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1話
2□✕△年
密輸などが盛んに行われ、
マフィアやヤクザ、カラーギャングなどの裏の人間が珍しくない時代。
ある国のどこかにあるとある森。
草木は生い茂り、朝には美しい太陽が顔をだす。
そんな森にはとてもとても大きい洋館がある。
おとぎ話に出てくるお城のような形をしている。
庭には大きな桜の木と噴水。
庭園がある。
洋館の廊下には、赤い絨毯がしかれシャンデリアがつらなる。
そんな廊下に女性の大きな声が響く。
「カナハ様ー……!!」
息を切らせ、長い廊下をツカツカと音をたてながら進む。
第二ボタンまで開けた白いシャツとゆるゆるのリボンをつけ、青に近い黒色の太ももより少し上の長さのスカート。黒いコートを着た女。
サラサラと靡くシャンプーの香りがする桃色の髪。
少しタレ目のピンク色と桜色の唇。
スカートの中からチラチラと見える二丁拳銃。
そんな女は、整った自分の顔を少し歪め、
彼女の名を呼ぶ。
「カナハ様ー!!」




