真っ暗な世界で(勇者サイド)!?
すいません前の話の続きです。今度は勇者サイドです。かなり短いですがお許し下さい。
ーーーー勇者サイドーーーー
「あぁーーーーーーーーーー!!」
勇者もまた落ちていた。勇者は落ちながらでもこの世界がどのような世界なのか確認するために辺りを見回した。しかし、真っ暗な世界が広がっているだけで終わりなどは見えなかった。下を見ても地面がどこなのかもわからずにどうしようもなかった。それでも減速はしておくべきだと勇者は考えたのか手を前にだして魔法を発動させようとした。
「はぁ!!……はぁ??」
勇者の手からは何も出てこなかった。それもそうだろう魔王との戦いで魔力をほとんど使っており雀の涙ほどしか残っていなかったのだ。勇者は魔法を使って減速するのを諦め、他の方向で減速しようとしたが他の方法など思いつかずに地面を待つだけになってしまった。
ー三十分後ー
勇者はまだ落ちていた。
「これ終わりないんじゃね?」
勇者がそう呟くのも無理はない。大抵三十分もずっと落ちていたりしたら終わりがないように考えるだろう。勇者は目を瞑って終わりがないという最悪の事態を考えながら地面が来るのを待つことにした。しかし、その考えは杞憂に終わることとなる。
ー三秒後ー
ドガッッッ!!
恐ろしい音を立てながら勇者は待ちわびた地面に激突した。
「地面遠っ!!しかも目瞑った瞬間にくるって絶対狙ってんだろ!」
勇者は悪態をつきながらも地面の感触を確かめながら立ち上がった。そして改めて周りを見通した。
「周り全部黒だな。しかしまぁ一体何なんだろうなこの世界は?」
これからどうするかなと呟きながら勇者は歩き始めた。しかし、数歩歩いたところで右足の足の裏に地面の感触が伝わらなくなった。
「ん?……ってあぁーーーーー」
勇者は落とし穴?に落ちていった。
ドコッ!!
幸いにも落とし穴?はそんなに深くなくすぐに地面にたどり着いた。
「何!?この世界って落とし穴とかあるのかよ!!」
誰か聞いているわけでもないのに何故か質問のような口調になってしまう勇者。今更だが、2度にも渡る地面へのダイブをしたというのに勇者には傷一つついていなかった。何故なのか?と思うだろうがそこは勇者だからとしか言いようがない。そうこうしているうちに勇者は2度目の落とし穴に引っかかっていた。
「なんでだよっ!!普通落とし穴の中に落とし穴はないだろうか!!」
勇者はさっき引っかかった落とし穴からは抜け出しておらずにこれなら大丈夫だろうとたかをくくって歩いていたのだがまた落とし穴に引っかかったのだ。
「流石にもう落とし穴はないよな?」
本当に勇者は誰に聞いているのかわからない言葉を呟きながら恐る恐ると歩き始めた。するとその瞬間勇者の体に浮遊感がきたと思うと重力に引っ張られるようにしたに落ちていった。地面が突然勇者の足元だけ消えたのだ。
「本当に何なんだよ!あぁーーーーー」
と勇者の声が落とし穴中に響き渡った。
この真っ暗でデタラメな世界を2人が抜け出すのはいつになるのだろうか?その時は本当にくるのだろうか?