魔王降臨!?
すいません大分待たせてしまいました。(待ってるひとなんているのだろか?)これからは通常のペースに戻ると思います。
俺は落ちていた。数分前に体に当たるめちゃくちゃ強い風とゴウウウウウッというとてつもなく大きい音によって目を覚ましたのだがその時俺の周りには足場などなく曇りのない青空が広がっていた。魔法を使って止まろうとしたりしたのだが全く魔法が使えなかった。魔力がすっからかんだった。これも全部勇者のせいだろうな、マジで次会ったらぶっ飛ばす。そんな訳で俺は未だに落ちている。あーあどんどん地面が近づいてくるよ。これホントにやばいんじゃないの?いやほんとに。こんな所で死んじゃうのか魔王とも呼ばれたこの俺が?いや、魔王が?ってもう終わりじゃね?これ?地面が目と鼻の先にあるんだけど?
ドッガッーーーン!!
あーあ死んだな俺。もう力が入んなくなってきたよ。死ぬ前に勇者ぶっ飛ばしたかったなぁ。そこで俺は目を閉じた。
…………………………。
…………………。
……………。
……あれ?
全然死なねぇじゃん。俺。なんだよーマジで死を覚悟しちまったよ本当に。
「流石俺だな。もう俺死なないんじゃね!?いつの間にか不老不死なるものにまでなってしまったんじゃないか!?」
なんてふつう思うよな。あんな高さから落ちて死ななかったりしたら。けどまぁ不老不死なんてものには簡単になれないってことだな、うん。これから起こることでそう思ったよ俺は。
バキッと音を立てて俺のそばに立っていた木が倒れた。何なんだ一体?とそこの方に目を向けてみると俺を狙うギラギラと赤く光る目が2ーつありましたとさ。
ほぅ?俺に喧嘩を売ろうとする馬鹿野郎がいるのか。いいだろうその喧嘩高く買ってやろうじゃないか。
ここで俺は調子に乗っていた。それもそうだろう自分は不老不死で死なねぇとかほざくようなテンションだったのだから。
そこで俺からその喧嘩を売ってきた馬鹿野郎にしかけようとした。だが、体が動かなかった。
「あれ?どゆこと?」
俺は冷や汗をダラダラと流していた。体が動かずに案山子状態になってしまったのだ。多分だけど頭がおかしくなっていて体のダメージを正しく認識出来ていなかったのだろう。てか、そんなこと考えている場合じゃない。さっきの奴が姿を現し何もして来ない俺に向かって歩いてきたのだ。奴は狼を一回りどころか2回りほど大きくした体で黒い体毛が目立っていた。そんな奴にとって俺は格好のいい的?じゃないか餌なんだろう。
グルルルッ
「だー!!こっち来ないで!涎ダラダラじゃねぇーか。ほんとにさっきは調子乗ってました。謝りますんでほんとにこっち来ないでください!!。」
俺は多分この時が一番人生の中で死にかけたんじゃないかな。勇者と戦っている時なんかよりも断然怖かったし。
俺は動かない体で何もすることができなかった。いや、出来ることはあった。食べられる時は痛いだろうなぁとか、できる限り痛くしないでねと考えることだけだったが。
「いやしかし!!魔王ともあろう俺がこんな死に方をするのであろうかっ!!答えは断じて否であるっ!俺はもっと格好良く散らないといけないのだっ!!」
いや本当にこの時の俺は何を言ってんだろうね。後で少し思い出した時にマジで悶えるほど俺はおかしくなっていた。
まぁこんなこと言ったからって奇跡が起きたりするわけもなく俺は奴にカブリといかれてしまったんだけどな。そして俺はその時の痛みと勇者との戦いの痛みがぶり返したのもあってまた気絶してしまった。
いや、ほんとに痛かったなぁ……ガブリってきたの
これは死んだかもな……………
*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
「ん?」
見知らぬ天井が見えた。俺生きてるっ!!やっぱ俺不老不死!?まぁそんなわけないだろが。ここは何処なんだろうな。
「先生!目を覚ましましたよ!」
声が聞こえた。ベッドから起き上がって声のした方を見てみると薄い灰色の髪をした顔立ちの整ったいわゆる美少女がいた。その美少女が声をかけていたのは白衣を着ためんどくさがりのような目が死んでいるように見える大人の女性だった。その女性は俺を見るなり
「大丈夫かい?君?」
俺はガブリとやられたところに包帯が巻いてあるのに気づきこの女性がやってくれたのだと思った。
「あぁ。全然大丈夫だ。これしてくれたのは?」
俺は包帯をなでながら聞いて見た。
「あぁ。もちろんそこにいる彼女さ。」
あっれ〜?おかしいな俺の耳がおかしくなったのだろうか。あの女性じゃなくてこの美少女がやってくれたって言わなかったか?
「あんたじゃなくてこいつがこれをやってくれたのか?」
俺は恐る恐るまた聞いてみた。が、返って来たのはさっきと同じ答えだった。
「さっきそう言ったじゃないか。そこの彼女がやってくれたのさ。私は全く医術に詳しくなくてね。」
じゃあ、あんたはなんでそんな格好してんだよ!
「この格好はただのお洒落だよ。」
なんで俺の考えていることがわかるんだよ一体何者なんだこの人!?
「大抵の人は不思議がるからねこの格好でここにいるのに医術ができないということに」
女性は一体なんでだろうねと呟いていた。いやいやいやどう見てもここは医務室だろ、こんな所であんたが白衣を着ているのが悪い。
「まぁ、ここの部屋の主は私なんだけどね。」
意味わかんねぇよ!!なんで医務室に医者がいないんだよ!
「いつつ」
俺の体に力が入ったのか傷が少し痛み出した。すると美少女が心配そうに俺を見て言ってきた。
「大丈夫ですか?」
「あ、ああ。全然大丈夫だ。これやってくれたのお前なんだろありがとな。」
そう、俺はお礼が言える人物なのだ!最近の若者は例も言わないからな。俺個人の感想だが。
「いえ、そんなことないですよ。それよりもなんであんな所に倒れていたのですか?」
「私もそれは知りたいな。そして君は何者なんだい?」
あぁやっぱり俺倒れてたんだな。くっそー、魔王一生の不覚!というか倒れてる奴を運んでしかも治療までしてくれたのかこの灰色髪美少女はとてつもなく優しいんだな。でもなんて説明したらいいんだろうなそのまんま起きたこと言ってもいいんだろうか?それに魔王って言ったらどうなるんだ?ってなんだ俺めちゃくちゃ頭冴えてないか?いや元から俺はこんなに天才だったな。うんうん。
ピコん!!
やばいぞ!!俺は天才かもしれない!!まぁ元からだけど。いい方法を思いついてしまった。こんなことを考えつくなんて俺は自分が恐ろしいぞ!
「すまん。何も覚えてないんだ。」
「えっ」
「これまでの記憶がなくてな。自分が何者なのかもわからないんだ。」
灰色髪美少女は申し訳なさそうな顔で言ってきた。
「そうでしたか。すいません変なこと言ってしまって。」
そう俺の作戦とは名付けて記憶喪失なっちゃいました作戦なのだ。だがこれは結構やばいぞ。罪悪感が半端ではない。めちゃくちゃ悲しそうな顔をしてんじゃねぇか。この美少女優しすぎるだろ俺なんかのことでこんなに悲しそうな顔してから。
「自分の名前もわからないかい?」
「名前ならわかる。オウマだと思うんだが……」
というか俺元から名前ないんだよな。魔王になった時点でもう名前ってのがなくなったんだよな。なんで名前をなくすんだろうな?意味がわからんなそこら辺は。そういう訳で俺が今名前を作ったけど即興にしては意外とセンスあるだろ。
魔王→まおう→ま お う→おうま→オウマ
あれ?こう見ると俺やばいほどにこれはセンスあるんじゃないか?そんなことを俺が思っていると美少女と白衣が2人で喋っていた。
「どうなるのでしょうか?せんせい?」
「ふむ、何処かの病院に入れてもらう、だろうが多分金がない。」
「私が少しならだします!」
なんて優しいんだろうかこの美少女は。見ず知らずのこんな奴に金を出すだなんて凄すぎるな。感動と罪悪感で胸が潰れそうだぜ!そろそろ本当の事言わないと取り返しのつかないことになりそうだな。そう思って俺が口を開けようとした時にこの部屋にある人物が入ってきた。
「そんなことはしなくてもいいですよ。レヴィさん。」
そうかこの美少女はレヴィっていうのか。というか誰だ?こいつ?
「学園長!」
がくえんちょう?どゆことなんだろうなとレヴィを見てみると制服のような物を来ていた。そして入ってきた人物を俺が少し怪訝な目で見ていたのかその優男なひょろひょろは少し笑って言ってきた。
「失礼しました。挨拶もまだでしたね。私はこの学園の理事をしているウィリアムと言います。」
「どうもよろしく」
「はいよろしくお願いしますよ。それでさっきの話なのですが」
「「「??」」」
俺と白衣とレヴィは三人揃って疑問符が顔の上に浮かびそうな顔をしてから学園長の言葉を待った。
「あなたにはこの学園に通ってもらおうかなと思っています。」
何か文でおかしなことろがあったりしたら指摘お願いします。