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Only Monster ~モンスター成長型ゲーム~  作者: 志黒 白郎
第一章 始動
12/43

始めての冒険1

今回は開封の話です。動き出すのは次回からです。

 転送されてきたのは草原はチュートリアルの時とは違い、丘陵地帯のような様相を呈している。


「ほわー、デコボコしてますね!」

「きた。冒険の始まり。」

「さてと、ここは丘陵だな、どうするオート?」

「そうだね~、どっちにしろ魔物倒すんだから適当にぶらついていいと思うよ?最初だから出てくるのは弱い奴だけだろうからさ」

「そうなのか。ならとりあえず真っ直ぐ行くか」

「そうそう、ちなみにマップって言うと視界の右上あたりにでてくるから迷うことはないと思うよ~邪魔だと思ったら消えろって思ったら消えるよ~。ログアウト、ゲームを辞めることは戦闘中以外は基本的に可能だけど、後ろにあるような石碑の場所ですることをお勧めするよ~魔物もポップせず人間も来ない安全地帯だからね~」

「これか、、結構でかいな」


 後ろにあったのは高さ3m、横幅1mほどの大きさの長方形の石のような材質の物だった。

 石のようだが、触るとその箇所が水晶のように透き通ったものになる。コンクリートのような作られたものじゃなく自然の物を削りだしたのだろう。


「すごいなこれは、不思議だ」

「ほんとにすごいですねー!」

「これは安全地帯を創りだすための結界装置だよ。触ると色が変わるのは体から漏れ出すMPに反応しているらしいよ~」

「そんなことより早く。狩り。行こう。」

「そんな焦るな。まだチュートリアル完了報酬開けてないだろ?」

「はっ!?危うい。忘れてた。」

「じゃあ一人ずつ開けていこうか~まずは、ウィンフちゃんからね~」

「わ、わたし、ですか!?わかりました!あけます!」


 そうして収納袋から麻袋を取り出し、縛ってある紐をほどいて中身と取り出す。中に入っていたのは、一つの指輪だった。

早速物品鑑定をしてみる。


≪回復の指輪≫

 MP+100


 HP、MP、SPを1分につきそれぞれの総量の1%を回復する指輪。また、回復魔法LV1が使えるようになる。チュートリアル完了報酬のため譲渡不可。


「なんか、序盤にしてはかなりいいやつじゃないか?(小声)」

「そりゃ現れる麻袋の数って平均で7、8個らしいからね~ウィンフちゃんの6個でもあたりのほうだよ?(小声)」

「なら俺は何が出るんだ、少し怖いぞ(小声)」


「おぉ。なかなか良いやつ。」

「そうなんですかー!よかったです~、大切に使います!!おぉーサイズピッタリです!」

「次は。私。いざ!尋常に!」


 そうしてリンウィの麻袋から出てきたのは、一つの巻物だった。いわゆるスクロールというものだろう。

早速物品鑑定をしてみる。


≪光魔法のスクロール≫

 使用すると光魔法LV1を習得できる。使用可能回数は1回。チュートリアル完了報酬のため譲渡不可。


「なんか、微妙じゃないか?オート」

「そんなわけないよ!光魔法は古代魔法に分類されていて、どんなモンスターになろうとも古代の遺跡から稀に発見されるスクロール以外では覚えられないんだよ!?古代魔法は、光・闇・空間・虚実の四つしかないからね~いいなぁ~、ぼくもそれが欲しいよ~」

「ムサ。ばか。お兄。ダメ。私のもの。」

「はあー、そんなに凄いんですねー。よかったね!リンウィちゃん!!」

「これは僕のにも期待できるよ~!よし!開封!」


 オートの麻袋の中に入っていたのは、青白い光を放つ一つの水晶だった。綺麗な水晶だが、ひとまず物品鑑定をする。


≪スキルオーブ・氷結四技≫

 スキル、〈氷結四技〉を収めたスキルオーブ。使用することにより、〈氷牙・氷爪・氷鎧・氷域〉の四つの氷結技を習得できる。使用可能回数は1回。チュートリアル完了報酬のため譲渡不可。


「すごいな、オート。これ、かなりいいやつじゃないか?」

「めちゃめちゃすごい奴だよ!これで僕は成長方向は氷系統のモンスターで決まりだね~」

「さすが。お兄。」

「よく分かりませんが、オート君凄いんですね!」

「さて、次はおれか、どんなものが入っているんだろうか。いざ、開封」


 そうして麻袋から取り出したのは、一つの卵だった。大きさは鶏の卵を二回りほど大きくしたぐらいで、全体的に赤い炎のように見える模様がある。とにかく、物品鑑定をする。


≪謎の卵≫

孵化までゲーム内時間で210日

 中に何が入っているのか不明な卵。ログアウトしても時間は経過する。チュートリアル完了報酬のため譲渡不可。


「なんだこれ。オート、分かるか?」

「あはは~さっぱりだね~。卵の模様から炎を使う魔物の卵っぽいけどね~」

「ん~。わかんない。」

「私も分からないですねー。爬虫類か鳥類か、どっちでしょうね?」

「まあ、それはいずれ孵化するから分かるとして。100日って長くないか?」

「大丈夫だよ~、ゲーム内では現実世界の7倍時間が長いから、現実での1時間がこっちでは7時間になるからね~」

「それでも、、孵化するまで約1か月か。長いな。で、この卵ずっと収納袋に入れてても大丈夫か?」

「ん~、時間経過とか普通にするから別に入れてても大丈夫だと思うけど。せっかくだから、暇なときは出して暖めて可愛がってあげたら?」

「それもそうだな、せっかく俺のところに来たんだしな。名前も考えておくか」

「ん。私も可愛がる。」

「わたしもあっためますよー!」

「みんなで育てるか」


 そして謎の卵を収納袋にしまう。


「そういえば、スクロールとかスキルオーブ?ってどうやって使うんだ?」

「困ったときはメニューって言えばメニュー画面が視界に現れて、そこにあるヘルプの項目を確認すれば基本的な操作は分かるようになってるよ~。まあ、たいていのことは僕が答えられるけどね~。スクロールもスキルオーブも所有権のある人が体の一部を触れさせて使いたいって思えば使えるようになってるよ~、ちなみに所有権の移動は双方の合意の上ってのが基本だからね~ってことで早速使用~~」


するとオートとスキルオーブが接触している部分からかなりの光が発生した。


「まぶし!、、、っと、習得できたのかオート?」

「完璧だよ~いや~早く使いたいけどこれ今の状態だと使えないね~」


 オートから聞いた≪氷刃四技≫の説明は次の通りだ。


≪氷結四技≫

 特殊系統の魔技の一つ。特殊系統のため、通常の魔技のような使用可能条件は存在しない。次の四技を使うことができる。

〈氷牙〉

 消費MP300、消費SP300(最低値)。氷結効果のある牙系統の魔技。持続時間10分。威力はMP依存。

〈氷爪〉

 消費MP400、消費SP400(最低値)。氷結効果のある爪系統の魔技。持続時間15分。威力はMP依存。

〈氷鎧〉

 消費MP500、消費SP500(最低値)。氷結効果、水・氷耐性のある鎧を創る。持続時間30分。持続時間中はMPを消費して自己修復する。

〈氷域〉

 消費MP600、消費SP600(最低値)。氷結効果の領域を展開する。領域内の使用者のトータルレベル以下の敵対生物のステータスを減少させる効果をもつ。持続時間・効果範囲・ステータス減少幅はMP依存。最低効果は10分・10m・1割である。


「これ、結構MP・SP消費するけどかなり強いな」

「うん、特に〈氷域〉がかなりえげつないね~今は使えないけど~あはは」

「はーこれ凄い燃費悪いですねー!」

「ん。これは私も使うしかない。スクロール使用。」


 リンウィがそう言うとスクロールが一瞬光って粒子状になった。

しばらくリンウィの周囲を淡く光りながら漂った後、体に吸収された。


「ちゃんと習得できたか?」

「ん。ばっちり。」

「きれいでしたー!オーロラみたいでしたよー!!」

「どんな感じのスキル説明だい?」

「こんな感じ。」


≪光魔法≫

 古代魔法の一つ。MPを消費して聖属性を有する光魔法を使用できる。威力はMP依存。


「いや~やっぱり古代魔法なだけはあるよね~」

「ん。さすが。早く試したい。」

「いや、あんまりわからん。説明短くないか?」

「よくわかりませんねー、どうやって使うんですか?」

「あ~、これもヘルプに書いてあるんだけどね。魔法は大まかに分けて〈基礎魔術〉〈派生魔法〉〈特殊魔法〉〈古代魔法〉の四種類あるんだよね~。基礎だけ魔術なのは、呪文が固定されていて、下級2中級2上級2の合計6個しか使えないんだよ、でも、基礎の上位互換である派生魔法とさらにその上位にある特殊魔法の二つは、基礎の呪文も使えるんだけど、プレイヤーの創造した魔法を使うことができるんだ。つまり、魔術は魔を扱う技術であり、魔法は魔を制する法を創ることなんだよ。まあ、古代魔法はMP次第で何でもありだから桁が違う代わりに使いこなすのがかなり難しいらしい。古代魔法以外の三つはシステムの補助があるけど古代魔法だけそれが無いらしいからね~」

「ん。難関。でも燃える。」

「システムの補助って何ですか?」

「あ~、これもウィンフちゃんが魔法を覚えた時に教えるつもりだったけど今説明しようかな。魔術を使うときには呪文を言葉にするんだけど、着弾地点とか効果範囲とかをシステムが予測して視界に色分けしてくれたりするんだよ、魔法はそれと消費するMPを選択することでそれを反映したものを司会に色分けしてくれる、でも古代魔法にはそれが全くないから、最低でも派生魔法を経験してないと古代魔法は発動すらしないだろうね~」

「おいおい、リンウィは大丈夫なのか?」

「む~ベータ版では特殊魔法まで習得した。心配いらない。」

「悪かったって、だからそうむくれるな」

「ほわーそっぽむく春風ちゃんかわいいー小鳥の状態なのがさらにかわいいよー(小声)」

「ん。わらびもちで許す。」

「わかったよ、今度おごってやる。」

「ぼくは~?」

「お前はダメだ。それより準備終わったならさっさと狩りに行くぞ」

「ゴー。」

「了解です!」

「え~、ケチ~」


 そうして初期ポップ地にポップしてから十数分経って、ようやく進み始めた。




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