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6話
「・・・・。」
私は自分の主君であるカナハの部屋を見て愕然とする。
蛻のからだ。
奥底から怒りが込み上げてくる。
周りにいるメイドらはオロオロしながら私を宥める
が、おさまらない。
頬膨らませ、はや歩きで廊下を歩く。
「あら、どうしたの?」
綺麗な声が私の足を止める。
シェラードと同じマフィアに所属の磯原雪菜。
とても柔らかな口調をしている。
大鎌を使うらしい。
「雪菜様・・・。」
「リスみたいに頬膨らませて?
もしかしてカナハお嬢さんが抜け出したのかい?」
さすが雪菜様。
勘がするどい。
・・・・・待って、どうやってこの屋敷に入ったの?
雪菜様ならどんなセキュリティーでもくぐり抜けれるだろう。
「はい。
朝、行ったら蛻のからでして・・・・。」
雪菜様は真剣に聞いてくれた。
そして
「お姉さんも探すよ。
人数が多い方がいいからね。」
そういって雪菜様は窓から飛び降り、綺麗に着地する。
私はその手際のよさに呆然する。
マフィアの方がたは個性的だ。




