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無力な君へ  作者: ∮柊 琴音∮
6/11

5話

カツンカツン……


靴の音が鳴り響く。

暗い地下牢に続く階段を降りる。


「きたか……ゴミクズ。」


牢屋から私の顔を見ると不機嫌な顔になる男。

私と似た顔立ち。

どこか気品のある雰囲気


「……。」


私は無言で膝をつく。

男はニヤニヤと不気味な笑みを浮かべる。

カタカタと震えながらも私はただ、彼にひざまずくだけ。


「最近、どうだ?」


「どうとは?」


と聞き返すと男は地雷を踏んだかのように怒り怒鳴る。

私はビクッと体がこわばる。


「お前如きが俺に聞き返すな!

お前は質問に答えるだけでいい!」


そして男はポケットにあったナイフを私の足に投げ突き刺す



「うっ……」


私は思わず足を抑える


ポトッ……ポトッ……


血が流れる。

男は「ハハッハハッハハッハハッハハッハハッノ ヽノ ヽッノ ヽ/ \ッ/ \/ \ッ」と狂ったように笑う


「くっ……」


私はナイフを抜く

抜いた傷口から血が流れ出す


「……。」


私はフラっと立ち上がると見慣れた声が聞こえてきた。


「……おい。」


シェラードだ。

彼はすごく怒った顔をして


「失礼します。」


そういって私を抱きかかえて男の元から去る。



……。

シェラードは自分の部屋に私を連れていきベットに座らせる。

そして


「何で行った?

あいつの所に。」


「……。」


黙り込む私。


「アイツはお前を✕そうとしたんだぞ。

……。父親なのに。」


「……そうだね。

私とシェラードの両親って真逆だね。

シェラードのお父様とお母様はシェラードを溺愛してて……。

私は両親から毛嫌いされてる。」


俯く私の頭を撫でるシェラード。

そして私の頭に顔をおき


「俺とお前の両親を足して割る2すれば丁度いいな」


「ふふっ……」


私が笑うとシェラードは、ふっと笑う。

彼の笑顔は好きだ。

だから幼い頃の私は彼を好きになった。


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