてるからね!」

「は?それって学校行ってないのか?」

「学校は去年卒業してるんだよ~にひ!だから、お姉さんって呼んでも良いんだよー?」

「ん。お姉さん。貧乳だけど。」

「ちょっとー!!それは言っちゃだめだよーーー!?だいたいリンちゃんも幼児体系って聞いたよ!!」

「むー。私は背が低いだけ。ちゃんと出てるもん。」

「二人とも人前でそういう話はしないほうが、、、」

「このフーは巨乳。同じ学生とは思えない。」

「なにー!!私にも分けろこのー!!!」

「ひゃーーー!?今はぺったんこですよーー、、」

「今はって言った。今はって。」

「くそー当てつけかー。すねるぞこの!!」

「いい加減コントはやめろ、それに卒業してるのに働いてないってことはニートか?」

「違うよー、ちゃんとそこの双子と同じ方法で稼いでるもんねー」

「なんだ、これでいろいろ納得がいったな。そっちでも意気投合したわけか」

「そうだよ~、さて、本題に入ろうか~ミーちゃん個室用意してもらえるかい~?」

「いいよーじゃあ、最上階の私室に案内するよー!」


 そして、最上階に会談で上がった。途中店内について説明を受けたが、1階が回復薬や解毒薬などの薬系といろいろな道具などの雑貨を販売していて、二階が武具や防具などの装備やスクロールやスキルオーブなどを販売しているらしい。最上階の私室は四階なので、三階には何があるのかというと。お得意様専用のいわゆるVIP限定の高級品を扱っているらしい。宝石などはもちろん、優れた武器や防具、希少なスクロールやスキルオーブなどもあるらしい。ちなみに店員はNPCの人間だったのだが、店は誰でも開くことはできるが、人間のNPCは優秀だが雇うのには結構なお金が必要なので通常は他のプレイヤーを雇ったりするそうだ。稼いでるんだなミリアは。

 それと、ミリアは優れた鍛冶職人らしいので武器もオーダーメイドしてもらえることになった。


「さあ、僕の私室についたよ!ささ、入ってくださいなー」

「失礼する」

「おじゃま~」

「わーい。」

「お邪魔しま、、ってリンちゃんそんな飛んで入って良いの!?」

「全然かまわないよーくつろいでくれていいからねー」


 勧められるままにソファーに座り、出されたお茶を飲む。まったりした時間を過ごしてると急にオートの目つきが変わった。


「ミリア。買取に入る前に一つ確認していいかな?」




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