2/51
予感:湊
その日、俺は微かな気配を感じた。
何のと聞かれても答えられない。
けれど、すごく嬉しいような気分が高揚するような感覚で。
堪えようのない感情に思わず笑みを浮かべた。
わかんねぇけど、すっごくいいことが起きそうな予感?
ニマニマと笑っていると、幼なじみの圭が、呆れた顔で。
「不気味だから百面相やめろ」
とか、失礼なことをのたまった。
でも、気分がいいから許してやる。
「見てろよ、近々ぜってぇ良いこと起こる!」
満面の笑みを向けると、俺の言動には慣れてる圭は苦笑して。
「宝くじ当てたらおごれよ?」
なんて言いやがるから、思わず。
「あんまり即物的なのは好かれねえぞ?」
「あぁ? 女だって金ないよりある方がいいだろ?」
とか見当違いのことを言うから、とりあえず否定はしないでおいた。
「ま、出会いは神様のお導きだしな」
***************