5話
カツンカツン……
靴の音が鳴り響く。
暗い地下牢に続く階段を降りる。
「きたか……ゴミクズ。」
牢屋から私の顔を見ると不機嫌な顔になる男。
私と似た顔立ち。
どこか気品のある雰囲気
「……。」
私は無言で膝をつく。
男はニヤニヤと不気味な笑みを浮かべる。
カタカタと震えながらも私はただ、彼にひざまずくだけ。
「最近、どうだ?」
「どうとは?」
と聞き返すと男は地雷を踏んだかのように怒り怒鳴る。
私はビクッと体がこわばる。
「お前如きが俺に聞き返すな!
お前は質問に答えるだけでいい!」
そして男はポケットにあったナイフを私の足に投げ突き刺す
「うっ……」
私は思わず足を抑える
ポトッ……ポトッ……
血が流れる。
男は「ハハッハハッハハッハハッハハッハハッノ ヽノ ヽッノ ヽ/ \ッ/ \/ \ッ」と狂ったように笑う
「くっ……」
私はナイフを抜く
抜いた傷口から血が流れ出す
「……。」
私はフラっと立ち上がると見慣れた声が聞こえてきた。
「……おい。」
シェラードだ。
彼はすごく怒った顔をして
「失礼します。」
そういって私を抱きかかえて男の元から去る。
……。
シェラードは自分の部屋に私を連れていきベットに座らせる。
そして
「何で行った?
あいつの所に。」
「……。」
黙り込む私。
「アイツはお前を✕そうとしたんだぞ。
……。父親なのに。」
「……そうだね。
私とシェラードの両親って真逆だね。
シェラードのお父様とお母様はシェラードを溺愛してて……。
私は両親から毛嫌いされてる。」
俯く私の頭を撫でるシェラード。
そして私の頭に顔をおき
「俺とお前の両親を足して割る2すれば丁度いいな」
「ふふっ……」
私が笑うとシェラードは、ふっと笑う。
彼の笑顔は好きだ。
だから幼い頃の私は彼を好きになった。




