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本当の私
自分の声が聞こえる。
この声は、どこから聞こえるんだろう。
だけど確かに、自分の名前を呼んでる。
涙が溢れだした。
そんな涙が自分を強くするなんて、
それは『逆』でしょ?
崩れてく音がする。
『助けて』
私はいつもの時間、真夜中に公園を通る。
そこで120円の一時を堪能する。
その自販機の模様は、鮮やかで、それでいてシンプル。
私の裏の顔。
いや、もう、どちらが本当かなんてわからない。
小さい頃からの夢だったアイドルになるため、
なんでもやって、自分なりに努力してきた。
でも、たったひとつ変えられなかった。
それは、『顔』。
メイクをすれば、もっともっとと、
『可愛くなりたい』、『もっとみんなに愛されたい』などと、
願望が増えるばかりだった。