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無力な君へ  作者: ∮柊 琴音∮
9/11

8話

「・・・っ。」


私が青ざめていると

耳にしたことのある声が聞こえた。


「とうっ!!」


その声と共に私の腕を掴んでいた男が吹っ飛んだ。

そして地面に顔面を強打し、撃沈した。


「その人から離れろ!」


「・・・乃蒼様?」


カナハよりも背の低くシェラードと同じマフィア所属の不知火 乃蒼が私を庇うように立っていた。

どうやらさっきの男を蹴りで飛ばしたらしい。


「逃げよ、美夜さん!」


もう一人の男を無視し

私の手首をつかみ路地裏をさる。

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