やっと出られる!?
すいませんこれから現実の方で1週間ほど忙しくなるのでこのの1週間だけ投稿するペースが落ちると思います。それでも見捨てないで見てくれるとありがたいです。
ーーーー真っ暗な世界にてーーーー
どれくらいの時間が経ったのだろう。数秒いや、数年かもしれない、それでも勇者と魔王はどちらもさ迷っていた。どちらも脱出する道や出口、方法を見つけ出すことができずにいたのだ。ただ、2人は一つのことをどちらも気づいていた。
「「この世界はくそったれだ!!」」
この世界で2人は心の芯が折れかけることが何回もあったのだ。壁にぶつかったのは何回だっただろうか。穴に落ちたのは何回だっただろうか。数えることも嫌になるほどに2人は壁と穴を味わっていたのだ。
それなのに2人は止まることもなくずっと進み続けていた。この世界では体が疲れるということがなくなっていたのでそれが幸いしていたのかもしれない。
そんなこんなで歩き回っていたので2人はもう既に意味のわからない状態(頭がおかしくなった)になりかけていた。
魔王も勇者もそこに壁があるとわかったり穴があるとわかったりできるようになってしまったのだ。
そしてある日?ずっと2人は真っ直ぐ?進んでいたが突然前に黒ではない白い点が見えることに気がついた。2人はそこに向かって歩き始めた。その白い点はどんどん近づいていった。そして白い点が親指ほどの大きさに見えるくらいに近づくと2人はあることを思った。
「あれ、人だろ?」
「あれ、人じゃないのか?」
魔王と勇者はこの事を思った時点で気づくべきだった。いや、わざと頭の中でその可能性を除外していたのかもしれない。
そして数日?ぐらい経ったあとにふたりはその白い点(人?)と目と鼻の先にまで近づいていた。
「やばいなこれは。とうとうおかしくなったのか俺は。やっと人らしき人に会ったと思ったらそいつが勇者なんかに見えるなんてなぁ?勇者らしき人?」
「あぁ。俺もおかしくなっているみたいだ。人に出会ったと思ったらなんとその人がバカ魔王だとは。これは何なんだろうな悪夢かな?魔王らしき人よ?」
「「…………………」」
「「なんでだよっ!!(なんなんだっ!!)」」
「なんでお前なんだよ!」
「こっちのセリフだ!バカ魔王!」
「「あぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜↓↓↓」」
2人はが白い点だと思って近づいていっていたのは魔王は勇者で、勇者は魔王だったのだ。2人は感動の再開などにはならずに本当に嫌な顔を浮かべて頭を抱え二人してうずくまっていた。しかし、急に勇者は立ち上がり魔王の方に指を突きつけた。
「そういえば魔王!。俺はお前に言いたいことがあるっ!」
「なんだよ?」
「お前のせいで俺はこんな世界に来ちまったんだよ!何も言わずに土下座して謝れ!」
「はあっ?意味がわからん。なんでおれのせいなんだよ?それにそれを言うなら俺だってお前のせいでこんな世界に来ちまったんだぞ!それを俺は優しいから水に流してあげようってのにお前は心が小さいんだな?」
「そっちのほうが意味がわからんわ!バカ魔王!お前は自業自得だろうが!それに心が小さいとかお前が言うな!」
「わかったわかった。落ち着けアホ勇者。つまりこういうことだろ?お前が土下座して俺はその後頭を下げて謝ればいいんだな?」
(ブチッ!)
何かが切れる音がした。その勇者の堪忍袋が切れるような音がしたあとに魔王に向けて光の奔流が飛んできた。魔王はギリギリのところで避けその光の出処を見た。
「あぶねぇよ!なにすんだ!?急に!」
「いや、魔王を殺そうかと思ってな」
「ほぅ?やるってのか?」
「あぁやるさ魔王という名のクソでバカでアホで超ウザイ虫の駆除をな」
「少し言い過ぎだ(ドガッ!)ってあぶねぇっ!」
「死ね魔王〜〜〜〜〜〜〜!!」
「お前が死ねよ!!アホ勇者ーー!!」
2人の壮絶な戦い?が始まった。2人は同時に魔法をお互い目掛けて放った。魔法がぶつかり合い白と黒が混ざりあったような爆発がちょうど二人のど真ん中で炸裂した。その衝撃でびくともしなかった真っ暗な世界の壁?らしきものにヒビが入った。そんなことに2人は気付かずに戦いを続けていた。その後も魔王が魔法をうち、勇者が魔法をうちかえして爆発が何回か起こった。その度に真っ暗な世界ではヒビがその2人を中心に広がっていった。ヒビはだんだんと大きくなっていったのだが2人が気づく様子はなかった。
魔王は魔法では埒が明かないと思い牽制として何発か魔法を勇者に向けてうち勇者の右側に回り込むように走り出した。
勇者は自分に向かってくる魔法を魔法で正確に撃ち落としたあと左側から迫って来る魔王目掛けて魔法をうった。
「死ねっ!」
「あぶなっ!」
魔王は勇者から放たれた魔法をギリギリのところで左に体をひねり地面に体をなげだして避けた。勇者の正面にでた魔王は魔法をうって少し体が止まっている勇者の隙を見逃さずに顔面目掛けて拳をぶち込もうとした。
「ちっ!」
勇者は魔法を避けた魔王が自分に向けて拳を向けているのを見て舌打ちをしながら避けようとした。しかし、間に合わないと思い咄嗟にカウンターにでた。1発貰う気で魔王に1発ぶち込もうと拳を魔王の顔面目掛けて繰り出した。
「「らあぁぁぁぁぁっ!!!」」
2人は互いに拳を相手の顔にぶち込んだ。そして2人は後ろに吹き飛びドガッ!と音を立てて真っ暗な世界の壁に突っ込んだ。
「くそっ。いってぇな」
「くそっ。全然殺せない」
2人は痛がりふらふらになりながらもどうにか立ち上がった。この世界でいくら疲れないといっても疲労蓄積されており限界が近づいてきたのだ。2人は相手の場所を見極め最後の魔法を使おうとした。その魔法はこれまでのものとは別物と言えるぐらいに規模が大きかった。
「はぁはぁ。これで終わりだな。」
「これ以上は無理か。」
静寂が真っ暗な世界を包み込んだ。
「「はぁぁぁっっ!!」」
2人の声を始まりとして2人の最後の攻撃が始まった。
2人は魔法を相手にぶっ放してその瞬間に相手に向けて走り出した。2人の間は約100mで、2人のスピードはほとんど同じだった。ドンッ!!と音を立て2人の放った魔法は2人の中心で爆発した。そして爆発の余波をもろともせずに2人が拳を交えようとした。
バキッバキバキッ!!!
「「なんだ?」」
変な音に2人は足を止めてしまい辺りを見回した。その音はまるでこの世界に来る原因となったヒビができる音にとても似ていた。そしてやっとのことで2人は真っ暗な世界にヒビができていることに気がついた。そのヒビは2人の魔法の爆発により出来たものだった。すると魔王の目の前にいた勇者が急に消えた。
「あぁーーーーーーーーーー」
「は?」
勇者の変な声が魔王の耳に入ってきた。魔王は不思議がって勇者のいた場所に行こうと歩き始めたが、魔王の立っている場所の床が消えた。
「はい?」
勇者が同じ目にあったと気がついたのはその時だった。そうだ勇者も立っていた場所の床が消え落ちていったのだ。
「嘘だろぉぉーーーー!!」
魔王も落ちていた、しかもその時、黒い破片が丁度魔王の所に落ちてきて魔王の顔面にぶつかった。これまでの疲労とその衝撃により魔王は意識を暗闇へと落としたのだった。
少し補足をしていきます。
なんで勇者が魔法使えるの?とか思った人がいると思いますがそれは魔力が回復したと考えてくれればいいです。あと魔法に関しての詳しい説明などは話の中で説明する機会を作る予定なので少しお待ち下さい。
これでこの世界の話も終わります。あとこの話は基本的に魔王が主人公のつもりです。なので魔王目線の話にこれからはなっていきます。勇者の出番は極端に減ると思いますが途中で勇者の話も入れていくのでお願いします。